第18話:乳児院支援団体立ち上げの夢

 その帰り道、近くのサザンビーチホテルで綺麗な海の景色を見ながら

早い夕食をとった。このホテルも素敵であり泊まってみたいホテルの

1つだった。那覇市内でもビジネスホテルのウイークリー、マンスリー

割引料金がある様で長期滞在も考えてみたが年齢的に早い気がした。


 ホテルに帰って、明日、帰宅するので支度をして早めに寝た。

 翌日の便は10時過ぎなので、いつも通り昼食をとり、那覇空港へ

行きレンタカーを返して、飛行機の搭乗手続きをとってから、一休み

して帰路についた。羽田に着くと冬に戻った感じが強く気温差が身に

しみて、より一層寒く感じた。章子は、以前、自分が不妊症で悩んで

いたが、子供が欲しいという願望が強く、近くに住む子供を育て

られない夫婦から2人の子供を預かり育て上げてから、こっそりと

相模原にある乳児院を訪ねていた。自分たちの子供が自立して自分の

元から巣立っていった後も乳児院の経営の厳しさを知って心を痛めて

いた。最近、秀夫の資産が増えて頻繁に旅行や買い物ができるよう

に喜んでいたが心の底には我々だけ良い思いをして良いのかという

後ろめたさを引きずっていた。


 そんな、ある日、思い切って秀夫にこの話を切り出した。すると

秀夫が相模原の乳児院へ行ってみようと言い出し夫婦で訪問した。

 相模原の乳児院に着いてから多くの恵まれない子供がいることを

知って愕然とした。更に乳児院の院長から経営の厳しさを聞かされて

心が痛んだ。家に帰ってから社会福祉活動の手伝いをしようかと言い東京、

横浜を回ってまず調べようと考えた。翌日から実際に寄付していつ会社の

担当者に話を聞いたり全国社会福祉協議会、神奈川社会福祉協議会、

横浜社会福祉協議会を訪ねて回った。そこで話を聞いて見ると、個人の

寄付を集めるのには知名度が必要にで、芸能人、歌手、有名人でないと

簡単に集められないことがわかった。


 社会福祉協議会では、食料・飲料品、文房具、衣料品、絵本、資金が

欲しいので企業訪問をして、この活動に賛同してもらう仕事をする方が

近道だと教えられた。次にボランティアさんを募って仕事の分担をして団体

として活動した方が成果が出やすい事を教えられた。そこで週に3日、

関東周辺の関連する企業訪問を開始した。


 残りの日は、最初、乳児院支援団体を横浜市と交渉して

NPO「乳児院・助け隊」を設立し行動を起こす事にした。

 必要なスタッフは経理に詳しい人、法律に詳しい人、営業経験がある人、

パソコンが得意な人。インターネットのHPを作成し、そのホームページに

NPO「乳児院・助け隊」の設立趣旨を書いた。すると問い合わせが数多く

寄せられたが必要とする人はパソコン得意な人6人、営業経験あって

引退した人5人、法律に詳しい人3人、経理に詳しい人3人、法律に

詳しい人3人が集まったのでNPO参加メンバーとして登録して良いか

確認を取った後、合計20人の名前を載せたNPO「乳児院・助け隊」

のホームページを作り、正式にNPO「乳児院・助け隊」を発足させた。

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