第8話:学芸大付属高校へ入学

 自宅にはリビングにエアコンがあり、帰ってきてはリビングで勉強していた。

弟の新一も、お姉ちゃんに刺激されたのか真面目に勉強するようになった。


 その後1986年を迎え中学3年生になった幸子は中学の成績もクラスで

ベスト5に入ったがトップになれないのを悔しがっていた。高校の参考書と

問題集が欲しいと言うので、お小遣いを渡し学校の帰りに神田まで行って

買ってきたようだ。そうして夏休みを終えた頃には中学での学年成績で

ベスト5に入るようになり自信をつけてきた。1987年、いよいよ

高校受験もちろん学芸大学付属高校を目指していたが、多分、この成績なら

受かると思うわと強気な発言だった。ただ学芸大学付属高校の場所は

渋谷の近くで電車で1時間位かかるようだ。


 秀夫が受験日を一緒に行こうかと言うと大丈夫と言い、合格発表の時に

来て欲しいと言われた。1月10日に幸子は自分で出願書を手に入れ、

書いて提出した。試験日が2月13日で合格発表が2月17日、

入学手続き2月18日から21日まで受験当日は寒かったが、落ちついて

出かけていった。帰ってきて多分、大丈夫だと言い早く寝た。


合格発表の日曜日、秀夫と章子と弟の新一が興味あるから行きたいと

言うので5人で出かけ、東村山から渋谷、三軒茶屋、バスで10分、早足

で構内の掲示板を見に言った。番号は37番、すると、新一が、ねーちゃん

37番あったよと一番先に見つ、ありがとうと言ったが、感動した様子も

なく落ちついていた。理由を聞くと附属中学は全国から来るけど附属高校

は中学からの人が多く競争率も高くないので成績上位1/3程度でも

合格してると言った。


 帰りに、渋谷の町をぶらつき、渋谷パルコで洋服を見たいと幸子が言う

ので章子と2人で入っていったが、秀夫と新一は、すぐ飽きてしまい近く

の喫茶店で1時間ほど待って、幸子と章子が帰ってきて可愛いブラウスが

あったから合格祝いに買ってあげたと言うと、笑顔の幸子がお礼を言った。

 新一が、ねーちゃん本当にすげーなと、突然言ったのには驚いた。

 小学校でも学芸大学付属はエリート校で、今まで小学校から入ったのは、

ねーちゃんだけらしいと言った。幸子が渋谷の町が気に入ったと言い、

今後、可愛い洋服を買いたいなーと舞い上がっていた。その後、

1時間かけて、自宅に戻った。


 その年に新一は地元の中学に入学して、おねーちゃんの使った中学の

問題集をもらって猛勉強を開始。幸子が高校に入ってからは、学校までの

定期を活用して東京の国会図書館や秋葉原電気街、上野動物園、銀座、

築地を行くのを楽しみに、土日は東京見物をして回った。その後、

上野美術館などにも立ち寄った。


 弟の新一は中学の陸上部に入り短距離の選手として毎日練習に励んでいた。

子供達の帰りが夜6時過ぎ、すぐ風呂に入り食事をして寝るという生活を

繰り返した。旅行に誘っても興味を示さないので章子と秀夫で日帰り旅行に

行くようになった。沼津、小田原、箱根、日光、青梅など温泉と、

お寿司とハイキングを楽しんだ。


 そうして、1989年、新一が中学3年になり陸上部をやめて勉強に集中

した。得意科目は数学で、学年でもベスト5に入る実力、しかし英語が

ちょっと苦手で、姉の幸子に、勉強の仕方を教えてもらった。英語は理屈抜き

に暗記よと言われ、ラジカセを貸すから頑張りなさいと言われ、時間があれば

、暗記に注力していた。夏休みが終わり英語の成績も上がってきたようで

クラスベスト5になった。


 そのうちに主要5教科でもクラスでベスト3に入り勉強に力が入ってきて

、11月には、はじめて、クラストップになったと、大喜びしていた。

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