第3話:育ての親への決断

 旦那さんと、奥さんを呼んで、民生委員と秀夫、章子さんが入り5人で奥さんと

旦那さんの会話を聞いていた。すると旦那さんが、お前はどうしたいと言うと、

奥さんが離婚します。そして私は、実家へ帰りますが子供達は育てられるか

どうか不安なので乳児院に入れたいと言った。話を聞いた章子さんが、

それは、ひどい、何で、お腹を痛めて、産んだ子を乳児院に入れるのと叫んだ。

 でも無理して、一家全員が共倒れになった、もっとひどい事になると言った。

それを聞いて、それじゃー、あの子達が、あまりにも、可哀想じゃないですか

と声を荒げた。


 その勢いに旦那さんもびっくりして聞いていた。そういう話を聞いていた子供達

がやってきて章子にしがみついてきた。これには、たまらず秀夫が、私たちが

育てるというのは問題あるんですかと民生委員の聞くと責任持って育ててくれる

なら、こんな良い事はありませんが、大丈夫なんですかと聞いてきた。


 その質問に対して、章子が、大丈夫です。命に替えても育てて見せますと言い

切った。その話を聞いていた、その子達の海の母が子供達に、ごめんねと謝ったが

、子供達は章子にしがみついて離れようとはしなかった。


 その様子を見ていた民生委員が、これで決まりのようですねと言い必要書類を

持ってきますので後でハンコを押して下さいと冷静に言い、今日中に書類を持って

きますと言い帰っていった。その後、夕方、隣の家に、離婚の書類、秀夫の家には

子供達の身元引受人の書類を持ってきた。


 秀夫と章子と子供達2人で夕飯を食べた後、子供達が眠り、その後、秀夫が章子

に今度どうすると言うと、とりあえず、私が有給休暇を取り、善後策を考えよう

と言った。

 

 そんな話は近所の人達の耳に入るのは早く、以前アルバイトしていた、店の

おばさんが訪ねてきた。そして章子の話を聞いて、そうか大変だったねといい、

うちで良かったら、子供達を昼間、面倒見てやるよと言った。章子が本当ですか

と言い、私も銀行に話して早く帰って来ますと話し、秀夫も早朝勤務の日を

増やして週に2日は早く帰ってくると言った。具体的に決まったら教えてよと

店のおばさんが言った。こんな可愛い子を捨てるなんて信じられないと言い、

目には大粒の涙を浮かべて、章子と子供達を抱きしめてくれた。


 数日後、銀行で週に2日、早朝出勤で3時で帰れるようにしてくれる事が

決まり秀夫の会社でも週に2日、朝6時出勤で、午後2時に帰れるように配慮

してくれることになった。この知らせを商店のおばさんに伝えるとわかった。

 帰ってくるまでは、うちで預ると言ってくれ、翌週から、このスケジュール

で働き出した。


 そして、この話が団地で大きな話題になり、家に電話がかかってきて子供用

のおもちゃ、三輪車、自転車、古着、絵本、カバンを持ってきてくれる人が

増えた。これには本当に助かった。商店にも、この話題を聞きつけた人が来る

ようになり、店も繁盛してきた。秀夫か章子さんが子供達を迎えに来る時には

、コロッケ、ハムカツ、メンチ、串カツの、お土産をもらって経済的に

大いに助かった。

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