第2話:不妊症と育児放棄

 1976年10月12日、夫婦喧嘩が絶えない近所の家で、朝から子供の

泣き声と大きな物音が聞こえたので秀夫が、その家へ行くと幼い3-4才

の女の子と歩き始めた男の子と、殴られて、頭から血を流してる奥さんを

見て、秀夫が夫婦喧嘩を止めに入った。そこの亭主が土曜の午後から酒臭く

、秀夫を見ると。何だ、お前とどなった。秀夫が、奥さんが頭を切ってる

じゃないか医者に行かなきゃと言うと、よけいな、お世話だと言った。


そこで奥さんと、子供達を家から出して自分の家に連れて行った。そして、

その家にもどり、旦那と話をするとキャンブルで損して高利貸しに金を

借りて困って、八つ当たりして奥さんを棒で何回もたたいたようだ。

 秀夫では、解決できないのでの民生委員に電話をして来てもらった。


 後は民生委員に、お願いして秀夫は自宅に戻り、頭の傷に消毒薬を塗って

脱脂綿で拭いて絆創膏を貼った。傷は、あまり大きくなく、血も止まった。

 そして朝食を食べたかと聞くと、まだと言うので、キャベツ焼きを作り

食べさせた。すると、奥さんは、涙を流してありがとうと言いながら、

朝食を食べた。 少し落ち着いて、うちの人ギャンブル酒が好きで働いた金

を全部使って、うまくいかないと家族に暴力を振るうようになって、

離婚したいと思っているが、実家でも、私一人ならともかく2人の子供まで

面倒見れるほどの財力なく本当に困っていると話した。


 そのうち4才の女の子と、歩き始めた男の子が章子さんから離れようと

しなかった。愛情に飢えているのが一目でわかった。章子さんは2人を

抱きしめて可哀想だと泣いた。今日は土曜だから、とりあえず、この家に

いなさいと、秀夫が言った。じゃーお言葉に甘えて、お世話になりますと

言った。隣の家が気になった秀夫は行ってみると、あの男は民生委員と

出かけたようで不在だった。


 その状況を奥さんに伝えて、まず秀夫の家で風呂に入って子供達を着替え

させてあげたらと言い、章子に風呂を沸かした。その後、章子がその子達を

風呂に入れようとした時、その子達のあざを見て、章子が、また泣き出した。


 これどうしたのと奥さんに問いただすと亭主だ、たたいたり殴ったりして

、あざが絶えないといった。何てひどいことするのと章子は子供達を

抱きしめた。その行為に対して、余程うれしかったのか、子供達が章子から

離れようとしないので3人で風呂に入って身体を洗ってあげた。


 すると長女が重い口を開いて、おばちゃんありがとうと泣いた。それを

見ていた秀夫も目に涙を浮かべた。すると、それを見ていた、お母さんも

泣き崩れた。ごめんね何もしてあげられなくと子供達に謝った。そうして

風呂から出て冷蔵庫に入っていたお菓子とアイスクリームを子供達に与えた。


 その後も子供達は章子さんにくっついて離れようとはしなかった。

 奥さんが旦那との喧嘩で心身とも疲れ果てて、子供の事まで考えられ

なかったと謝った。しばらくして、おにぎりと目玉焼きと漬け物と味噌汁

で昼食をとった。


 夕方、旦那さんと民生委員が帰ってきたので秀夫が顔を出すと民生委員が

警察に行って、今までの状況と今後どうするかを話し合ったそうだ。

そうして、奥さんに怪我をさせたので別れて、出直せと、旦那に諭した

ようで、彼は、しゅんとしていた。


 奥さんと子供さんの事は、子供さんを育てられないなら乳児院へ入れて、

奥さんは実家にもどると言うのが、一番良い解決方法だと言われたそうだ。

 亭主も、しぶしぶ納得して奥さんの望む方法を受け入れた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る