第14話:次郎の子供達をどうするか?2
その後、金井義朗が一郎を乗せて本牧中学の脇の本牧、和田の豪邸の一画に
里村家があり、車で到着し表札を確認してドアフォンを押すと、里村幹生さん
と美恵子さんが出て来て、広いリビングに行き、こんな夜遅く申し訳ないと
言い、この所、仕事忙しく、お陰様で徐々に景気が良くなってきて新店舗を
探しで動き回っていると話した。
そして時間を掛けたら申しないから単刀直入に孫の養育費について話し合い
たいと言った。そこで金井義朗が失礼ながら里村さんのお考えを先に伺いたい
と聞くと率直に言って、私たち商売人は毎月とか、中学校、高校、大学など
随時、支払うよりは、総額で支払いたいと言い、その理由は、今現在、
支払えるが、世の中が変わって、金がなくなると払えなくなるからですと
話した。それに対し、金井義朗が言われることはごもっともです、所で、
どの位とお考えなんですかと突っ込んで聞くと1人1千万円で合計
2千万円と言った。それを聞いた金井義朗が実際に一番、面倒を見る
立場として2千万円と言われていますが、どうですかと一郎に聞いた。
一郎は、援助していただけるという気持ちだけでも充分なので、
それだけいただければ充分ですと答えた。逆に、そんなに出して
大丈夫なのですかと聞き返した。昨今、1人にかかる教育費を考えれば
決して高額とは言えませんから出しますと言ったので、全く異論
ありませんと答えた。
それを聞いた金井義朗が父がそう言ってるのですから、私も同じく
異論ありませんと言うと、今晩ここで念書を書いて連番でハンコを
いただけますかと言うので、結構ですと言い、念書を3枚、既に用意して
いて金井一郎、金井義朗と里村幹生さんのハンコをついて3通の念書を
作成し、1枚ずつ、各人が保管することにして、振込先を教えて、
全額を金井一郎の口座に振り込んでもらうことに決まり、30分程で
、話が決まり失礼した。
帰りの車の中で義朗が先方では早く決着つけたかったんですよと言い
、彼らもさすがに商売人1人1千万円とは、一見、高額そうに思える
金額だが実際に養育費って、金持ちの間では1人3-5千万円と言われて
いるんだから、彼らにとっては、良い取引だったんじゃないかなと漏らした。
以前、亡き次郎と電話で話したが、次郎も会社で忙しく働き、奥さんの家
も商売で忙しくて、全然、孫を見に来ないと、ぼやいていたようだと
聞かされていて奥さんの里村好恵さんが1人で大変だったみたいと教えて
くれて、きつい言い方かも知れませんが、早いところ片をつけたかった
のじゃないですかと言った。金井一郎は、これだけ出してくれれば充分
で、もし家庭の事情で出してくれなくても仕方ないと思ってたくらいだ
と本音を話し、そう言う意味では両家にとって、良い解決だったの
じゃないかと金井一郎が胸をなで下ろした。そうして金井一郎の資産が
1.3億円となった。これで、亡き金井次郎と好恵夫婦の件は肉親達
への心の傷を残して金銭面での事は解決された。
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