第8話:金井義朗の投資計画
1994年4月に長男の金井義朗が金井一郎の家に来て、実は1980年から
、自分で株投資を始めて、資産合計が8千万円になったと言い一緒にやらないか
と言ってきた。金井一郎が、俺は大工をやっていて、良い学校も出てないし無理だ
と良い、もし投資して欲しいというなら、参加しても良いが、自分ではとても
できないと言うと、じゃー、俺が、金井家の大蔵大臣になってやるよと言うので、
任せたと言い、でも、あまり無理するなよと肩をたたいた。
いくら貸して欲しいんだというと3千万円を入金して欲しいと言われ、
義朗の口座を聞いて、数日中に入金すると約束した。その後、義朗が一緒に
旅行でも行かないかと誘ってくれた。行き先や切符など全て、俺が手配
するからと言い、おやじも、おふくろも苦労ばっかりの人生で大変だった
だろうと言い、もう年なんだから、旅でも楽しんだら良いと言った。
すると母のかなえが、そうだね、日本の良い温泉に行ってみたいよ、
北海道、沖縄、鹿児島、行ってみたいところはいっぱいあるよと笑った。
いつもテレビで見てるで気じゃ、味気ないしねというと、一郎が、
そのうち連れて行ってくれと話し計画が立ったら電話すると言った。
そして1994年7月の梅雨が明けた頃、2泊3日で熱海温泉と、
箱根周遊と箱根温泉の旅を計画してきた。車は、一郎の8人乗りのワゴン車
で一郎の奥さんの和美さんの運転で7月22日、朝6時に長津田を出発して
東名で御殿場経由で熱海に入り、熱海港近くの魚料理の店で昼食をとって
、海を眺めて、午後2時に、ローマ風呂で有名な温泉ホテルにチェック
インして、大理石をふんだんに使ったローマ風呂を堪能して、デラックス
で大きな和室の別館を2室借りて、夕食後、日本酒を持って、一郎の
部屋で宴会をして楽しんだ。10時頃に、一郎が眠って、次女の絵美も
寝たので宴会はお開きになって、各部屋に帰っていった。
翌朝、8時半に朝食をとり外は良い天気で行楽日和だった。9時半にホテル
を出て早川港の市場で金目鯛や鯵の干物を買って、早めの昼食、鯵フライ定食
を食べて箱根ターンパイクを使い芦ノ湖へ行き遊覧船にのって景色を楽しんで、
駒ヶ岳ロープウェイにのって3時過ぎに喫茶店でお茶してから4時過ぎに
箱根湯本・富士屋ホテルにチェックインして温泉にゆっくりとつかり、夕食を
とって、一郎の部屋にあつまった。その後、酒を飲んで、80歳でなくなった
曾祖母、金井八重さんの金の菩薩像の話をした。
1900年代、初頭の日立製作所ができた頃の東京の大学を出たエリート
技術屋さんとの悲恋物語を話すと義朗の奥さんの和美さんが何て素晴らしい
話なんでしょうといい酒も入っていたせいか涙を流すほど感動してくれた。
そんな激しい恋、そして愛した人だけに教えた秘密、その秘密を守り続けて
、田舎に置いておくと、すぐに金に換えられてしまうと思い、その亡き麗しの
彼氏の思い出の品を守り続けた女心、また70歳を越えて故郷を捨てて大都会
へついてきた金井八重さんの女としての誠実さ一途さを思うと涙が止まらなく
なったようだ。その姿を見ていた金井一郎も奥さんのかなえさんも、八重さん
を思い出すのか大泣きしてしまった。泣き疲れて10時過ぎに和美さんが
良い話を聞かせてくれてありがとうと言って部屋に戻っていった。
翌日は、9時に朝食を食べて、お土産を近くに買いに言って10時過ぎに
チェックアウトして、箱根から小田原から西湘バイパスを相模湾の素敵な
景色を右に見て、国府津、大磯、平塚、茅ヶ崎、藤沢から16号バイパス
に入り、昼頃に長津田へ帰ってきた。
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