第7話時間が戻るころに

 私は商店街の公園に向かった。メモの通りに戻った。メモ、それは誰かが残したもの。今の私には誰が書いたなんて考える余裕はなかった。それでも向かった。それでよかったのか、考えさせられるところはあったが向かった。走った。走ったそ走った。それでよかった。結果的に無駄な体力な消費だったかもしれない。私一人の世界、時間なんてない世界。走る必要がどこにあったのか、それでも私はいち早く解決したいから、走った。走った。「アノ」ラーメン屋の地の公園に向かった。メモの場所はおそらくその公園しかなかった。私は周りを気にせずに走った。商店街に入り「アノ」ラーメン屋の地、公園に向かった。商店街は相変わらず、人がいない、私一人の世界だから人はいない、不気味に感じるだろうか、感じると言わせてもらおう、不気味だ、普段、人がいるとこに人がいなければ、不気味なものだ。世界が変わってしまった、そう考えていたが、変わったのは私一人だけこれが答えなのかもしれない、公園に着いた。

「アノ」ラーメン屋の地、公園に来た、ラーメン屋は無かった。当たり前か、そう思って公園に入った。公園はその辺の公園と対して変わらなかった。見てるだけの公園、中の様子は、子供が軽く遊べる程度の公園、ちょっとした遊具がある程度の公園、その公園で私は何をすればいいのか、何もすることがなかった。周りを見渡してもヒントがなかった。じゃあ、メモは何を意味してたのか、無意味なのか、意味があるもの無い物、二つがあるがこの場合は意味がないメモに、なってしまうか、意味がないメモとはなんだったのか、生きてる間に人間は何度もメモをするが、無意味なメモをするだろうか?人間は無意味なことはしない生物だ。意味がないことをして、何になるのか、損得で生きるのが人間だ、その人間が無意味なメモをするのだろうか、私は考えた、するわけがない、ならこのメモが意味するのは?あるのかないのかここで考えてしまっている。無駄な時間が過ぎる。いやこの世界には時間がないから無駄な時間は存在しないのであった。空も変わらず、暗かった、太陽と月が同時にでてることで、「時間」というものがなかったのだ。私はもう一度、時が止まった、携帯を見た。メール欄もメモ欄も変わらずだった。

携帯に一件の着信があった。それはいつ携帯にかかってきたのかわからないものだ。明らかに不自然なものだった。この一人の世界に来てから、着信なんてなかったのだから、「いつ」かかってきたのか見当がつかない。走ってるときだろうか、それとも公園に着いた時か、それとも、それよりも前にあり、気が付いてなかったのか、考えても仕方がなかった。私はその着信先にかけ直した。誰からかは表示されてなかった。電話の呼び出し音がなる。この世界にそもそも携帯の電波は無い。それでも呼び出し音がなった。だが、数秒後きれた。当たり前だがこの世界は現状、私一人しかいない。正体不明の電話主は誰なのか、気になってしまう電話の呼び出し音がきれて数秒後、だろうか、時間がないからわかないが、違和感が私を襲った。目の前がふらふらしてきた。どうしたのだろうか、倒れてしまいそうだ。私は倒れた、目の前で世界がぐるぐる回ってるように見えた。誰かの声がしてきた。気のせいか、誰もいないだろう世界で声が聞こえるはずがない、私は倒れてる。それはわかるが、目の前がぐるぐる回ってるのが、とても不気味だった。イメージ的には寝不足でテレビの画面を見て、めまいがした時のような感覚だ。私は倒れてる。声はどんどんハッキリと聞こえてきた。どこからその声が聞こえてるのかわからなかったが、声が聞こえてるの、誰かを呼んでる声だった。「名前を呼んでるのか、あなたはだれだ、私を助けてくれ」その声の主にいったが、その声の主は相変わらず名前を呼んでいたハッキリと声は聞こえるがなんといってのかわからなかった。意識がもうろうとしてきた。そのまま、目の前が真っ暗になった。

目が覚めた。周りを見渡した。「アノ」ラーメン屋のカウンター席に座ってた。感覚もあるみたいだ。ラーメン屋の店主が口を開いた。

「一人の世界はどうだったかな?君が望んでた世界だよ、それに最後名前、呼ばれてたね、それが君の名前だよ。私は、君のことはなんでも知ってるよ。」

「あなたは一体誰なのですか?私からしたら、あなたの名前もわからない、そしてこの世界についても、何も説明がない、どうしたらいいのですか、私の名前をしってるのですよね、それなら、名前を教えてください。元の世界に戻りたいです。」

「君の名前は知っている。この世界を作ったのは「私」なのだから君は今、私と会話している、未来の「私」と会話している」

店主からの言葉が理解できなかった。未来の「私」とは、何を示すのかわからなかった。店主が私なら今の私は過去の私になるのか、それとも、今の私が未来の私のところにいるのか、この空間はそもそも未来、なのか過去、なのかもわからない、時間が不確かなものだから、

「答え合わせをしようか、私と私の時間についての」

店主から言われたが、理解できてなかった。それもそのはず、未来らしき私が目の前にいるのだから、答えとはこの世界から元の世界に戻る方法だろうか、それしかないだろう。

「答え合わせと聞いてもピンと来てないようだね、その時の私もそうだった。なんの答え合わせ、なのかわからいだろう、いいのよ、この答さわかれば、名前も思い出せるし、先ほどいた、一人の世界についての謎も解ける。すべてが解決にむかうから。」

私は、何も言えなかった。この人が未来の私と確信がないが、おそらく未来の私だろうか、一人の世界の意味は私からは何も見当がついてない、それでも答え合わせする気なのだろうか、未来の私が本物なら、この時点で、何も今の私が、何もわかないことを知ってるはず、それでも、この謎の世界の答え合わせしようと言うのか。

世界と不思議なもので時間が無くなるとすべてが無くなってしまう。生きている人間の時間の感覚は、とても敏感なものだ。その時間がない世界での体験が私に何を意味するのか、消えた時間を取り戻すには。

「まずは元の世界と時間がない世界の違いについて、話してもらおうか」

「それを話したところで、解決するのですか?」少し強めの口調で私に言ってしまった。

未来の「私」は黙ってうなずいた。

なら、話すしかない、自分が今この時まで体験してきた時間について、語らせてもうとするか、それで元の世界に戻れるなら

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