第6話時間が終わるころに

私は店を出て周りを見渡した。商店街の一角のラーメン屋を出た。また違和感に襲われた。商店街が変わりすぎてた。変わってると表現では足りないだろう。暗すぎたのだ。振り返ってラーメン屋を見た、今出たはずのラーメン屋だ、そこには公園があるだけだった。周りを見渡しても人は誰もいない。私は携帯を見た、時間は表示それてなかった。電波は県外だ。時間がなくなったのだ。状況を確認するために私は駅に向かった。商店街には誰もいない、太陽はまだあるが月も出ている。パニックしてしまった。駅に迎えば誰かいるだろうと思い駅に向かって商店街を走り抜けた。それでも誰もいない、世界に私一人だけな気がしてしまった。この表現で通じるだろうか、見えてるもの見えないものすべてが私には現実で偽の現実だった。駅についた。そこには古びた駅舎があり、人は誰一人としていなかった。駅の時計が目に入った。針がなくさびている丸い物でしかなかった。この世界には時間がなかったのだ。時間を認識するには時計が必要だが時計が存在しない。古代は太陽の位置で時間を見ていたと聞いたとあるが太陽と月がどちらも出ている。太陽の光がとても弱い気がした。昼間なのか夜なのかもわからない、薄暗い感じのこう雰囲気、表しようがなかった。混乱している、家に帰ろうと思った、

私の感覚はこの時点でおかしくなっていた、それが実感できていた。自分の住んでる町まで私は歩った。見渡す限り何も変わってない、変わったのはこの世界としか思えなかった、誰もいないのだから、私一人しかいないのだから、人を探すべきだろうがそんなことより恐怖でしかなかった。誰もいない一人の世界、生きているの私一人、自分と私一人もう一人がいるはずがなかった。変わらぬ景色変わったのは人がいないことだけだ。ラーメン屋の店主が言ってた、言葉が理解できて来た、私は一人になりたいと思ってた望んで世界はこの一人だけの世界なのだと思った。いや、私はこんな世界望んでない一人になりたいと思ったが、この世界は望んでない、誰がこの世界を望んだのだろうか、一人になりたかったが世界に一人になりたのではない、ラーメン屋の店主はそもそもなんだったのだろうか、解釈のしようがなかった、これは科学で証明されることではない、説明ができないのだから、人が説明するには「その」物事が必要だ今な「その」物事が無いに等しい、意見するにもする人がいないの、家に帰るのに一昨日立ち寄った公園のベンチの前にきていた、風景はそこまで変わってない、私はベンチに腰掛け、休んでいた、いや考えてた。「アノ」ラーメン屋はそもそもなんだったのだろうか、私の希望を叶えるために来た神様だったのか、でも店主は「神でも世界は変えられない」みたいなこ言ってたし異世界の住民だったのかもしれない今はそれを考えても仕方なかった、元の世界に戻ることがすべてだから、名前も思い出せない、「もしかしたら、名前を思い出せば、元の世界に帰れるかも」そう思った。携帯でメールと電話の欄を見たメールが残ってた前に会社の上司から来たメールだ、時間と日にちは綺麗に消えていた。メールの内容を確認する前にふと気が付いた、他のメールが一切なかった。残ってるのはこのメール一通だけ、電話の欄は誰一人いなかった。上司からのメールを見た、

「世界とは見えていて何も見えていない現実はない、現実と思ってる世界も時間が作り出した偽物かもしれない、時間を見ようとする前に他に大切なことがあるだろう、見えているもの見えないものその両方を認識する必要がある。見えているから正しい見えないか偽物、それだと時間も偽物になってしまう時計が勝手に数字で示してるだけの話、過去と未来が君を変えるなら、時間は君に何を伝えたいのか、名前を忘れたのは君自身の問題でもあるんだ、時間のズレを起こしたのは君の問題だ。名前を忘れたのは君がズレた時間に入ってしまって名前が必要のない世界、つまり君一人の世界だから名前がなくなった。元の世界に戻りたいなら、方法は一つある。自分の名前を店のラーメン屋の店主に伝えることだ。 未来の私より。」

そうメールには書かれていた上司からはなく未来の自分と書かれていた、それがどう意味するのか理解できてなかったが、これは自分に対しての試練であることが脳内に浮かんだ。思い返せば私は、今までの世界「A」の世界に不満があった。刺激のない人生何も考えずに生きてただ社会のルールに従って仕事して生活してのつまらない人生、そんな私は刺激や変化を強く思ってたのかもしれない生きている限り、何がしたいのかわからなかった。こんな記憶がある。

私は会社に通い疲れ休みの日に一人旅したくなり町の雑音から離れ、古びた町に来た。ぼろぼろの屋根の古本屋があり私はそこで普段読みもしない小説を買い町を歩き喫茶店に入った。喫茶店には店の店主らしき人がいた今年で60ほどだろうか腰が少しまがってた。私は席に案内され、コーヒーと普段食べることもないだろう店の自家製クッキーを頼んで先ほど買った小説を読んだ。その小説の内容はおぼえていない。ただ、落ち着きたかった。1時間ほどして店をでて古びた町をまた歩った。耳を澄ませば海の波の音が聞こえた。海辺の町だから、確か行った季節は冬、海水浴シーズンではないから、観光客もいなかった。人気もなく一人だけの世界な感じがした。

数年前のことだがはっきりと覚えてる。その時の一人の感覚と一昨日ラーメン屋を出た感覚が似てるような気がした。違和感の正体はもしかした「アノ」記憶を思い出して一人でいたいけど刺激がほしかったから、その矛盾した感情で違和感が生まれたのかもしれない。

そういわれれば納得してしまう自分がいた。

「名前を思い出せと言われても何をすれば・・・」

私は声に出していってしまった。

携帯にはもうヒントはないだろうかと思い携帯のメモ欄を見た。一つだけ題名なしでメモがあった。携帯のメモ欄なんてつかったことがなかったから、興味本位でみてしまった。そこにはこう書かれてた。

「商店街の公園」

と、書かれてた。

家に戻らず私は隣町に戻り商店街に行った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る