第5話時間遊び

 君にはまず説明するようだね、時間はとは何かを、 

「時間とはこの世界が出来た時それよりも前から存在している。その時間は目には見えない、地球ができる前から存在している。時間を作ったのはこの生きている人間ではなくこの世界のもので規則正しく動いている。神が時間を作ったと言う人もいるだろうが神にも時間は作れない。世界を変えることもできないだろう、生きていることは時間に縛られ時間に従うしかないだろう、それを人間は理解しているのか、そうでもない、時間をどう受け止めるかは人それぞれで考える人もいないだろう、見えないか、存在していることについての認識が少ない、もし仮に時間が見える物体ならどうだろうか、考え方は変わるはずだよね、見えないから時間について考えない、時間を調べる学者もいるだろうが、それで何をしようかしてるかわかるか?タイムマシンの研究している、学者ぐらいしか研究しないだろう、生きている間に時間を認識して完全に理解できるものはいないだろう、時間を物体としてみるのは無理な話、今の君にはこの話が理解できるかな?」

店主が時間についての説明を私は真剣に聞いていた。「時間について自分は何も理解できていないのは自覚しています。それと自分の名前忘れたこととなんの関係があるのですか」少し強い口調で言ってしまった自分には今の自分には余裕がなかった。

「君は何もわかってないようだね、時間は規則正しく、動いてると言ったけど君の場合だと、時間はズレてるよね、昨日の朝、7時15分に家をでて駅についたのが7時15分この時点で規則正しく動いていると言えるのかな、規則正しく動くものがズレたらどうなるのか、それは狂いでしかないんだよ、時間と見えないけど共通のもので、とても大きなものだとイメージしてごらん、それがズレたとなると大変なことになるよね、名前がわかないのは時間がズレて君が大変なことになったからだよ。」

店主からの言葉難しく思えたが今の自分には理解できてしまった。つまり「大変なこと」についての理解が必要だった。そもそもこの店主が7時15分の件を知っているのが謎であった。

「君の時間はどう動いていたのかな?君は一昨日このラーメン屋に来る前に一人になりたかったと思っていたよね、その一人になりたかったがこのラーメン屋、そのものだとしたらどうかな、この店を出てから違和感があったはずだ、この店は君が最初で最後のお客さんだからね」

私は確かに一昨日このラーメン屋に来る前に思っていた、ハッキリ覚えてる。それと今の状況がどう関係あるのかわからなかった。そもそも上司に会社辞めると連絡したのが自分なのかもわかってない。

「このラーメン屋は、君がその一人になりたいと思ってたのを手助けするところだと思ってもらえればだ丈夫だよ」

店主はうれしそうな表情だった、今まで言えなかったことを言えた時のような感じでとてもうれしそうだった。

「私は元の世界に戻りたいです。帰り方を教えてください。」店主に頼んだ、もっといい言葉があっただろうが、戻りたいしか今の私には考えがなかった。

「この店を出れば君の答えがあるよ、昨日一日で考えはまとまってるね、店を出たら君の世界があるよ」

店主にそう言われ「ありがとうございます行ってきます」と私は言って店を出ることにした。 謎を残したまま店を出てしまった。自分は元に戻ればすべてが解決すると思い込んでた。

それは間違いだった。店をでたらそこは別世界だった。

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