第4話時間は見えるもの
私が家に帰宅してから、部屋で一人考事をしていた。
時間とはそもそもなんのか、人は時間の中に生き時間と共に消える、愚かな存在だと、時間とは目に見えるものではない、見えないもの、そう解釈すしかないのだ。生きているそれは、時間があるから生きている。生き物は時間の中にいるのだと。この世界は時間がすべて、時間に遅れるとは、時間より早いとは?存在するけど存在しない、時間を書けと言われたら何をどう書くのだろうか、一人は時計を書くのだろうか、一人は今の時間を書くのだろうか、それとも歴史を書くのだろうか、人それぞれである。見たものがすべてではない、見えないものにも目を向けるべきだ。私は時間というものをどう解釈しているか、昨晩、今日の出来事で、見方が変わってしまっている。今朝の時間間隔、それは明らかに不自然なものだ。見たものがすべてなら私は今生きているのか?それすらも不確かなものだ。この世界は自分に都合よくできていない。仮にも昨日までの世界を「A」とするなら今の世界は「B」になる。別世界に来た感覚だ。「アノ」ラーメン屋に入ってからすべてが変わってしまった。そもそも変わったのは周りだけで、自分は変わってないのか、自分だけが変わってしまったのか、意味が似てるようで似てない。変わってるのが周りだけなら、私は今日も会社に行って仕事をしているだろう。自分が変わっているから会社を辞めることになった。それが今の現実であり、偽の現実なのかもしれない。「A」の世界がもしかしたら、偽の世界かもしれない。「B」の世界が本物かもしれない。私は今まで偽世界にいたのかもしれない。確かめることはできない。世界が変わってしまったら、私には何もできない、そんなことはない、この世界の「ルール」従えばいいだけのこと、私が周りに合わせればいいだけ、この異常なまでの違和感とともに過ごせばいい、元の「A」は忘れようそう思わせるほどの絶望と違和感と今私は、戦っている。敵はいない、戦っている。これは、人には理解できない、自分だけの戦い、このゲームに勝者はいない、それでも私は戦うしかないのだ。
私は家での数時間、今の時間は23時だ。考えて自問自答していた。
「A」の世界に戻る必要は実際のところ、無い、それでも戻りたい、そう思っている。なら、戦うしかないのだ。私は今、23時5分に時間と戦うと決めたのだ、これは、私と時間とのゲームだと私は決めたのだ。時計の針が動く、それは当たり前かもしれない、その針を戻すのは人にはできない。タイムマシンがあれば簡単にできるだろう。それがない。あるわけがない、ならどうするか、考えながら寝てしまった。
私は、6時に起きた、いつも起きる時間、日常と変わらない、仕事は今はない。テレビをつけ何か変わったことはないか、今日の天気は、そのような情報を求めるにはテレビのニュースは便利だ。今日の天気は晴れ、いい天気だ。変わったことはニュースでは流れなかった。そう何もない。平和だ。そう思わせるような内容のニュースばかりだった。
時間は8時、私はいつもの喫茶店に向かった。朝日が眩しい、いい天気だ。いい天気とは自分が気持ちよくなれる天気だ。それは人それぞれだろうか、いつもの交差点いつもの道いつもの駅、私はこの町が好きなのかもしれない。駅前の古びた自転車屋、客の入りなんて見たことがない。どう経営しているのか気になる。軽く風が吹き、落ち葉が舞っている。いつもの喫茶店につき、窓際のテーブルの席に腰かけた。店主から注文を聞かれ、アイスコーヒーを頼んだ。すぐに、出てきた。この店のアイスコーヒーは美味い。この味だけは変わらないでほしい。
私は考え事をしていた。「いつもの」とはなんなのか、時間とは関係あるのかないのか、いまこの喫茶店から見えている景色は現実であり、自分からは偽の現実でしかない。この店の店主からは、現実で私からは偽の現実、変わってしまった世界、その世界にいる、私、この世界を変えてしまえるのか不安でもあった。昨晩、時間と戦うと決意した私だが、実際のとこの見えない時間とどうやって戦うのか見当もつかない。もし「アノ」ラーメン屋があればヒントになると思う、だが存在しない。「いつもの」この言葉が意味することが今の私にはわからない。現実を見たいが何が現実かすでにわからなくなってきている。私は行く当てもなく喫茶店を出た。もう一度隣町に行ってみるか、私は駅に行き電車に乗った。隣町までは3分程度でつくであろうか。歩くのにも散歩がてら歩ける距離だが、このところの疲れかれからか、電車に乗ってしまった。隣町につき駅の改札をでて、商店街に行った。商店街は、賑やかだった、この近くにスーパーが無いから、近隣の人はみなここに買い物に来ているのだろうか、私は「アノ」ラーメン屋の場所にもう一度向かった。変わらず、公園だった、商店街の一角の公園だった。隣の魚屋の店主が声をかけてきた、「昨日の人だよね?ラーメン屋は見つかったかい?」私は挨拶をして「ラーメン屋はみつかりませんね、その店の店主に話があるんですよー」と複雑な表情で答えてしまった。今は自分の表情になんてかまってる場合ではないが、申し訳ない気がしてしまった。「何か複雑な事情でもありそうだな。まあ、がんばれや」と言われた、気楽に話しかけてもらえありがたい気持ちと複雑な気持ちがした。私は公園の隣の魚屋から離れ、駅に向かった。商店街を抜けるころだろうか、「アノ」ラーメン屋の匂いがした、私は思わず振り返ってしまった、商店街の様子がさっきまでと違う、ほとんどの店が閉まっていた、時間を確認した。11時だ。
「この景色、間違いない仕事帰りに見た小さな商店街だ」でも、いつこの景色が変わったのかわからなかった。商店街を出るころまでは賑やかな声が聞こえ立派な商店街だった。「アノ」ラーメン屋の匂いがして振り返ってから、小さな商店街になってた。この1秒足らずで私は、世界を移動したのだ。私はそう認識した。私は小さな商店街を歩った、「間違いはないが、違和感はあるな、何か違う。」そう感じたが「アノ」ラーメン屋に向かった。商店街の一角に、「アノ」ラーメン屋はあった。早速店に入り、店主の奥さんだろうか、早速カウンターの席に案内してくれた。席につき店主に尋ねた。「あの・・一昨日の夜、私がこの店に来たの、覚えてます?」店主は表情を変えずに「自分の名前わかるかい?」店主に聞かれた、相変わらずの店主だった。「自分の名前ぐらいわかりますよ・・えーと・・」私は名前を聞かれて言葉を詰まらせてしまった。自分の名前がわからない、覚えてなのではない、わからないのだ。「名前思い出せないようだね、そう、それが正しい」店主に言われた言葉が理解できなかった。「君には説明するようだね、この世界の仕組みと君が今知りたい、世界と自分の名前をね」
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