第31話:薫子の出産1
輝一が、何だか嬉しい気分になってきたと言うと哲男が輝一のおめでたの時を
思い出して、あの頃は若いのに定職についてなくて不安ばかり募ったことを
思い出した。寒くなって12月を迎えると、お腹が突き出てきて、哲男が、
もしかして男の子かも知れないねと言うと、どっちにしろ元気な赤ちゃんを
産んで下さいねと泉さんが薫子を気遣ってくれた。それを聞いて涙ぐんで、
ありがとうございますと言うと泉さんも自分が輝一を産んだ頃を思い出して、
泣き出して女性2人で大泣きしてしまい哲男も輝一も困って何て言って良いか
わからず黙ってみていた。泣き終わると、何もなかった様に冷静に夕飯の
支度をして早めに床に空いた。
その後、あっという間に2008年に突入し1月から産休を取ると沼津商工
会議所に書類を提出してきたようであった。産休3ヶ月の未消化の有給休暇
が20日間あり110日間の休みが取れると知らされた。立山夫婦と輝一の
3人で元気な男の赤ちゃんが生まれます様にと願をかけに言った。
その願いが叶ったのか2008年2月15日、早朝、三島駅の産婦人科医院
で無事に男の子2850gを出産し産後も順調で異常なければ7日後に
2月22日に退院できますよと言われ、22日の10時にハイエースで、
薫子さんと赤ちゃんを乗せて実家に帰ってきた。薫子さんも名前を考えて
長男だから単純に立山太郎にしたいと言うと反対はなくすんなり決定した。
3月1日、薫子さんの御両親と兄、佐藤圭介さんが伊豆長岡の家を訪ねて
きてくれ初孫の立山太郎君に面会して彼の愛くるしいかを眺めては可愛いね
と言ってくれた。ちょうど海釣りの時の魚が残っていてアジ、アオリイカの
刺身とメジナの煮付けを昼食に出すと美味しいと食べてくれ、昨日、近くの
港へ釣りに行き釣ってきた魚ですと言うと驚いていた。
すぐ隣のコミニティセンターも、お宅の敷地内なので経営してるんですか
薫子さんの父の佐藤直太朗さんにと聞かれ、そうですと答えると広い敷地
ですね千坪以上あるんですかと聞かれ、そうですねと答えた。
こりゃ確かにすごいと笑った。その後、薫る子さんの御両親が今後とも
宜しくお願いしますと言って帰っていった。その後も哲男の釣り仲間も
家によるたびに立山太郎の可愛い顔を見に来て多くのお客さんが来る様に
なった。2008年4月1日から薫子さんが沼津商工会議所に出勤し始めて
仕事を再開した。おっぱいが張ると絞ったりと随分、苦労しながら働き
続けていた。父の哲男が5月人形と大きな鯉のぼりを買って庭に設置して
風になびいていた。
梅雨が過ぎて7月になり暑くなって8月になり太郎も半年になり足も腕も
太く逞しい元気な男の子で寝返りを打ったり腕を使って畳の上を前進し始め
目が離せなくなった。2008年9月29日、田中貴金属の田中誠二さん
から電話で金価格が急上昇してますので売りませんかと言われ3100円
なら確実に売れると思うというのでその価格で30kg全部売却をお願いし
、翌日9月30日の昼に3140円で売れ総額9420万円ですと言われ、
田中貴金属の口座に入金して下さいとお願いした。これで哲男の資産が
5億円を越えた。2009年の釣りには鉄郎だけの参加となり近くに住む、
釣り仲間の池田政夫の車で釣りに出かけるようになり、釣れると必ずと
行って良いほど一度、哲男の家に寄って食事して太郎にお土産と言って
多くの魚を置いていくので食費が浮いて大助かりだった。
12月24日に太郎の誕生を祝い盛大に釣り仲間など友人を招いて
クリスマスパーティーを持ち寄りで行い20人が哲男の家に集まり
大賑わいとなり多くの人が太郎にクリスマスプレゼント持参してくれ、
素晴らしい2008年が終わり2009年を迎えた。
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