第30話:輝一と薫子の新婚生活
薫子は伊豆駿東線で三島から沼津まで40分の通勤時間で沼津商工会議所は
基本的に残業はないので、5時半に仕事を終えると、近くのスーパーで夕飯の
おかずを買って帰る毎日が始まり、楽しそうにしていた。そうして7月になり
梅雨が明けて暑い夏になって来た。7月7日に釣りがあるんだけど行かないと、
父の哲男に誘われると薫子さんが面白そうなんで行きたいと言うと、朝5時に
出発してハイエースで釣り道具を積んで戸田へ行き今日も20人程の釣り仲間
に息子の嫁さんを紹介すると、結婚式に参列してくれた、近所の池田政夫が
、釣りって面白いから楽しんでねと言ってくれた。哲男が薫子に釣り方を簡単
に教えて、一度、見本を見せると、薫子も真剣に見ていて、少しして釣り糸を
垂らして釣り始めた。
するとメジナ、シロギス、アオリイカ、太刀魚が、釣れだし、薫子が銀色して
薄くて平べったくってながい、美しい太刀魚の姿を見て綺麗な魚だねと、
はしゃいでいた。薫子もメジナ、シロギスが釣れて、釣りが面白くなったようで、
真剣に釣っていた。そのうち大きいのがかかったと声がしたかと思うと一気に
釣り糸が引っ張られて格闘20分で40cm弱、重さ3kgのイナダ-ワラサ
が釣れた。その大きな魚体をみて、薫子が、ちゃかりと魚と記念撮影をして
上機嫌だった
。今日はシロギスとメジナが大漁で大きなアオリイカもとれて10時過ぎには
釣りを終えて、今日は綺麗な新妻が来てくれたので大漁であり、これからも
福の神として、ちょくちょく顔出してねと言われ、多くの種類の魚を
薫子にプレゼントしてくれた。メジナ、シロギス、アオリイカ、太刀魚、
バケツいっぱいの魚を見て、ホントにすごいねと驚いていた。
家に帰って母の泉さんが魚の裁き方を薫子に教えて昼ご飯はアオリイカ、
太刀魚の刺身とシロギスの天ぷら、メジナの煮付けを作り、みんなで
食べると刺身も天ぷらも煮付けも最高の味で、こんなうまい魚、食べた事
無いと言うほど美味しかった様で薫子は大喜びだった。また、釣りに連れて
ってとせがむので、わかりましたと哲男が答えた。
10月になり稲穂がたわわになった頃、薫子の職場、沼津商工会議所
から立山家の実家に電話が入り立山薫子さんが妊娠したと知らせが入り、
その電話を取った泉さんは哲男さんと大喜びをして2人で沼津の商工会議所
まで迎えに行くと連絡して20分後、着いて薫子さんを乗せて帰って来た、
妊娠4ヶ月とわかり出産予定日は2008年の2月14日と言われたそうだ、
階段は危険だから1階の空いてる和室に寝て下さいと泉さんが言うと
わかりましたと薫子さんが言った。哲男さんは初孫誕生に満面笑みだったが、
それを打ち消す様に泉さんは出産って大変なのよと言い、特に妊娠初期は
流産が怖いから気をつけてねと話した。買い物は私がやるから重い物を
持っちゃ駄目よと注意した。その晩に薫子さんが彼女の実家に子供の誕生を
伝えると大喜びをしている様だった。輝一が夜7時半に仕事を終えて帰って
来て、おめでたの話を聞くと、えー子供ができたのと、何だか実感が
湧いていないようで呆然としていた。それを見ていた泉さんが輝一さん、
しっかり頑張って子供のミルク代を稼ぐのよと笑いながら話した。
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