第14話:篆刻教室を開始

 そんな話をしているうちに9時近くなったので斉藤正子をご自宅に送って帰って

来た。斉藤正子は今日はありがとうと言い、又、今後も仲良くして下さいねと

喜んでくれ立山泉がもちろんですよと言うとホントに嬉しいよと、うれし泣き

するので、立山夫婦も涙を浮かべていた。数日後、電話が入り、篆刻の教室で

使う道具を、それえましたので取りに来て下さいと言われて立山哲男と奥さん

が出かけていき斉藤正子の家について道具をいただいて明日から教室を始める

つもりですと話していた。そうして立山泉に先日いただいたときに美味しいと

言った、お茶を2袋もくれたのでお礼を言って帰っていった。


 翌日、午後3時に初級英語教室を終了して斉藤正子が初めての篆刻教室を

始めて篆刻の意味から説明した。それによると、篆刻とは印章を作成する行為

であり中国で始まったものが起源とされている。篆刻印とは主に書道や絵画など

の書画作品に落款、サインとして押される印のことをいいます。篆刻によって

できた印鑑は普段使っているハンコとはまた違った趣を楽しめます。


 用途も書道作品や日本画だけでなく年賀状やはがき、お手紙や名刺のアクセント

として押しても風合いがあるし、使い方は人それぞれの篆刻印、使い方は自由です。

 作りたい文字とパソコンで作り、それをプリンターで印刷して、篆刻印の元と

なる石に貼り付けて黄色のマジックインキで印面を塗りつぶします。そうする事で

コピーされたインクが紙から浮き上がり石に転写されますが転写が薄い場合は

ペンなどで線を補強します。乾くのを待ってから文字の際を彫っていく。

 印鑑で写したくない部分を削りますが少し力が入りますので怪我には気を付け

ましょう。多少の失敗も風合いですので気にせずどんどん彫りましょう。

その後、試し押しをし、押された印鑑のイメージで彫り残している所や気に

入らない部分を削り取っていくのが篆刻の醍醐味です。文字や枠にキズや欠けを

あえて付けて風合いを表現し、最後に軽く研磨して印面を平に整えます。

 12mm角の印影は書道用の半紙や色紙に最適な大きさです。最初は石に彫るの

ではなく柔らかい消しゴムを使った簡単篆刻練習セットも¥600で販売して

ますので入門用として使い安い様です。


 本格的に柔らかい石に印刀で彫る篆刻セットも¥1300で発売されて

います。そうして、この日は消しゴムを練習用に切ったものとカッターと印刀

を用意してどんなものなのかを体験してもらうように考えた。彫りたい文字を

パソコンで入力してプリンターで印刷して、その自分をハサミで切り取り細長い

消しゴムを縦に切った上面の貼り付けて転写させて、その形を印刀や

カッターナイフで削ってゴム製のハンコを作る練習をして授業を終了した。


 来週も消しゴムをとカッターを持参して消しゴム篆刻の練習をしましょうと言い

、これをマスターした後に石材と印刀、耐水ペーパー、朱肉を必要な分だけ

買いますので、その時に欲しい人は言って下さいと話した。3月16日になり

斉藤正子もかなり先生役も慣れて来たようであった。月に1-2回は立山家で

3人で食事するのを楽しみにくれるようになり、その後も交流を続けていた。

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