第13話:新しい人との出会い2

 そうして夕方5時になり斉藤正子さんが帰る時に立山泉が、ちょっと、うちに

寄って夕飯でも食べていきませんかと誘うと良いんですかと聞くので旦那と2人

きりなので遠慮なさらずにと言うとそれでは、お言葉に甘えましょうかねーと

言ってくれ立山哲男のハイエースで家へ向かう途中、帰りも車で20分位だから

お送りしますかと言うと、何から何まで、申し訳ないねと、涙ぐんだので、

立山泉も涙を浮かべた。


 泉さんの実家どちらですかと聞かれ神戸で大学が横浜だったもので、ほとんど

帰ってないんですよと話しているうちに立山家について、数日前に釣ったシ

ロギスを天ぷらとアオリイカの刺身、メジナの煮付けを夕飯に出すと、すごい

ご馳走ですねと言うと、全て、旦那が釣ってきた物ですと笑いながら言い、

水も柿田川の湧水をいただいて魚も海からいただき富士山は綺麗だし、

この地域は素晴らしい所ですと褒めちぎると地元の伊豆の人間には嬉しいですよ

と笑った。


 こんな感じで生活してるから気兼ねなく遊びにいらして下さいよと立山泉が

言うと、こんなに優しくされると本当の娘みたいに思えるよと喜んでくれた。

 食後、お茶を飲みながら身の上話をし始め亡くなったご主人が元教師で学校

の校長までした人で教育に熱心な方で自分の子供のも教育に熱心で子供達は地元

の高校でも優秀な成績で卒業して長女は慶応を出て商社に入りニューヨークで

勤務していた時に、米国の金持ちの息子さんにプロポーズされハワイのホノルル

でホテル事業をしながら住んでいる様で日本に戻る気は無いと言いホノルルが

最高だと話していると言い、長男は東工大の機械科を出て、BMWに入社して、

ドイツにいってしまい、ミュンヘンで地元の娘さんと一緒になった、


 ドイツのビールは最高と言って彼も日本に戻る気は無いと言い滅多に帰って

来ませんと言い次男は東大の情報工学科を出てUCLAに留学中にグールグル

に就職でき年収も良くシリコンバレーに住んで帰る気は無いと宣言して、

同じ会社のUCLA卒業の娘と結婚して近々、大きな豪邸を建てると連絡して

きた様で2人合わせで日本円で5千万円の収入で税金以外は会社が出してくれる

そうで夢の様だと話していたと教えてくれた。立山泉が現代っ子らしい発想

ですが私はそう言う考えかたは好きではありませんと言った。


 立山哲男も同じように考えてる様で、いくら出世のレールにのってもレールを

敷いたのは他人であり、ましてや外国人なら一層のこと何かあったら今の身分が

どうなるかわからない、やはり自分の足で立たないと、今後の保証はないと

きっぱり言った。世界は平和で能力さえあれば、高い収入が保証されている

と思うのは多少、平和呆けだと言い、そのうち昔の様に世界が不景気になれば、

きっと外国人を排斥してくる、その時、米国に住む日本人や外国人は米国を

追われる可能性も出てくると言い、平和で好景気の時代がいつまでも続く

というのは幻想に過ぎないと言い切った。斉藤正子も、全くその通りだと

思いますと言い自分も第二次世界大戦を経験したのでよく知ってますし

戦争の時代に米国の日本人がどんなひどい目にあったのか知っているので

米国人を完全に信用はしていないと話していた。

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