第36話:良男のスポーツ推薦1

 その後、1995年、秋になり、心筋梗塞と脳梗塞で倒れた、義理の父、

木下公彦さんが、多少の麻痺は残ったが、家の近くの公園を散歩したり、

記憶も、かなりの部分が、戻ったと聞かされ、犬山家の家族もひと安心した。

 1995年も、犬山家で12月24日のクリスマスパーティーを開き、

長男の良男が、俺は、中学出て、サッカーの強豪校のスポーツ推薦で、有名校

に入るんだと、将来的な進路について、希望を語った。これに対して、父が

、そんなに簡単にスポーツ推薦で入れるのかというと、中学生になっても、

大活躍できれば、三鷹サッカークラブのコーチが東京都内のサッカー強豪校

に顔があるから、任せておけと言ってくれたと話し、中学の東京大会での

活躍がポイントになると父に告げた。


 やがて1996年、良男は三鷹中学の3年になり、サッカーの練習から

帰ってくる時に、膝が痛いのか、足を引きづる様になったのを心配し、母が

、翌日、近くの整形外科に行くと、先生が、これは、成長痛と言って、中学

に入る子供さんが良くなるものだと言い、そんなに気にしなくて大丈夫と言い

、痛みが強いときにはコーチに言って、休ましてもらえば良いと説明した。

 子供の骨が成長し骨が成長し、回りの筋肉や腱をひっぱっり、練習用が

増えると痛みがでてくると良い、正式には「オスグッド病」呼ばれていると

、細かく説明してくれた。最近は、サッカーのコーチも知ってるから、子供

さんに痛い時には、コーチに言えば休ませてくれるはずだと教えてくれた。


 良男が了解と言い、原因がわかり安心した様だ。夏になり、東京都中学

サッカー大会が始まり、三鷹中学サッカー部は、1,2,3回戦に勝ち、

4回戦で昨年、負けた清瀬中学サッカー部と対戦し、前半2対1で負け

ていたが、後半、良男のヘディングの1点と、もう1点もアシストして

、3対2で逆転勝利を挙げて、ベスト16の壁を破った。


 しかし、次の試合は、東京でも1-2を争う國學院久我山中学との対戦と

なった。数日後、試合開始後、直ぐに、たてつづけに2点取られてが、

その後、しっかり守りを固めて、後半開始直後、相手の不用意なパスミス

をついて、良男が、快足でパスカットして、そのままドリブルして、ゴール

を決めた。その後、終了間際、良男が強烈なミドルシュートを放ち、

相手のハンドの反則をもらい、PKをもらい、良男が、強烈なシュートで

得点し、2対2の引き分けになり、PK合戦となって、惜しくも敗れた。


 しかし、三鷹中学の善戦に、おおきな拍手が送られた。今年は、昨年より

も1つ上のベスト8に食い込んだ。最初の目標の最低ベスト8は達成できたが

、若干の不満も残った。帰り際に、相手、國學院久我山中学のコーチと思しき

男が、良男に近づいてきて、ナイスゲームと言って、お前、良かったら、

國學院久我山高校でサッカーしないかと言い、何なら、俺が、口聞いて、

スポーツ推薦で入れる段取りを取るぞと言ってくれた。その話を聞いても、

悔しさの方が大きくて、ただ、ありがとうございますとしか言えなかった。

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