②リョナの分類Ⅰ ~行為で分類する~
と、単に「分類」と言っても様々な分類方法があります。ここではまず、一般的なリョナにおけるシチュエーションを分類していきます。なお、そのシチュエーションがリョナであるかそうでないかについては「猟奇」の定義に沿って「異常にグロテスク、もしくは残忍である(新明解国語辞典より)」という要素をもとに分類します。
さて、続いてリョナを分類する方法ですが、今回は「肉体リョナ・精神リョナ」による分類を適応していきます。私個人の意見といたしましては、前者は「対象に目に見える外傷をつけたり何らかの方法で痛めつけたりする」こと、後者は「言葉や音など、目に見えないものを用いて対象の精神を苦しめる」ことと認識しています。
またとあるツイッターのフォロワー様が言うことには、リョナとは「支配」と「楽しむ」を基軸とした性癖だということを前提として、肉体リョナを「支配する目的で加害する」こと、精神リョナを「加害による反応を見て支配を確認する」ことだと言います。私はこれを聞いて深く納得しました。「確かに対象が痛がったり苦痛を受けたりしている状況は、支配していることとも同義だな」と。ですがこれを適用すると、加害者の精神をもかなり深く掘り下げていかなければなりませんので、今回は全面的な適用は控えます。
(少し話がそれましたが)簡単に言えば、肉体リョナは「対象に傷をつけ、楽しむ」で、精神リョナは「体に傷を付けるよりも心に傷を付ける」となります。このことを念頭に置いて、いよいよ分類していきましょう。
・拷問
・捕食(丸呑み)
・窒息
・殺人
・四肢切断(だるま)
今回は比較的オーソドックスな五つを挙げました。これは完全に筆者である私の独断ではありますが、同人誌やpixivなどに投稿されているイラストには実際多く見られます。
①まず拷問です。こちらは古今東西の拷問すべてを指します。アイアンメイデンであったり、ファラリスの牡牛であったり、苦痛の梨、そろばん責というような内容です。拷問は自白を促すために「痛み」を追求した行為ですから、もちろん分類は肉体リョナになりますね。その上被害者が最も“効率よく痛がる”ということで、加害者はその特殊性癖を満たせるため、精神的に満足するでしょう。
ただ、拷問によってはまさしく精神リョナと同質だとおもわれる「精神的拷問」もあります。中国式の水責めは、ただひたすら頭上から水滴を垂らしていくというものですが、これは最終的に精神崩壊を引き起こすと言います。
このように、大抵の拷問は肉体リョナに分類されますが、精神リョナに分けられるものもあります。
②捕食は言うまでもなく肉体リョナであると言えます。最終的には体を食い千切られたことによる失血死やショック死などがまっていますから、結果多少の恐怖はあろうと肉体リョナと言えるでしょう。また丸呑みの場合、食道や胃袋の中で速やかに窒息死するか圧死するかですので、どちらにせよ精神リョナの割合は低くなっています(被害者は加害者から見えない)。
③窒息は、先ほども丸呑みで出ていましたが、今回は窒息単独で考えていきます。一番の強みは、やはり恐怖心が高まるということでしょう。例えば込み入った拷問の場合は、重厚な機械や動物を用いることもあります。そうなると、被害者は「何をされるんだろうという恐怖心」も抱くでしょうが、他にちょっとした疑問も生まれることでしょう。それに対して「呼吸ができない」という恐怖は誰にでも備わっているものです。いわば直感的な恐怖が襲います。
窒息は、「死に至る状態」になるまで1分から数分かかります。これは拷問や悪趣味な処刑と比較すれば少々短いと思われますが、時間の相対性を考慮すれば被害者はかなり長い時間だと感じることでしょう。また、被害者を拘束し、密閉された小さな空間に閉じ込めると徐々に酸素がなくなっていくため、より長時間恐怖心をあおることが出来ます。もうこれを、精神リョナ以外の何と表現できるでしょうか?
④殺人という言葉は馴染みがあり、別段リョナの一シチュエーションとは感じないかもしれません。しかし、加害者が「殺人で性的興奮を覚える」となると話は違ってきます。名の知れたシリアルキラーやサイコパスなとがいい例です。15世紀フランスのジル・ド・レは300百人あまりの少年を殺したといいますし、「デュッセルドルフの吸血鬼」と呼ばれ恐れられたペーター・キュルテンは、山羊や男性に刃物を突き立てることによって射精にまで至っています。この二人の共通点は、とにかく対象を「殺める」ことに重きを置いていたことにあります。傷口に性的興奮を覚えるのか、はたまた一つの命を潰すことに興奮するのかなどの些末な目的は問いません。とにかく、殺人をすることがその特殊性癖を満たす唯一にして最大の手段だったのです。非常に分かりやすい肉体リョナですね。
⑤四肢切断は、リョナ界隈でかなり有名です。四肢切断要素や四肢を切り落とされた対象は、別名を「だるま」といいます。四肢を喪失した体をあの置物に見立てたのです。
個人的には、四肢切断は肉体リョナ・精神リョナ双方の面を持っていると思います。それは加害者次第です。もし被害者の四肢を切断することを最大の目的とするなら肉体リョナとなりますし、切断したあとの被害者の様子を観察するのが目的なら精神リョナとなります。
一つのシチュエーションにも関わらず二つの面を持っている、それが四肢切断最大の特徴で、人気の高い理由の一つでもあるでしょう。
以上、人気の高い5つを簡単に分類してきましたが、高度なリョナになると肉体リョナ・精神リョナのどちらにも当てはまらないものが出てきます。次項ではその「第3のリョナ」について考えていく予定です。
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