第3話 ファンタジーと言ったら魔法でしょ!特殊属性?残念!よくある属性です!

 やぁどうも、アルマース10才だ。

 あれから四年、農作業や父の狩の手伝い、母から文字を教わったりして順調にこの世界に馴染んで来ている。

 魔物が襲来してきたり、飢饉やら重い税収なんて話も特になく無事に過ごせている。

 後は、弟が出来た、8才の頃に生まれたのでまだ2才であるがそこそこにかわいいと思う。

 この世界では後12才で一人立ちという事らしく、村の外に出ていくか、村に残るか選ばなくちゃいけない。

 村に残るなら、村の女性を妻にして森を開き土地を手に入れる必要がある。

 村の外に出るなら地方都市へいき職人に弟子入りしたり冒険者になったり出来る。

 さてさて、二年後なんて遠い話をした訳だが今は目の前の事に集中しよう。


「それじゃあ10才になったアルマースの為に魔法を教えまーす!」


「わーい!」


 魔法についてである。


「じゃあ、はい!これもって!」

 母から持たされたのは拳程度の透明な石、石英の塊みたいな見た目だ。

「これは、無色の魔石。これに流した魔力の属性によってその色に染まるの、火なら赤、水なら青、風なら緑、土なら黄色ね。」

 火、水、風、土が人の基本属性らしい、無色の魔石に魔力を込めると属性だけが抜き取られて石は対応した色に染まるんだとか。

 ちなみに一度染まると染め直しは出来るが無色には戻らないらしい。

 「それじゃあ、お母さんがアルマースの魔力を少し動かすから、感覚を掴んで自分で魔石に魔力を流しなさい。」

 そういって母は後ろに回り、私の背中に手を当てる。

 「それじゃあ、魔力を動かすから集中力しなさい。操る時は血の流れに乗せるのがコツよ。」

 目を閉じて、背中の母の手に意識を向ける。すると、手を返して背中から身体中に波打つような何かを感じた。

 こらが魔力だろうか、母は血の流れにのせて操れと言っていた。

 魔力を意識しながら血の流れも同時に意識を向ける。

 すると、魔力が血の流れに合わせるように動き始めた。

 「魔力の動きを感じたなら、魔石に流しなさい。」

 母の手は背中に触れている、魔力を流れを感じているのだろう、言われた通りに魔力を血流とは別に外へと魔石へと導く。

 目を開けて、魔石を確認する。

 魔石の色は赤く染まっていた。血のような赤とか花のような赤というよりは紅と呼ぶべきはっきりとした赤色だった。

「凄いわ!魔力はそこそこあるから期待したけど、まさか純粋とはね。」

 後ろを振り返ると母が驚いた顔をしている。

「…何か凄いのこれ?」

 疑問をそのまま口にする。

単一属性が珍しいのはわかったが良い意味なのか悪い意味なのかはわからない。

「普通、魔力を込めた魔石の色は何色か混ざるのよ、色が混ざると魔法が弱くなったり魔力をかなり使わなきゃ魔法が発動しないのよ。

 だから、一色に染まるのは優れた魔法使いの証なの。」

 なるほど、どうやら良い意味で珍しいらしい。しかし、疑問が一つ

「でも一つの属性しか使えなくない?」

 火属性に何が出来るかわからないが、一つの属性しか使えないのは不便な気がする。

「大丈夫よ、そのために魔石があるの。属性に染まった魔石に別の属性の魔力を流すと魔石の属性の魔力になるの。魔石の中の魔力を追い出す感じかな?」

 なるほど、風の魔石があれば風属性が使えるというこか、ただ、使い続けると火属性に魔石が染まると。

「アルマース位強い属性持ちなら、魔石染めだけで食べていけると思うから、ラッキーね。」

 

  

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