第6話 金えもん

あらすじ

ある鍛冶屋。鍛冶職人が心を込めてひとふりの小さな斧を作った。

斧には心が宿り職人は金えもんと名付けた。


金えもんはある男に買われて行った。

男が必要だったのは斧ではなくかなづち。

男は金えもんで釘を打とうとしたが上手く打てない。

金えもんは男の役に立ちたくて一所懸命に釘を打った。上手く釘が打てる様に自ら近くの石を打ち刃先を丸めていった。

金えもんは上手く釘が打てない自分が悲しかった。

一所懸命一所懸命必死で石を打った。

やがて刃先は丸く固まり上手く釘が打てる様になった。

しかし男は新しいかなづちを買ってきて、金えもんは必要なくなった。


しばらくして鍛冶職人が男の家を訪ねてきた。

金えもんは鍛冶職人に言った。

『僕、あまり役に立てなかったみたい』

鍛冶職人は涙を流して金えもんを抱きしめた。

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