ヤンデレの妹に愛されて夜に投稿できない小説

ちびまるフォイ

『 』の部分はすべて読者様の応援コメントです。

――トントン。ガチャッ。



「お兄ちゃん、まだ起きてる?」


『明けましておめでとうございます。

 昨年は沢山楽しませていただき、大変お世話になりました。

 今年も素敵な作品を楽しみにしています。

 良い一年になりますよう、お祈りしています(*´ω`*)』


「ごめんね、こんな時間に。

 今日のこと、謝っておこうと思って……」


『あまりにもありそうな改悪式ハリウッド感…!』


「……どうしても外せない用事があったから

 お兄ちゃんに小説を読ませてあげられなくて本当にごめんね」


『因果応報…?』


「ううん、気にするよ。だってお兄ちゃんいつも私の小説楽しみにしてくれてたんだもん」


『最後にざまぁってなった』


「予約投稿も考えたんだけど、お兄ちゃんにはやっぱり

 作りたて(?)の小説を読んでもらいたかったから」


『最後の台詞のには一体全体どんな意味が隠されているのやら..』


「でも大丈夫、明日からはちゃんと作るからね」


『えぇー!そういうオチかい?(マスオさん風)』



「別にっ……お兄ちゃんの小説嫌いになったとか

 そういうわけじゃないよっ!? 本当だよ!?」


『ふむふむ』


「どっちかっていうと……ウフフッ。ううん。なんでもない。

 何もいってないよ、本当になんでもないからっ」


『あらすじおかしいぞ。

 魔王と同じ世界、じゃなくてすでに魔王のいる世界とか他の魔王と同じ世界とかじやない?』


「あ、そうだ! お昼の小説どうだった?

 いつもとオチのパターンを変えてみたんだけど」


『テンプレ壊してるじゃん!

 騙されんぞ』


「そっか……よかった。好みじゃなかったらどうしようって思ってたんだけどこれで一安心ね」


『ものすごい、面白いアイデアで読みやすかったです!』


「もう、そんなこと気にしなくていいよ。家族なんだから、ね?」


『保育電車、いい発想だな。』


「小説とかクソアニメ視聴とか、私のとりえってそれくらいしかないし。

 それにお兄ちゃんはいつも私の小説を楽しそうに読んでくれるんだもの。

 私だってがんばっちゃうよ」


他人ヒトに任せて 僕らは逝くよ~♪

 他人に任せた 人生だから~♪


 楽しませていただきました。』








「ところで、お兄ちゃん。さっき小説書こうとして見つけたんだけど

 あの読者……お兄ちゃんのフォロワーじゃないよね? 誰?」


『最後の台詞Σ(゚Д゚)

 真相は……』



「あー! わかった、ポッターさんのコメントでしょ?

 匂い(?)でわかるもん。それで、どうしてお兄ちゃんがコメントされてるの?」


『情報が悪用されるオチかと思ったら斜め上だったな…』


「ええ!? お兄ちゃん炎上したの!? そのときにコメントされたって……。

 それより、炎上のほうは大丈夫なの?」


『課金パワー。』


「……そっか、たいしたことなくてよかった」


『1話完結ですけど続きも見たいなぁと思いました』


(あのコメントについていた返信……お兄ちゃんのだったんだ。

 ちょっともったいないことしたな……。

 こんなことなら、返信された部分だけコピペしてから削除すればよかった)



「あ、ううん。なんでもないよ、ただのひとりごとだから」


『TRPGのトラベラーの初期バグ、最速移動連絡が宇宙船なのでクレジット情報が追い付かない事による借金移動が、カード記録に置き換わり出来なくなったのと同じ現象が起きてますね。』





「……そういえば、最近お兄ちゃん、投稿が遅いよね」


『うさぎうさぎうさぎうさぎって、気ぃ狂いそうになるw』


「図書館でネタ探し? あーー、あのおとなしそうな読者の人でしょ? 知ってる。

 でもあの人っておとなしいっていうより暗いよね。

 あんな人をフォローしてたらお兄ちゃんまで暗い性格になっちゃうよ?」


『拝読しました

 怖い感じのハロウィンですね』


「お兄ちゃん……昔は私のコメントちゃんと返信してくれてたのに……、

 最近はあまり返信してくれないよね。

 それに私のも読んでくれなくなったし、カクヨムに投稿するのも

 いつもポッターさんと一緒に行こうって言うし」


『駄作バスター氏を速く…!』




「あんな人ッ!! どうせお兄ちゃんのこと何もわかってないんだからッ!!!!」





「……ごめん、怒鳴っちゃって。お兄ちゃんがそういうところで鈍いのは昔からだもんね。わかってるよ」


『上手いオチでした、おばさんになり怠惰の極みになるとライバルとか気にしないんですね。』


「それはそうと今日の晩小説どうしたの?」


『ありとあらゆる、お…お前は! がつまっていますね(笑)』


「そっか、外投稿したんだ。お金渡しておけばよかったね」


『今から考えると、この警句はぶっ刺さりますねぇ…


 まさに欲を出しすぎないようにってことですね。』



「それで、ひとりで投稿したの?」


『いにしえの2chのネタを見た気分w』


「ふーーん。ひとりで投稿したんだ」


『事実は小説より奇なり、とはこのことですね。』






「……やっぱり、あの投稿者の匂いがする」




「お兄ちゃんの嘘つき!!!」


『すんませんでしたーーーーー!!』




「ねぇ、どうしてそんな嘘つくの? お兄ちゃん今まで私に嘘なんてついたこと一度もなかったのに!!」


『ちょっと待って! ちょっと待って!

 コレはない、コレはない!w』



「そっかぁ、やっぱりポッターさんの小説読んでたんだぁ。

 手小説読ませてもらったの? それはよかったねッ!!!」



『鳥人戦隊ジェットマンで、人間の体から水晶が突き出てやがて全身が水晶になるネタを思い出しました。』



「お兄ちゃんは優しくてかっこよくて……でもちょっと雰囲気に流されやすいところがあることは知ってた。

 でも、お兄ちゃんはきっといつか私の気持ちを絶対にわかってくれると思ってたから

 ずっと我慢してたんだよ」


『これが笑い話な内はいいですよね……。』


「それなのに、私に隠れて浮読うわきってどういうこと!!

 やっぱりあの投稿者がいけないのね。

 幼馴染とかでお兄ちゃんにすり寄ってくるけど、結局はアカ(ウント)の他人じゃない!」


「……あんな奴にお兄ちゃんは渡さない。渡すもんですか。

 たとえ別アカになって出てきてもまた通報すればいいんだものね」


『つまり、キラさんとシンさんのどちらが主人公かいくら揉めても、アムロさんが出てきたら勝てないと。なるほど。』


「え? どういう意味って、そのままの意味に決まってるじゃない。

 お兄ちゃんの小説にコメントする意地汚いカクヨミニストは、

 みぃ~~んなもうこのカクヨムにいないんだよ?」


『サイコパス……!』


「ほら、私の手、かいでみて。

 ちゃんときれいにしてきたからアイツらの匂い全然しないでしょ?」


『地獄w』



「……そうよ? 今日お兄ちゃんに晩小説作れなかったのは、邪魔な読者を片付けてきたから。

 だって、あんなのいらないもん。お兄ちゃんは私だけ見てればいいの。

 お兄ちゃんのそばにあんなのがいたら、お兄ちゃんが腐っちゃうわ」


『こわぃぃ』



「お兄ちゃんの小説を読めるのは私だけ。

 お兄ちゃんは私のためだけに投稿してればいいの。

 それが最高の幸せなんだから」


『そんな無茶苦茶な! と笑いました。

 面白かったです。』


「どうして? ねぇどうしてそんなこと言うの?

 お兄ちゃんはそんなこと言わないっ!!

 私を傷つけること、絶対に言わないもん! そんなのお兄ちゃんじゃない!!」





「あーー……そっかぁ。あいつの小説読んだから毒されちゃってるんだぁ。

 だったらそれを早く取り除かないと」


『ぎゃあああ!』


「あ……でも小説を読んだってことは、目の中もあいつに毒されてるんだよね。

 脳も、内臓も……どんどんあいつに毒されていくんだ。

 じゃあ、私がきれいにしてあげなくちゃね……!!」



















『なんだこれ(笑)』

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