第2話ー事件の前(朝のご飯)

「かっ」


驚いた斎藤は防御が間に合わなくて、居間のドアの近くで、こっそり待っていた小さい影の体当たりを受けてしまった。今回の者その影は暗殺の才能を持ち、斎藤は何回攻撃されても、兄として一度も怒ったことはない。


「お兄ちゃん、おはよう!」


「お、おやすみ」


斎藤と龍星の11歳の妹、黒布雪月は元気いっぱいに朝の挨拶をしたが、損傷(ダメージ)を受けて前に倒れた斎藤は寝る挨拶を返した。隠者おじいさんは一度も幼い雪月に訓練をさせたことはない。それでも、雪月は自然に警戒ができていない斎藤によく体当たりをしている。


隠者おじいさんのトレーニングを受けているにもかかわらず、齋藤は雪月の気配を察知出来ない。もし隠者おじいさんが本気で雪月に訓練を受けさせると、雪月は一流の忍者になるかもしれない。


だが、雪月はまだ幼い子供なので、訓練はできない。訓練を受けている斎藤は雪月の体当たりを受けても無事だが、痛みを感じている様子を演じた。


「えー

お兄ちゃんが起きたばかりなのに? 雪ちゃんはお兄ちゃんとご飯を一緒に食べたいー」


「く、口に入るより、何か口から出るかも…」


「お兄ちゃんのサンドイッチは雪ちゃん作ったのに!」


「なんじゃと?雪ちゃんが心を込めたサンドイッチだと?

雪ちゃん〜

おじいさんの分はあるか?」


「ある!最初におじいさんの分を作った!」


「フー」


雪月が隠者おじいさんの分を最初に作ったと聞き、隠者おじいさんは微笑んで、鼻が高くなる。だが、あの顔の様子は斎藤に見せる。隠者おじいさんが何回も雪月を甘やかしても、雪月はよく斎藤に甘えている。


なぜなら、雪月と龍星がまだ幼子の頃、斎藤が二人の世話していたため、今では隠者より斎藤と親密になった。ある時、隠者おじいさんが雪月に将来の夢を聞いたと、雪月は「お兄ちゃんの嫁になりたい」と返事した。


それ以来、隠者おじいさんは毎日の練習によく殺気を込めて、斎藤を攻めている。斎藤を殺したいとも言う。チャンスがあれば、死の罠や毒を使ったけれど、斎藤は全部の罠を避けた。そして、龍星は斎藤の食べ物に毒があるのを知った時、隠者おじいさんのご飯を抜き罰した。


負けたくない隠者おじいさんは今では雪月に関する事一つ一つを斎藤に見せびらかす。



「プー」


「…」


雪月の作ったサンドイッチはサンドイッチというより黒い石のように見える。そして、石のようなサンドイッチの上には紫の液体が流れている。もちろん、隠者はこの「水」を知っている。


これは、以前に斎藤に使用したいと考えていた毒の一つであり、毒性が高い。だが、チャンスがなく使う機会がなかったため、なぜかここにあるかわからない。


「雪ちゃん。これは?」


「サンドイッチ」


「いや、この紫の水っぽい物は…」


「へ?

それは前におじいさんが言ってたおじいさんの薬。今回サンドイッチに入れて作った。おじいさん早く元気になってね。」


「ね…

何で斎藤のサンドイッチは特別そう?」


「お兄ちゃんのサンドイッチは雪ちゃんと龍兄さん一緒に作った。」


「なんだと!」と言いたいけれど、隠者の驚いた表情を見ると、理解できた。最初は誇らしかったのに、今は自分の毒で死ぬかもしれない。前に、あの毒を隠す姿を雪月に見つかった時、隠者おじいさんは自分の薬だと嘘をついた。


一方で、斎藤のサンドイッチは龍星の下に、美味しさが上がって、どう見ても高級なサンドイッチにしか見えない。龍星に文句を言いたいけれど、隠者おじいさんは龍星の「まだ斎藤お兄ちゃんの食べ物に毒を入れますか?」と言いたげな顔を見ると、冷や汗が出た。


この黒い石っぽいのサンドイッチは今回の隠者おじいさんへの罰という訳だ。隠者おじいさんの様子を見ながら、笑っている斎藤はこの状況を楽しむ。


自業自得だ。


しかし、隠者おじいさんはこのサンドイッチを食べないわけにはいかない。隠者おじいさんは雪月の目がキラキラして、期待するような顔を見ると、その石っぽいサンドイッチを口に入る。


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黒てるてる坊主 黄 永耀 @nagakun

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