第117話 ドイツ語とフランス語の難解で面倒な数字の数え方

 前回「Divers (多様な人達)」つまり「LGBT」の人のために新しく作られたフランス語の人称代名詞 ” iel” がもう一般的になっているのかどうか、フランス人の友人に確認しておきます、と言い終わりましたが、あの後速攻で確認しておきました。


 ドイツではLineではなくてWhats Appというのを使っていますが、私のWhats Appの友人リストは本当に国際色豊かで、日本人、ドイツ人は当然として、他にフランス人、イギリス人、スイス人、ベルギー人、ハンガリー人、ポーランド人、スペイン人、ウクライナ人、ロシア人、アメリカ人、オーストリア人、インド人、中国人、台湾人、インドネシア人の友人達がいて、このWhats Appのおかげでいつでもすぐに連絡を取ることができるのは本当にスマホの普及のおかげで有り難い限りですよね。


 それでフランス人友人に聞いた結果は、

「この言葉は本当にそんなに知られてなくて、一部の少しの人達にしか使われていないのよ、もう辞書に載ってはいるけれどね」ということでした。


 彼女はストラスブール出身のフランス人ですが、彼女は主人の仕事の関係で2人でもう25年近くドイツ暮らしなのですが、年中フランスへ帰国しています。フランス暮らしの彼女の妹とは仲良しなので、多分毎日くらい連絡を取り合っているでしょうし、一番下のお嬢さんも現在リヨンの大学へ入学しました。そういうわけでドイツ在住とは言ってもフランスの現在の状況はよくわかっているはずなので、彼女からのフランス情報は多分間違いないでしょう。


 ところで彼女の主人(同郷の出身者)の名字はどう聞いてもドイツの名前で、名字だけ聞くと誰もが「えっ、ドイツ人?」と思うのですが、ストラスブールのアルザス地方はドーデの短編小説「最後の授業」で有名なように、昔は長年神聖ローマ帝国領(ドイツ)でしたし、その後もドイツになったりフランスになったりを長年繰り返していた時期もあるので、彼女の主人のご先祖様はドイツ系だったのでしょう。実際欧州ではお互いに色々な国へ行ったりきたりしているので、2日前に私がある席で知り合いになり、お喋りしていたドイツ人の伯母様は

「うちの家系は500年前フランスからドイツに来たのよ、フランスでプロテスタントでドイツに逃げてきたユグノーだったの」と言っていましたし、うちの主人の父方のお祖母さんはもしかしたらオランダ系なのではないかと主人の父が言っていたのを聞いたことがあります。


 それでまた話が変わりますが、私がドイツ語で面倒くさいと思うもう一つは数人の言い方です。


 例えば 75 と言いたい場合、「5と70」という言い方で

     81 と言いたい場合 「1と80」になり、

     99 と言いたい場合 「9と90」と言わなくてはいけません。


それで電話で電話番号を聞くときなど

「254623」などの場合 「5と20、6と40、3と20」というように2つの数字に切った言い方をするのがドイツでは一般的で、いつも後ろから書いていかないとならず、

「なんで英語や日本語みたいに数を普通に言わないんだろう」と不思議でなりません。


 でもフランス語に比べるとドイツ語はまだましで


 例えば 75 と言いたい場合、「60と15」という言い方で

     81 と言いたい場合 「4と20と1」になり、

     99 と言いたい場合 「4と20と10と9」と言わなくてはいけません。


「4と20」は「4×20は80」という意味からきているのでしょうけれど、なんでこんなめちゃくちゃ面倒くさい言い方をしなければならないのか、意味がわかりません。


 それで理由を調べたら、フランス語の数体系は、現代のロマンス語がそれを駆逐する前にフランスで話されていたケルト語であるガリアで使用されていたものに由来しています。 ウェールズ語やスコットランド ・ゲール語やアイルランド・ゲール語などの現代のケルト言語の数字の数え方を見ると、フランス語と同様のパターンが見られるのだそうです。


 それにしてもドイツ語でも不思議に思うのですが、フランス語はこのように奇々怪々で複雑な数の数え方をしていて、素早く計算ができるものなのでしょうか。


 有名な数学者の方もいますし、ドイツ人もフランス人も理系が特に弱いとは聞いたことがないので、数の数え方は慣れていれば計算の速さには関係ないのかもしれません……わかりませんが……。

 

 でも公文のように計算の速さを競う場合などは、日本式や英語式の方が絶対迅速にできるように思います。


 さすがに友人のフランス人に、

「あなた達ってあんな数の数え方で、速く計算できるの?」とは聞けないので、三人の息子の中で理系のうちの長男を捕まえて、ドイツ語(長男)対日本語(私)の計算対決をしてみたいと思います。

 

 頭が衰えてきている私と同じくらいの速度であれば、長男は同じ年くらいの日本人の男の子には勝てないだろうと、いう意味だと思います。


 





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