第114話 ジャガーに乗ってドイツ→ベルギー→フランスの高速をぶっ飛ばした話

 木曜日から訳(わけ)あってフランスのポワティエという所へ行っていた。突然行くことが決まり、何と言っても我が家からポアティエまでは約800kmの道のり、高速慣れしているドイツ在住の私達は夫婦で運転を交代しながら、今年の3月に購入したばかりのピカピカの新車ジャガーXFをぶっ飛ばしていたものの、それでも一日でポワティエへ着くことは諦め、行きも帰りも一泊ずつ途中に宿に泊まった。今回3泊ほどシャトーホテルに泊まり、そのホテルの話はまた別の機会に書くことにして、今回はそれぞれの「アウトバーン」-高速道路-について紹介させていただく。


 今回は方向的にもドイツからベルギーを抜けてフランスへ行ったのだが、ドイツからベルギーへ抜ける時に注意をしないといけないのが、速度である。

ドイツは高速天国で制限速度がある場所以外は、個人の好きな速度で高速を走ることが許されている。130km/hという速度が推奨されているものの、追い越し車線では200km/hくらいの時速で走っている車だってある。ドイツではまぁ、割合普通に見かける高速での光景だ。


 ところがベルギーは制限速度が120km/hと決まっていて、たまにあるカメラに撮られると高い罰金が請求されることになる。

そしてこの速度規制が普通はドイツで運転している私達には結構面倒だったりするのだ。しかしながらどうやらジャガーにはこの速度を設定してずっと同じ速度で走行することができる機能も付いているらしいのだが、最近の機械系のものはマニュアルがインターネットでダウンロードしなければいけないとかで、今回それを確認しないまま出発してしまい、スピードメーターとにらめっこしながら運転というのが本当にめちゃくちゃ疲れた。


 と、いうのも私達は長年安いスコダというチェコの車に乗っていて、ジャガーは初の大きな車の買い物、これなら丈夫そうだし、それに20年乗れば元が取れるよね、とか言いながら購入した車だったのだけれど、性能も良いせいか、少しアクセルを踏むだけですごいスピードが出てしまうのだ。格安スコダに乗ってきた私達にはこの滑らかに加速するジャガーは未だに不慣れで、その上普段は制限速度のほとんどないドイツの高速を走っているため、ちょっとアクセルを踏んだだけで150kmとか160kmとかの速度が出てしまうジャガー君には今回なかなか苦労させられた。


 それでベルギーの次はフランスだが、フランスの高速は有料道路があるのだ。これも普段無料のドイツの高速道路(ベルギーもオランダも無料)を利用している私達には見慣れないもので、またその上制限速度が130km/hと、お金は取られるは、制限速度はあるは、となかなか面倒なフランスと思ってしまった。


 しかし、今年の夏にやはりフランス旅行へ行った時に、速度5kmくらいオーバーしたら50 Euroくらいの罰金の書類が送られてきて、それに懲りた私は今回は気をつけたつもりだが、今回もちろん2週間くらい待たないと本当に大丈夫だったのかどうかはわからない。

前回カメラに撮られたことは、主人も私も全く気がついていなかったので、今回もどこかで撮られている可能性も無きにしも非ず、なのだ。


 ところで7月にフランスからその知らせが届いた時に、めちゃくちゃびっくりしたのが、あのおフランス様からの手紙がなんとドイツ語だったということだ。

 

 実は今から6年くらい前に、オランダでうっかり30km程速度違反をして300Euroの請求が来たことがあり、その時に来た手紙があまりに良く理解できて

「最近はどうやらオランダ語までわかるようになったのかな」と自画自賛しかけ、でも良く見たらそれもそのはずなんとドイツ語で書かれた手紙だった、ということがあった。

その時は

「さすが語学堪能オランダ!」と思っていたら、一昔前(少なくとも35年位前)はどんな時でも(個人的な話ではなくて、世界中の職員は必ず英語使用が義務付けられていた当時のKDDでも)フランス語しか話さなかったあの気位のめちゃくちゃ高いおフランス様からの手紙までもがきちんとドイツ語になっているとは、ものすごくびっくりしてしまった。

 

 どうやら欧州内では、違反の手紙はその違反者の国の言葉で郵送するらしい。フランスでさえするのだから、ドイツもしているのだろう。しかしイギリスはどうなのだろうか。英語は世界共通語になっている現代でイギリスもそんな面倒なこと(でもないけど)をしているのかどうかは不明だ。


 ちなみにドイツを含め周辺の国の2022年最新の罰金の金額を調べてみた。


ドイツ

20km/hを超える速度 100 Euroから

50km/hを超える速度 480 Euroから


フランス

20km/hを超える速度 135 Euroから

50km/hを超える速度 1500 Euro(常習犯の場合は3750 Euro)


ベルギー 

20km/hを超える速度 100 Euroから

50km/hを超える速度 300 Euroから


オランダ

20km/hを超える速度 165 Euroから

50km/hを超える速度 660 Euroから


イギリス

20km/hを超える速度 110 Euroから1170 Euroまで

50km/hを超える速度 最大で 2890 Euro



 オランダがめちゃくちゃ高いのかと思っていたら、こうやって比べてみるとなんとフランスやイギリスはすごい罰金の金額だと知った。

でも確かに50km速度オーバーなんてすることの方が珍しいようにも思うが、ドイツでは追い越し車線で200km/hくらいで走行している人達もいることは上記にも書いた通りで、いつも200km/hくらいで飛ばしているドイツ在住者は近郊の国へ車で行くときは細心の注意をしたほうが良いだろう。


 それからアウトバーンの特色として、ベルギーは夜でも明るい街灯がベルギー内全ての高速道路に付いていて夜も明るいのは有り難いが道は結構古っぽい。オランダは道がすごく綺麗で雨でも水が跳ねないお金をかけた道路が走りやすい上に、何もかも新しく綺麗。フランスは料金を取る有料道路は空いていて走りやすい。でもドイツは無料の上、制限速度がうるさくないのがやはり走りやすく、アウトバーンはやっぱりドイツが一番かも、と今回初めて思ってしまった。



 と、今回はドイツはじめ、近郊の高速道路事情についての話でした。

これを読んでイギリスからの違反の手紙が何語で来るのかご存じの方がいたら是非教えて下さい、お願い致します!

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