第92話 これだけは必見!お薦めフランスコメディー映画
我が家ではうちの主人一家の影響で、息子達もどういうわけかフランス映画のコメディーが大好きなのですが、今回はその中でも我が家いち押しのお薦め映画を紹介させていただきます。
1位 :
『大進撃』(La Grande Vadrouille)1966年公開
主演 ブールヴィル ルイ・ド・フュネス
1942年の第2次世界大戦下でのパリの話。3人のイギリス空軍がパリ上空で撃墜され、飛行機が落ちてしまい、パラシュートで助かったもののはぐれてしまいます。ひょんなことから彼らと行動を共にすることになったフランス人のブールヴィル演じるペンキ塗師とルイ・ド・フュネス演じる気取ったパリオペラ座の指揮者の珍道中なのですが、それを追うナチスも出てくるので、舞台はフランスなのでフランス語、でもイギリス空軍の3人は絶対英語、そしてナチスはほぼドイツ語と三ヶ国語での映画となっています。
この映画は1966年に発表された際は大変な人気で、2008年まで42年間の間興行収入で史上最高位の座を保ちつづけたとのことで、フランス映画で最大の成功を収めた映画と言われています。
何度見てもブールヴィルとルイ・ド・フュネスの掛け合いが絶妙で、イギリス人3人はどんな場面でもエリート空軍ジェントルマンとして颯爽と描かれていて、一方ナチスがこの映画では滑稽に間抜けに描かれているのがたまりません。
主人の両親の話では、今は知りませんがその昔この映画をドイツで放送された際は、あまりに滑稽なドイツ人達の場面はカットされていたとか。
家ではみんなあんまり大好きで、長年に渡って毎年年末に必ず見ている映画の一つです。
2位 :
『ニューヨーク←→パリ大冒険』(Les Aventures de Rabbi Jacob) 1973年公開
主演 ルイ・ド・フュネス
ルイ・ド・フュネス演じるのはお金持ちの工場経営者、差別主義者のカトリック教徒なのですが、こちらもひょんなことからアラブ某国の革命家の逃亡を助けなければならなく、なんとユダヤ教のラビ(司祭)に変装して、ユダヤ教の礼拝まで執り行うという話なのですが、カトリックとユダヤ教徒の習慣の違いによって繰り広げられる珍道中が何度見ても大笑いさせられます。
だって敬虔なカトリック教徒と敬虔なイスラム教徒がシナコーグでラビとしてユダヤ人の中で礼拝を執り行わなければならなくなるなんて、考えただけで笑えませんか?
こちら「大進撃」と同じジェラール・ウーリー監督の映画なのですが、この監督さんの国柄、宗教柄の違いを合わせてそこから笑いを引き出すという手法は最高です。
これも我が家では年末の定番です。
色々考えたのですが、3位はこちらにしました!
3位 :
『シュティへようこそ』 (Bienvenue chez les Ch’tis) 2008年公開
監督、主演共に ダニー・ブーン
「Ch’tis」とは、北フランスのピカルディ語の方言であるCh’tiという言葉をしゃべる人達のことだそうですが、東部フランスが舞台となった話です。
42年間の間興行収入で史上最高位の座を保ち続けた「大進撃」の座を2008年に奪ったのが、こちらの映画でした。
マルセイユ近郊の郵便局支店長フィリップは妻子と共にコートダジュールへの転勤を夢見ていたのにも関わらず、ある失態からフランスの最北部カレ-の近くのベルグで2年間勤務しなければならなくなります。
最初は悲観的なことしか考えていなかったフィリップがダニー・ブーン演じる同僚のアントワーン達と共に、そこでの生活をエンジョイするようになり…と、そういった割合ストーリー的には単純な映画なのですが、この方言と言われて話されている「Ch’tis」の話し方があんまりおかしくて、そして聞いているうちになんとも愛着を感じずにはいられなくなってくるという、見ていて温かい気持ちが湧き上がってくる映画です。
フィリップ役のカド・メラッドさんはプチ・ニコラ (Le petit Nicolas)のパパ役の俳優さんでなんとなくブールヴィルに似た雰囲気もあり、フランス人はこういう感じの人が好きなのでしょうかね。冴えないというか、きりっとした感じではない、でもなんとも良い味を出す人、というのでしょうか。
そこがイケメン風おじさんしか出てこないアメリカ映画と比べて、またなんとなく独特の魅力がありますよね。
こちらイタリアでリメイクが作られていて『ようこそ南へ』(Benvenuti al Sud)という題名なのですが、ダニー・ブーンが原作のアントワーン役で出てくるシーンが一瞬あり、シュティ方言で話してくれます。
実は3位の候補は他にいくつかありまして、でもこの映画のイタリア版リメイクがこれまた最高に良かったのでそれも合わせて、3位はこちらにさせていただきました!
この映画は日本ではどうやらまだ出ていないようですが、英語版では『Welcome to the Sticks 』、ドイツ語版では『Willkommen bei den Sch’tis』で出ています。
どの道このシュティ方言は意味がわからなくても面白く、先程書いたように本当に単純なストーリーなので、多分何語で見ても楽しめそうだと思います。
うちの息子3人はフランス語は全くわからないのですが、この映画はもう長年何十回と見ていて、フランス語でも問題なく楽しんで見ていました。
私なんてフランス語でもドイツ語でも正直怪しいのですが、それでも面白いと思えるので、本当にお薦めです!
あと他に3位に迷ったものとして、実はいくつかありました。
①『おかしなおかしな訪問者』(Les Visiteurs) 1992年公開
主演 ジャン・レノ クリスチャン・クラヴィエ
一見ドタバタですが、見終わって思い出すとやはりクスッとしてしまう、クセになりそうな映画ですよね。
またこれはフランス語が上手な主人のイチ押しの映画です。
この中の貴族の家系の方達の話し方がめちゃくちゃ貴族っぽくて、その話し方だけでも相当面白いらしいです。
いくつかある続編も全部面白かったですね。
②『ユダヤ人だらけ』(Ils sont partout) 2006年公開
主演 監督共に イヴァン・アタル
『シュティへようこそ』のダニー・ブーンが出ていたので見たのですが、ブラック的でもあり、バカバカしい笑いもあり、少し悲しくもなり、でも結局は笑えるという、フランス独特のユーモアに満ちた映画で結構楽しめます。
③『最高の花婿』(Qu'est-ce qu'on a fait au Bon Dieu ?) 2014年公開
主演 クリスチャン・クラヴィエ
そして実はうちの次男と三男イチ押しのフレンチコメディーはこちらでした。
敬虔なカトリック教徒で父クロードの自慢の4人の娘はそれぞれ上から、イスラム教徒、ユダヤ教徒、中国系の婿と結婚、4人目こそはクリスチャンで喜んでいたら、なんとアフリカ系の恋人を連れてきて…という、まあ、こんなことが本当にあったらさぞや面白くて楽しいだろうと思わせてくれる楽しい逸話が随所に散らばった映画です。
2作目『最高の花婿 アンコール』は全員結婚した後の話ですが、これもよくできていましたね。
私としては大好きな ルイ・ド・フュネス の映画『ニューヨーク←→パリ大冒険』を少し彷彿させる感じが好きでした。
クリスチャン・クラヴィエもいつも笑わせてくれますよね。
ですが次男曰く、フランス映画で最高のお薦めは
『最強のふたり』(Intouchables)2011年公開 とのこと。
大笑いできるコメデイ-とは少し違うようですが、最高に面白いと言ってました。
私はまだ見ていないので今度見てみようかと思います。
…とまあ、このように面白いコメディー映画はなんだろうと考えると、次から次にどんどん出てくるのがフランスで、さすがおフランス様(すみません、最近この言い方に凝っています)はコメディー部門でも最強であり、本当に素晴らしいと思いました。
皆さんも機会がありましたら是非御覧ください!
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