第81話 世界で一番年金制度が優れた国とは?
最近ひょんなことから年金ランキングはオランダが一番と知ったのですが、最初はなんだか簡単には信じられず、これも調べてみることにしました。
またベルギー在住のうちの義両親の年金額は私達から見るとかなり高額でした。
義母が亡くなったばかりだというのにこんな話もどうかとも思うのですが、義母の場合は寡婦年金と生涯自分でも働いていたこともあり、秘書という仕事でありながら、研究者という超専門職のうちの主人のお給料よりも、義母の年金の方が上という状態だったのは、はたまた半公務員のうちの主人のお給料が安いせいなのか、あるいは義両親が住んでいたベルギーが一般的に年金など充実しているからなのかどうなのか、それも是非知りたくなって、今回もランキングを作成してみることにしたのです。
作成したと言っても、Mercer CFA Instituteというサイト(参考リンクは下記をご参照下さい)に、国名別に総合指数地とサブ指数値が書いてあったので、エクセルにその総合指数値の多い順に並べ替えてもらっただけです。
指数値とは各国の年金制度のシステムを数値で表したものです。
でもその年金ランキングで驚くことを知りました。
2020 総合指数値 サブ指数値
国名 妥当性 持続性 保全性
1位 オランダ 82.6 81.5 79.3 88.9
2位 デンマーク 81.4 79.8 82.6 82.4
3位 イスラエル 74.7 70.7 72.4 84.2
4位 オーストラリア 74.2 66.8 74,6 85.5
5位 フィンランド 72.9 71.0 60.5 93.5
6位 ノルウェイ 71.2 73.4 55.1 90.3
6位 シンガポール 71.2 74.1 59.9 82.5
6位 スウェーデン 71.2 65.2 72.0 79.8
9位 カナダ 69.3 68.2 64.4 77.8
10位 ニュージーランド 68.3 63.8 62.9 82.9
11位 ドイツ 67.3 78.8 44.1 81.4
12位 チリ 67.0 56.5 70.0 79.6
12位 スイス 67.0 59.5 64.2 83.1
14位 アイランド 65.0 74.7 45.6 76.5
15位 イギリス 64.9 59.2 58.0 83.7
16位 ベルギー 63.4 74.6 32.4 88.9
17位 香港 61.1 54.5 50.0 87.1
18位 アメリカ 60.3 58.9 62.1 59.9
19位 マレーシア 60.1 50.1 58.6 78.0
20位 フランス 60.0 78.7 40.9 57.0
21位 コロムビア 58.5 62.5 45.5 70.5
22位 スペイン 57.7 71.0 27,5 78.5
23位 サウジアラビア 57.5 59.6 51.6 62.4
24位 ペルー 57.2 59.5 49.2 64.6
25位 ポーランド 54.7 59.9 40.7 65.9
26位 ブラジル 54.5 72.6 22,3 70.7
27位 南アフリカ 53.2 43.0 46.7 78.3
28位 オーストリア 52.1 64.4 22,1 74.6
29位 イタリア 51.9 66.7 18,8 74.4
30位 インドネシア 51.4 45.7 45.6 68.7
31位 韓国 50.5 48.0 53.4 50.3
32位 日本 48.5 52.9 35.9 59.2
33位 中国 47.3 57.4 36.2 46.7
34位 インド 45.7 38.8 43.1 60.3
35位 メキシコ 44.7 36.5 55.8 42.2
36位 フィリピン 43.0 38.9 53.4 34.8
37位 トルコ 42.7 44.2 24,9 65.3
38位 アルゼンチン 42,5 54,5 27,6 44,4
39位 タイ 40.8 36.8 40.8 47.3
平均 59.7 60.9 50.0 71.3
この表では総合指数値を元にランキングも並び替えました。
右側3つのサブ指数値の「妥当性」「持続性」「保全性」というのは今ひとつわかりにくいのですが、理解できた範囲で説明すると、
「妥当性」とは適切であるかどうか「現実的であるかどうか」ということ、
「持続性」とは継続する力があるのかどうか、
「保全性」とは完全性とか健全性とか、信頼できるかどうかというような意味のようです。
ランキングは年金制度の色々な50を超える指標に基づいて作成されているそうで、世界人口のほぼ3分の2を網羅する、39 ヵ国の年金制度を比較検証したもので、2020年10月20日の最新版を基にしました。
それで結果は、ベルギーはドイツより下でフランスよりは上という感じでした。
そもそも義両親の勤めていたEUは、欧州中から集まっていきているため、みんな駐在扱い(公正さを保つためにベルギー人でさえも駐在と同じ扱い)で、しかも一般的な数年だけの駐在ではなくて、一度入れば生涯に渡って駐在のお給料計算になります。
その上公務員ということで、駐在プラス公務員と、考えれば最強とも言える保障のされ方なのでお給料が高い分、年金も破格だったようで、ですがそれはEUが特別で、ベルギーの国の全てがそういうわけではないようだとわかりました。
それにしてもすごいのは北欧諸国勢とオランダ、オ-ストラリアですね。
オランダとデンマ-クこの2カ国だけが80点以上の「Aランク」を獲得しています。
しかもオランダは3年連続1位の座にいるのだそうです。
そして驚いたのが実は日本でした。
日本は残念ながら39カ国中32位というのは正直びっくりでした。
ブラジルや南アフリカより低いとは誰も思わなかったのではないでしょうか、私もこれは本当に予想外でした。
欧州の中にあるイタリアもすごいですね。スペインより低いとは思いもしないでしょうね、イタリア人も。
私もインドネシアの方が日本より年金制度が良いようであるとは思いもしませんでした。
なんでも今回日本は「対応の必要がある大きな弱点・不備」が明らかになっている「Dランク」にされたのだそうです。
日本の皆さんももう少し政治家の方達に声を大にして文句を言ったほうが良いかもしれませんね。
ちなみにドイツは11位ではありますが、それでも年金が少ないと今けっこう国民の間では問題になっているそうです。
ドイツの場合は天敵(というか嫌いらしい)のオランダに負けたくない、という理由もあるかもしれませんが…。
北欧諸国が上位独占かと思っていたのでオランダ1位はなんだかすごいなぁ、と感心しました。オランダの見方さえ変わってしまう(良い意味の)驚きの結果でした!
…と、最近ランキング表作りに凝っている状態の暇な私なのでした。
今回参考にしたサイトはこちらです。
こちらではロ-マ字順の国名で載せてあります。
ご自分でも見てみたい方はご参考になさって下さい。
日本語にもできます。
Mercer CFA Institute Globaler Rentenindex
マーサーCFA協会グローバル年金指数
https://www.mercer.com.au/our-thinking/global-pension-index.html
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