第37話 オランダ・ベルギーへ買い物へ
我が家のあるS村は、NRW州(ノルトライン= ヴェストファーレン州)という州にある。
このNRW州はドイツで一番西よりでありオランダとベルギーに国境に面しているので、ドイツ国内の北のハンブルグ、南のフライブルグ、東のベルリンへ行くよりは、オランダやベルギーへ行った方が断然近い。
共に家から50kmくらいなので高速に乗れば、約30分くらいで行ける距離である。
そんなわけで昨日はまずオランダの魚市場で魚を買って、その後ベルギ-へ移動してお肉を買っていた。
ドイツは魚は非常に高い上、ス-パ-で売っているのはほとんどが冷凍。
一方オランダはさすがに海が近いせいか、魚は新鮮で非常にリ-ズナブルで本当にびっくりしてしまう。
私はオランダで鮭の切り身を買うのが大好きなのだが、肉厚が厚くて脂ものっていてその上日本で売っているものより倍くらい大きくて、かなり美味しい。
昨日は久しぶりにタコも丸一匹買ってきたのだが、家に着いてあけてびっくり、足の太さが随分と太い。
なんとも食べ応えのありそうな魚介類を買うことが出来る上、値段の方はタコ一匹で約2000円、鮭の切り身は10切れ(大きいサイズ)で1800円くらいと、お財布にも優しいのが最高だ。
しかもドイツだったら、まず生の魚を買うのがそもそも難しい上、ほとんど冷凍、そして冷凍でもこの倍くらいは高いのが普通である。
そんなわけでドイツでは魚は高級品で、魚は金曜日にしか食べないという長年の習慣もあり、魚を食べる習慣がそれほど少ないと魚自体がますます縁遠くなっていて、魚は食べない、嫌いだから、というドイツ人も今では結構多いように思う。
それで次の目的地はベルギーだったのだが、このベルギーのオイペンという町はベルギー内唯一ドイツ語とフランス語を両方話す町である。
ベルギーは実はフラマン語、フランス語、ドイツ語が公用語なので、ブリュッセルなどへ行けば駅の表札などはこの三カ国語で書かれている。
でも実際は、国土の北半分を占める地域のフランドル地方はフラマン語と少しフランス語、国土の南半分を占める地域ワロン地方はフランス語のみで、ドイツ語は公用語でも実際本当にドイツ語を使っている地域はベルギーの中でも実はこのオイペンしかない。
で、この町に入るとお店の看板や道の表札など、時々フランス語、そして時々ドイツ語になり、お店の人はお客さんに応じて両方の原語を使い分けている。
私はこの町が大好きなのだが、ここのスーパーで買うお肉がまたとても美味しい。
ベルギーは牧畜の国であり、ベルギーに入った途端に草原に馬や牛や羊を見る事ができるのだが、牛は広々とした草原でゆったり過ごしていることがわかる。
なんだかかなり幸せそうである。
できるなら私もあんな草原で日がな一日ゆっくり過ごしてみたいと思うくらいである。
そんな環境で育った牛のせいなのかどうか本当の所はわからないけれど、ドイツで売っている肉とベルギーで売っている肉は随分違うように思う。
色も違えば、売っている部位もベルギーの方が3倍くらい豊富である。
また特にフィレ肉は本当に美味しい。
1kgで3500円くらいというのも、これまたお財布にも優しいように思う。
それだけではなく、ドイツではこの品質のお肉をスーパーで買えるなんてこと自体が絶対にない。
ただドイツでは自分のところで屠殺してすぐに売っているお肉屋さんがあるので、そういうお肉屋さんのお肉は絶品とのことだが、私はベルギーのスーパーの中にあるお肉屋さんの方がそれでも美味しいような気がしてならない。
農業、牧畜が盛んなベルギーというイメージがそう思わせているのかどうかわからないが、ドイツ人でありながらベルギー育ちの主人は
「お肉は絶対ベルギー産、ドイツのはあまり食べたくない」と言って譲らない。
でもそれでも私も主人もドイツに住むということには全くなんの不満もなく、でもそれは、もしかしたらオランダやベルギーへすぐ行くことができるドイツの中でも地理的な便利な場所に住んでいるせいなのかもしれないと最近思う。
そんなわけで昨日は三カ国国境地点(ドイツ・オランダ・ベルギーの三カ国の国境を跨いだ写真を撮ることができる)という観光名所を通りながら、買い物のためにオランダ、ベルギーへ簡単に行くことができる地理的な有り難さを感じていた一日だった。
ところでこの三カ国国境地点は私の特にお気に入りの観光名所の1つ、ということで次回はここの紹介をさせていただきたいと思う。
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