第29話 ユダヤ教の面白い決まりごと その2
ユダヤ教というのも聞いたところでは、イスラム教のように聖典に書いてあることを着実に守るべきという教えの中に生きているらしい。
だから
・ユダヤ教徒は一日に3回礼拝堂に来なければならない
・金曜日は車に乗ってはいけない上、1kmしか徒歩でも歩いてはいけない
・ハラルの食べ物しか食べていけない
・生魚を食べることは禁止
・乳製品とお肉と言う組み合わせでの料理は絶対に駄目
など色々な小さな決まりに対して、
「何故?」と聞けば
「『タナハ(経典)』にそう書いてあるから」という答えしか返ってこない。
これにはその答えをするラビご自身も笑っていたくらいで、金曜日に車に乗っては駄目で1kmしか歩いてはいけないというような決まりでは、ミサに参加できなくなるからその場合はシナコーグから1km以内まで車で来て、そこから歩いてくるというようなこともあるらしい。
イスラム教徒も「コーランにそう書いてあるから」と必ず言うので、とにかく経典に書いてあることが『絶対』なのだろう。
もちろん、キリスト教徒も聖書の訓えをそのまま忠実に守っている信者もいるのだろうから、宗教とはそういうもの、とここは理解するしかないようである。
私がとっても面白いなあ、と思ったのは経典である『タナハ』だ。
ドイツではドイツ語とヘブライ語の2ヶ国語で書かれてるとのこと。
ちなみにヘブライ語は欧米語と反対で、一番上、右から左へ読んでいくので、開ける最初のペ-ジもドイツ語の本と反対側からはじまる。
ユダヤ教はラテン語ではなく、ヘブライ語だが、今回説明して下さったラビも、自分の両親はヘブライ語を話したが、最近の60歳以下の人達はヘブライ語がわからないから、ドイツ語と両方を載せているのだそうだ。
ドイツでもカトリック教会では長年ミサはラテン語で執り行われてたらしい。
例えば、うちの町のまだ80歳前の神父様のお話では、その方達の子供時代にはミサはドイツ語ではなくラテン語で執り行われていたそうな。
その日は見学者全員の昼食会というのもあって、「コウシャ」料理の「鶏肉の腿肉のユダヤ風」というのをいただいた。
私はお料理と一緒に赤ワインも飲んだが、これももちろんハラルワインである。
ワインに関して言えば、最初の3年間は葡萄は全部破棄した後、4年目の葡萄をワインにするような方法でワインは製造しているのだそうで、特に美味しいということもなく、ワインの国フランスではない、ドイツでさえもこのくらいの値段でもう少し美味しいワインはあるかも、という感じだったが、アルコールは一切駄目というイスラム教よりはワインが飲めるだけマシだろう、と納得することにした。
それにお金持ちが多いユダヤ人のことだろうから、本当は美味しいハラルワインもあるのだろう。その日私達に出してくれたワインは私達があまり高いものを注文しなかったので、あまり美味しくないものだったのかもしれない。
とても興味深い一日だったので、次回は是非イスラム教のモスク見学へ行ってみようと思い、友人にお願いしてみようとその頃は思っていたのだが、
「モスクへ連れて行ってくれませんか?」と聞けば、それこそ
「〇〇さん(私のこと)、あなたもついに目覚めてくれましたか!」と、友人を誤解させてぬか喜びさせてしまうかもしれないので、やはりやめようと思っている。
それで今日たまたま次男を迎えに行くと彼女の息子さんもいて(うちの次男と彼は幼馴染で今でもとても良い友達だ)、これは良い機会と聞いてみることにした。
彼の話ではモスクもやはり男女別にわかれているらしく、男子の着帽はどちらでも良いのだが、女性は必ず頭にスカーフが必要とのことで、イスラム教徒の女性しか入ることができなかも、と言っていた。
でも彼はあまり信仰心もないらしく、ラマダンもきちんと守っているわけでもなく、前回モスクへ行ったのは一体いつのことだか自分でも思い出せないということで、彼の話はいまいち当てにはならないようである。
友人だが数日前には、YouTubeで
「イスラム教徒の日本人」という長い動画を送って来てくれたので、
「日本人は宗教に寛容なんです」と返事したが、その私の真意を彼女が理解してくれたかどうかは不明だ。
日本でシナコーグ見学をする機会があれば一度くらい行ってもいいかもしれない、日本にはそれこそモスクもシナコーグだってあるだろうから、私は日本で一度モスクへ行きたいくらいである。
日本は宗教に寛容な国なのである、だからこそ平和なのだと世界中の人が理解してくれると良いと思う、今日この頃である。
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