第11話 カーニバル中の我が家の心配

昨夜はうちのS村の大会場もパーティで若人達が1700人くらい集まって大騒ぎだったらしい。


うちの村のカ-ニバル実行委員会は1925年に設立された夕由緒ある委員会で、その上1966年に発足したという他のカ-ニバルクラブもあり、人口800人に対して2つものカ-ニバルクラブがあるということで、この地域ではそこそこ有名らしく、昨夜は村の2倍以上の若人がパーティに参加するためこの村に集まっていたわけだ。


というのも昨日のパーティは、「Electric Party」とかで、会場内がレ-ザ-光線に照らされ、DJが入り、飲めや、踊れや、歌えやと、通常のカ-ニバルパーティとは違いコンセプトは゛Jugend(若者) ゛向け、ということで若人用パーティだったのである。


それで、もちろんうちのパーティ好きの長男・次男は21時から出かけ朝4時に帰ってきたわけだが、ドイツの若人達はパーティへ参加する前どこかの家に集まってまずそこで1杯(あるいはたくさんの方の゛いっぱい゛かもだが)まず飲んでから会場に出かけるのが普通のようである。

というのも直接会場へ行ってそこで飲み食いするよりは自分たちでまず買い込んだものを飲んだり食べたりしてから行った方が経済的という理由もあるのだろう。

ドイツ人は若いうちからしっかりしている。


そんなわけで昨日はうちがその集まり場所になり、次男の友達が7人ほどやってきて、自分たちで買ってきたお酒を飲み、我が家で3時間くらい過ごした後、パ-ティへと出かけて行った。

念のため、次男は17歳だが、大抵の友人は18歳、ドイツでは16歳以上からビ-ルを飲むことは法律的にもOKなので、次男友人が不良軍団というわけではない。

長男は長男で他の友人宅にみんなで集まってから出かけたようだ。


一方私はほとんど大人のように大きくなった彼らに会うのも面倒なので、友人軍団が来ている間、プレステで遊んでいる三男と共に2階で用事をしていた。

主人は義母に会いにベルギ-へ行っているので、次男は応接間を広々と使っていたわけだが、彼らが帰って応接間を見たら、持ち込まれたビ-ルなどの飲み物が、テ-ブルにバ-ンと全て残っていて、びっくり!!!

次男にプンプン怒っていたら、次男が全て片付けるし、空いていないビ-ルは私が飲んで良い、ということなので、許してあげることにした。


人生楽しいことしかない、と言っても言い過ぎではないくらい、エンジョイしまくっている、本当にこんなんで将来大丈夫なのか、と心配したくなるここの子供たちの生活ぶりである。


一方12歳の三男は、そんなパーティへは行けず、本人も全く行きたくもなく、というのもプレステで遊んでいるのが一番楽しいからで、これも違う意味で心配だ。


金曜日から火曜日までの休暇で主人もいないし、長男次男は遊び歩いていて家にいないし、三男だけで楽チン楽チンと喜んでいたら、今日三男の友達がうちに泊まりに来るらしい。三男は友人軍団もみんなプレステプレステでこれも心配である。


そんな中、私は今夜は意を決して一人映画館へ行くことにした。

主人がいると変人扱いされてホラ-映画を見に行くことができない。今が主人が不在のうちに行くチャンス! と長男に言ったら、

「カーニバル中に映画館へ行く人なんていないよ」と言われ、今の一番の心配はホラ-映画を見ている映画館で観客がもし私一人だったら…ということである。


森での怖い事件再来という感じで、広い映画館にたった一人でホラ-映画とか、実際は映画以上に実はめちゃくちゃ怖いと思う。



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