第9話 カーニバル 大パーティ ― Karnevalssitzung
10年以上前、ドイツ語の先生だった年配の女性に
「あら、あなたはS村(D村からは既に引っ越していた)に住んでいるんですって? あの村には毎年カ-ニバルの木曜日(女どものカーニバルWeiberfastnacht)の夜に行ったわ。女だけで集まって夜まで騒いで歌ったり踊ったりしていたものよ。
当時でもそんな伝統的な集まりをしていたのはあの村だけだったのだけれど、今はもうS村でもそのお祭りはなくなくなってしまったのよ。」と言われ、私が「女どものカーニバル-Weiberfastnacht」について認識したのはそれが初めてでだった。
長年私はカーニバルと言えば、1月から週末毎に色々な村で催される大きな集会所でのパ-ティと、薔薇の月曜日にパレ-ドの山車から投げられるお菓子集めがメインのように考えていたが、実はカーニバルで一番のメインイベントは、今週末、土曜日、あるいは日曜日の大集会所での Karnevalssitzung と言われる 大パーティである。
このパーティはカーニバル中の週末だけではなく、1月くらいから毎週色々な村や町で開催されるのだが、
子供のパーティ
カーニバルの組織委員会のパーティ
男性のみのパーティ
女性のみのパーティ
ドレスなどで正装したパーティなど色々ある。
もとは1823年にケルンで始まったらしいが、ケルンに色濃く影響を受けているうちの町や村々でもケルンに倣った Karnevalssitzung 大パ-ティが毎週週末に執り行われているのである。
そこでは人々は歌やダンスやコメディアン、手品師のショーを楽しみ、ソ-セ-ジやポテトフライをおつまみに、ビールを飲みながら、歌ったり踊ったりして夜中まで飲めや、歌えや、と大騒ぎしてはしゃぎまわっている。
そしてその数々のパ-ティの中でも一番大きいのがやはりカ-ニバル真っ最中の週末、今年は明日の土曜日かあさっての日曜日になる。
真面目でしかめっつらの堅苦しいドイツ人、というイメージはケルン近郊のドイツ人には当てはまらず、ここのドイツ人はドイツ国内でも最も朗らかで遊び好き、そしてパ-ティ好きと言われる理由はこのカ-ニバルに由来しているのだ。
ケルンには方言があり、うちの村の人たちの方言もそれに近く、村生まれの次男、三男でもおじいさん達ご老人の言葉は理解できない時があるとのことだ。
そんなわけで私などには理解するのは全く無理なケルンの方言なのである。
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