第7話 カーニバル初日
今日はついにうちの村人達が一番好きなカーニバルのお祭りが始まる。
うちの町はドイツでも最大のカーニバルが開催されるケルン、またケルンと張り合ってカーニバルをしているデュッセルドルフ、両方の町から約50km離れているだけなので、両方のカーニバルの影響を非常に強く受けている。
カーニバルは木曜日の11時11分から始まるのが普通で、木曜日は学校も2時間くらい授業をした後にはカーニバルパーティが始まるので、この日幼稚園からギムナジウムまでのほとんどの子供達は仮装して学校へ行く。朝から既にお祭り気分だ。
うちの息子達もホットドッグになったり、猿のかぶり物を着ていったり、忍者、スーパーマリオブラザーズのマリオになったり、スポンジ・ボブになったり今まで色々仮装して行ったものだ。
でも20歳と17歳になった今は長男も次男も仮装はもうしなくて良いようで、夜からのパーティに出かけるのがメインになったが、三男は仲間達と申し合わせて、一角獣のかぶり物を着こんで元気に出かけて行った。
ドイツのカ-ニバルは仮装するのが普通なので、ドイツのアマゾンでは色々なコスチュームを注文することができる。しかも10Euroくらいから色々なかつらなんかもあり、非常にリ-ズナブルにコスプレが楽しめるのだ。
そういうわけで私も昨日はダンス教室へ仮装して練習へ行った。
というのもこのカーニバル1ヶ月くらい前にはどこもかしこも気分は既にカーニバルという感じになるので、あちらこちらで仮装パーティーが開催されるのだ。
緑やブルー、オレンジと極彩色の薄いペラペラ生地のドレスに、4,99 Euroで買ったピンクのかつらをかぶって行ったのだが、家を出かける際に12歳の三男から
「マミ(お母さんのことをドイツではマミという)、お願いだからそのピンクのかつらはかぶらないで行って、とても変だから」と言われた。
でも極彩色のピンク色も多少入っているこのオウムのような衣装にピンクのかつらをかぶることができないなら、どこでかぶることができるというのだ。
というわけで、三男の意見は無視して、主人と共に社交ダンス教室へ出かけた。
すると男性陣は海賊、水兵さん、女性人は魔女、中世のお姫様、ウェスタンスタイル、パンク系という衣装でみんな来ていて、私のピンクのかつらもなかなか好評であった(…と勝手に考えている)。
トラの着ぐるみを着てきたご夫婦などは2匹のかわいいトラが踊っているようで、本当に愛らしかったし、皆で仮装してダンスをするのは見ているだけでも楽しいものなのだ。
私は家にある服を着ていったため、魔女とか中世風とかのコンセプトはなく、聞かれたら何になった、と言おうと少し考えていたら、スペイン人のお医者様だった年配のおじさまから
「未来からやって来た、未来を予想する女性なのかね?」と聞かれたので、
「ええ、その通りです」と答えておいた。
なので今度からそのように説明することにしようと思う、良いアイデアをもらった。
このカ-ニバルは今夜から週末にかけ、うちの近郊のあらゆる町々村々で大パーティーが催され、薔薇の月曜日と呼ばれる月曜日には煌びやかな山車が出て、カーニバルのパレードで最高潮を迎える。
ということで火曜日まで学校は休みになるので、夜の大パ-ティーへは行くことのできない小さな子供達にとっても楽しい休暇が今日から始まった。
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