第6話 都会に憧れないのは変なのか?

昨日ネットでニュ-スを見ていたら、

「津軽弁のアニメオタクが東京に憧れない理由」という記事を見つけた。

このタイトルにすごく違和感を覚えたのだけれど、読んでみると

「アニメオタクは秋葉原などの東京に行きたいもの」という一般的な考え方から

そういうタイトルになったようだけれど、本当にアニメオタクはみんな東京に憧れるものなんだろうか?


この記事の青森の男性も修学旅行で東京へ行ったとき、「暖房でもついているんじゃ」と東京の空気にふれて思ったそうで、青森を出て東京に住みたいとは思わないということなのだが、私は結婚後仙台に1年半くらい住んだことがあり、数年前も懐かしくて仙台を訪問したのだけれど、東京から仙台の駅に出たときの空気の気持ちよさを知っている私にはこの男性の意見はしごくもっともだと思う。


私は東京生まれの東京育ちで電車で新宿から10分という便利な駅に実家があったのだけれど、もし日本にもう一度住むとしたら東京ではなく、私なら東北以北に住みたいとすら思っているので、その男性の気持ちがよくわかる。

東京の夏は暑すぎて、人も交通量も多すぎて、ドイツの片田舎になじんでしまった私には最早それほど魅力も感じなくなってしまった。

でももちろんこれは好き好きで、都会しか住めないという人にもよく会い、そんな片田舎に住んで不便だろうに何が楽しくてそんな所に、と聞かれることもある。


日本人の友人に聞かれるならまだわかるのだけれど、うちの村の7km近郊の人口3万人のJ町に住んでいるドイツ人から聞かれると、正直腹立だしいと思うこともある。


実はドイツというのは大都市があまりない。

ドイツの人口は8300万人、日本は1億2600万人であり、面積はドイツ35万7000K㎡ に対して、日本は37万 8000K㎡ということで、日本のほうが2万K㎡ほど広いのだけれど、日本は山岳地帯も多いため、住宅を建てることができる土地が圧倒的に少ないが、ドイツは平野が多く人口はちらばっている。

その上、東京一極集中ということで、東京の人口は東京都全体で1350万人、23区内だけでも920万人程らしい。

一方ドイツは首都ベルリンでも360万人ということで、それでも欧州内ではロンドンについで2番目に人口の多い都市だというのだから、東京がいかに大きい都市かわかるだろう。


そんなわけで、ヨ-ロッパ内のどんなに大きい都市を見ても、日本人から見たらなんとなく退屈に思えてしまうのはそんな理由からなのかもしれない。


それで話が戻ると、そんな田舎しか知らないドイツ人にうちの村を田舎扱いされると

「は? 人口3万人の町と人口800人のうちの村のどこがそれほど違うっていうの?世界でも最大の都市まず東京を見てから、たわ言は言って欲しい」と瞬時に思ってしまう性格の悪い私なのであった。


ヨ-ロッパは一極集中ということもないので、田舎に住んでいる人も多い。

なのでヨ-ロッパには東京を越える大都市なんてものもそもそもないので、それもあってドイツの都会暮らしには全く心惹かれない私なのだ。


そもそも田舎暮らしが性に合っているという土壌もあったのだろう。

村生活には心から満足している。



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