第4話 砂浜にすわる

 江ノ島水族館に向かおうと思ったのに。

 なんだかひどく疲れてしまって僕は砂浜に腰を下ろした。


 ただ海を眺める。

 失恋した僕にはちょうどいい気がした。海はこんなにも人の心を惹き付ける。


 琴美。

 なんで僕じゃ駄目だったんだろう。


 僕の彼女は僕の親友と駆け落ちした。二人の結婚を認めなかった琴美の両親は大反対して琴美は慶太とどこかへ行ってしまった。


 琴美の両親は僕に謝りに来た。


 そりゃあそうだよ。

 琴美は僕の子を妊娠してるし明日僕と結婚式を挙げる予定だったんだから。

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