第3話 江ノ島水族館

 僕はいつの間にか海辺まで来てしまった。

 まだまだ寒い日もあるのにサーファーらしき人が何人もいた。

 チワワはもういない。


 なんだ。

 チワワを追いかけたら

 なにかが起こる気がしてどこか期待してしまった。


 馬鹿だなあ僕は。

 ふと睫毛まつげの長い彼女の瞳をおもいだす。

 キスをするたびに近づく潤んだ彼女の瞳に僕は何度ドキリとしたことだろうか。


 なんだか観光をする気がまったく失せてしまった。


 とりあえず江ノ島水族館に向かおう。ただ巨大な水槽に魚たちが泳ぐ姿を見るだけでそれだけでなんだか僕はいい気がした。

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