第2話 失恋ぐらいで?

 大好きな彼女と何度も来た鎌倉はいつでも活気に溢れていた。


 そして今日だって。


 桜はとっくに葉桜だ。

 まだ咲いている種類もあるだろうか。


 僕は一人だ。

 いつでも彼女がそばにいたのに。


 小町通りを散策する。

 かわいい雑貨屋さんやお土産物屋さんが並び話題のスイーツのお店もたくさん。

 そういや美味しい玉子焼きのお店で彼女とお昼ご飯を食べたんだ。


 僕たちはあの時は帰りに鳩サブレーを買った。


 失恋した。

 死にそうだ。

 心が言ってる。

 もうきっとこの世の終わりなんだって。

 僕にはもう彼女はいない。


 鶴岡八幡宮にも行こうか。

 歩き出すと僕の前にチワワがいた。

 あれ? 飼い主は?

 チワワは体をフリフリさせながら、薄暗い路地に入って行った。


 なんか気になるなあ。

 僕はチワワを追った。

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