序章 試練の遺跡 4

 柵により閉ざされていた道はホールへと続いていた道とほとんど同じで、広さは一回り小さいだけの通路ではそこまで変化があったようには感じない。

 相も変わらずの松明は薄暗く、足元ですらまともに照らしてくれなかった。


 凹凸とした代り映えのしない通路に見落としが無いように周囲を観察しながら歩き続けるが、これまた相も変わらずこれといった物がないままに通路の終わりが見えてくる。


「壁…? まさか行き止まり? いや、そんなはずはないだろう、道は一本しかなかったんだから」


 振り返って後方を確認するが、点々と松明の微かな明かりが見えるだけで、他には何も置かれておらず、暗い闇が口を開けて広がっているだけだった。


 戻って確認するべきかとも考えたが、先ほどのホールの骸骨の件がある。

 下手に行動してまた余計な出来事を起こしてしまっては面倒な事この上ない。なので、戻っての確認は後に回して、まずは目の前の壁を調べることにした。


 周囲の壁はいくつものレンガが丁寧に積み重ねられた造りだが、通路を塞いでしまっている壁はレンガが積み重ねられたものではない。よくよく見て見ると黒々と埃にまみれた一枚の巨大な岩が道を塞いでしまっていることに気が付いた。


「壁…ってよりは岩だな。この通路の形に合わせて作られたみたいに綺麗に嵌ってるし、それにこれは…絵? 何か妙なイラストが描かれてるが。これは…」


 埃をかぶった岩の表面を手で撫でると、岩に彫り込まれたイラストが浮き上がってくる。

 拭き取った一か所だけに描かれている訳ではなく、岩全体にそのイラストは彫り込まれていた。


 最初に拭き取った場所に浮かび上がってきたのは≪巨大な門≫

 その下に一つだけ赤で色が付けられている≪剣を携えた門番≫

 巨大な門の上には≪嵐の中で槍を持つ男≫

 そのすぐ近くに≪角笛を吹く老人≫

 巨大な門を挟んだその反対に≪一組の男女と共に踊るピエロ≫

 斜め下には≪月に吠える狼≫

 ≪稲の芝生の上を歩く角の生えた男≫と≪雷と槌を握る男≫

 が並んで描かれており、その二つの下に≪とぐろを巻いた蛇≫が描かれていた。


 一見すれば何のことか分からないイラストだが、答えは割と簡単にたどり着くことが出来た。


「これ、『ラグナロクの神話』でも表してんのか? 嵐の中で槍を持つ男はオーディン、雷と槌を握る男は雷神、狼はフェンリルだったような。後は…何だったかな?」


 先程の骸骨の部屋では伝説のおとぎ話である騎士王の話がモチーフになっていた。ならば、それ繋がりで何かないかと考えたのだ。行き当たった思考と目の前のイラストがあまりにも合致しすぎており、むしろそれ以外に思い浮かばない。


 思い出せる範囲で目の前のイラストの内容を理解しようとしたが、ふとした思い付きでいったん思考を止める。


「いや、このイラストはあくまでヒントであって答えじゃない。この先に進むためにはどうするべきか、だけど…。この岩の絵がラグナロクを表してんなら、最期はスルトの炎で焼かれた。って事は…」


 近くに付けられていた松明を一つ手に取り、道を塞ぐ岩へとそっと近づける。

 すると、瞬く間に炎は岩全体に広がり、数秒と経たず道を塞いでいた岩は轟々と音を立てて灰へと姿を変える。


 ボロボロになった岩へと触れると、閉ざされた場所であるはずの通路へと一陣の風が吹き、灰となった岩を通路の奥へ奥へと吹き飛ばして一枚の扉が姿を現した。


「…さっきみたいな罠がありそうな雰囲気が出てんな。正直行きたくない、行きたくないけど…行くしか無い」


 不安の種はあるが、ここで開けないという選択肢はない訳で、意を決して諦めにも似た覚悟を持って扉を開ける。


 眼前に広がるは一面の闇。

 一切の光が届かない部屋の中へと踏み出すと、ボウと音を立てて闇が支配していた部屋の中に松明の火が灯る。


 両足を部屋の中に居れて数歩進んだところで、背後からガリガリと音が鳴る。

 振り返ると今入ってきた入り口が塞がれた瞬間だった。


「罠確定かよ。次は何だ?」


 静かに燃える松明の明かりは通路と違っているようで、足元が明るく照らされている為か非常に歩きやすい。

 骸骨たちが転がっていたホールよりもはるかに小さく、出口のない20畳ほどの部屋に12個の松明が揺れていた。


 じゃりじゃりと音が鳴る砂の足音は閉ざされた部屋の中でよく響く。

 部屋の中央に辿りつくと、再びあの声が頭の中に鳴り響いた。


【 コノサキ ナカマトトモニ ススムコトカナワズ シメセ ─ソノカクゴヲ 】


 頭の中で響く声が聞こえなくなった頃、ロウは素直に思ったことを口にする。


「仲間と共に進めない? 何言ってんだ?」


 周囲をグルリと見回すが。この部屋の中にはロウ一人しかおらず、他に誰かいる訳でもない。


「俺視点ではここに一人しかいないが、天の声視点では俺以外に誰かいるって事か? 幽霊、とかだったら詰みなんだが…それは流石に無いよな?」


 もし本当に幽霊や怪異の類ならばロウにはお手上げだ。

 ここで大人しく骸骨になるまで閉じ込められてしまう訳だが、その方向に考えても意味が無い。

 骸骨のホールもさっきの岩も何かしらの答えは用意されていた。ならこの部屋にもそんな答えがある筈だと考えるが、一向に答えとやらが思いつかなかった。


「くっそ、マジで分からねぇ。なんだよ、仲間って」


何も思いつかない苛立ちから、愚痴があふれるばかりで一向に思考が纏まらない。どうやら、先ほどの骸骨たちとの戦闘で感じていた以上に体ん負担がかかっていたようで、急に体が岩のように重く感じられる。

 近くの壁にもたれ掛かるように座り込むと、体の痛みが疲労と重なって睡魔となってロウへと襲い掛かってきた。


「居ないんだよ、仲間なんて。…誰も……」


 重さを感じる瞼に抵抗するも、徐々に視界が薄れていく。


「誰も…。俺が…全員……殺したん、だから…………」


 その言葉を最期に、ロウは静かな眠りへと落ちて行った。


 ◆◆◆


「ひぃ、ふぅ、み、と! よし、お前等全員居るなぁ!」


 場所はとある酒場で、そこには仕事の同僚しかいなかった。

 それもその筈、ここは本部に新しく作り直された俺たち殺し屋専用の酒場だからだ。


「先の仕事は全員よくやった。本部に変わってこの俺、グレゴリー・ガーウェンが褒めてやる!」


 岩でも体にくっつけたかのような筋骨隆々の男は、酒場の中に所狭しと座る面々へと声高らかに叫んだ。

 グレゴリーの言葉に答えるかのように座る面々は互いに「あれはしんどかった」だの「あんな急な任務はもうごめんだね」だのと思い想いの言葉を口にしていた。


「そして、今日ここに全員集まってもらったのは他でもない。お前たちに新しい人事の紹介をするためだぁ!」


「「「「イエエエエエェェェェァッ!!!」」」」


 グレゴリーの突き上げた拳に答えるように、酒場全体が割れんばかりの雄叫びが響き渡る。

 中に混ざっている身からすれば鼓膜が破れるんじゃないかとヒヤヒヤするが、言われている分には気持ちが良いんだろう。

 その証拠に、待ってましたと言わんばかりの返答が返ってきて、グレゴリーの口調もどこか嬉しそうだ。


「まぁずは新入りからだ。トキ、クレハは前に出ろォ!」


 人ごみをかき分けて登場した二人はグレゴリーの前に立ち、溢れかえる酒場の同僚たちと向き合った。


 最初に口を開いたのは金髪金眼の少年だ。身長は年の割には少し小さいものの、身体つきは筋肉質だ。


「紹介されましたトキでーす。生まれも育ちもスラム出身で、ロウとは腐れ縁の幼馴染って感じかな? まぁ本人は否定するだろうけど、少なくとも僕はそう思ってるんで。…あ、ちなみに情報部に配属になりました。どうぞよろしくー」


 大勢の前で話すのに慣れているのか、終始笑顔で楽しそうに自己紹介する様はなかなか堂に入っていて、緊張感のない独特の雰囲気は昔から変わっていない。


「お、同じくクレハです! えっと、トキと一緒で、スラム出身で育ちも一緒です。ロウとも一緒に過ごしてきました! 特殊工作部に配属されましたので、精一杯頑張るのでよろしくお願いします!」


 ペコリと頭を下げる黒髪の少女は緊張しっぱなしのようで、隣に立っていたトキは小さく笑っていた。

 人前に立つのが苦手なのは相変わらずだ。昔の男っぽい印象がガラリと変わって、今は随分と女らしくなったと思う。

 こんな場所じゃなけりゃきっとモテただろうに。


「よし、上出来だ! お前等はいったん下がれ。次だ! まずはビュート!実働隊から後方支援部に移動だ。理由はガキが出来たからだ! 今ここに居ねぇが、全員後で一言言ってやれ」


同じ部署のカレンと一年前ぐらいに結婚したとか聞いたことがある。

やってる事はブラックなのに、結婚祝いもしてやるとはなかなかにホワイトな会社だ。


 その後も次々と名前と移動先が順番に告げられていく。グレゴリーの言葉一つ一つに一喜一憂する面々は、酒のせいもあるだろうが誰も彼もが楽しそうだ。

そしてそんな中、ついに自分の番が訪れる。


「そして、これが一番の大目玉だ。先の大仕事の張本人で、ようやく空席が埋まることに俺は安堵してるぜ。こっち来い。そのツラをこいつ等に拝ましてやれ」


 静かに立ち上がる。誰も何も言うことなく、自然とグレゴリーの前まで人混みが割れて道が作られた。

 ある者は歩く相手を見つめて生唾を飲み込み、ある者は静かに笑う。

 恐怖、畏れ、尊敬、軽蔑──。

十人十色の視線を受けながら、ゆっくりと歩き始める。


 さっきまであれだけ煩かった店内は、いつの間にか足音が聞こえるぐらいに静かになり、そして───


「今まで空席となっていたこの支部の副隊長の椅子に座るのがこの男だ。知らねぇ奴は居ねぇだろうが、こんな席だ。自己紹介ぐらいはしろよな?」


 ニヤついた笑みを浮かべるグレゴリーの前に立ち、こちらを見つめる面々へと振り返る。

 高鳴る心臓の鼓動を抑えるように息を吐いた後、ゆっくりと口を開く───


「…ロウだ」


 一様に息を呑むのが分かる。張り詰めた空気の中、今一度自身の名前を口にした。


「副隊長に認められた、ロウ・ガーウェンだ」


 ◆◆◆


 意識が戻る。

 暗い部屋の中、松明だけがこの部屋の中に明かりを灯している部屋へと戻ってきた。


「はぁ…、はぁ…はぁ…」


 どうやら眠ってしまっていたらしい。息は荒く、べったりとした汗が気持ち悪い。


「クソ…。何だって、今更こんな夢を……」


 額を伝う冷汗を拭い、意識を切り替えようと自身の頬を強く叩く。

 ジンワリとした痛みを感じるが、ぼんやりとした意識を覚醒させるにはちょうど良かった。


「よし。そろそろ始めるか、この部屋の謎解き開始だ」


 体の痛みは多少感じられるが、ひと眠りしたことで疲労感は感じられなくなっており、そのおかげか思考は先程よりもクリアになっていた。


「この部屋に居るのは俺一人じゃないって事。あのホールの事も併せて考えるなら、この謎のヒントはこの部屋にある」


 部屋の中を歩いて何かないだろうかと探して回る。亀裂の入った岩のようなモノでもあるかと探してみるが、何処をどれだけ探しても一向に見つかることは無かった。


「この部屋にあの岩みたいな物が無い…いや、そんなはずはない。必ずきっかけはある筈だ。考えろ、この部屋にあるのは十二本の松明だけ───」


 ───何か引っ掛かる。

 恐らく亀裂の入った岩の代わりがある筈だ。その代わり、代替えとなる何か──


 視線がゆっくりと下げられる。暗闇に包まれた部屋の中、妙に明るい足元に視線が向けられた。


「それと…影?」


 しゃがんで足元を確認する。砂に何か仕掛けがあるのか思ったが、砂は至って普通だ。それならば、可能性は一つしかない。


「そうだ。妙なのはこの松明だ。通路の松明と違って妙に光が強い。光が強いって事はその分影が濃くなるって事で、この部屋だけやたら明るいのはその必要があるからだ」


 自らの足から伸びる十二の影を見る。

 仲間と共に歩めない、俺は今一人じゃない。なら、その答えは──


「影だ。この部屋にある影が俺の仲間として判定を受けてるんだ。だったらこの松明の火を消してやれば──」


 壁にかけられた松明の火を片っ端から地面に落として踏みつける。

 油を染み込ませただけの木材は、地面に落ちるなりすぐに火が消えていく。


 一つ消す事に部屋はだんだんと暗くなり、一つ、一つ、また一つ。

 そして最後の松明を消すと明るかった部屋は闇に包まれる。


「(どうだ。答えは──)」


 闇の中に扉が薄らと浮かび上がる。

 何処にも出入り口など無かったはずの部屋に突如として浮かび上がってきた扉は、だんだんと濃くなり、暗い闇の中に居れどもその位置はハッキリと目で見る事が出来る。


 目視した扉のドアノブに手を掛ければ、頭の中にあの声が聞こえてきた。


【 ソナタハシメシタ ヒトリデアユム ソノカクゴヲ 】


 扉を押し込み、漏れ出した光に包まれる。

 溢れんばかりの光に眼を瞑りながら歩を進め、眩い世界へとロウは一人溶けるように進んでいった。


◇◇◇


強烈な光に閉じていた瞼をゆっくりと開く。


ロウが今いる場所は最初に目を覚ました通路と同じような場所だった。

壁の造りも広さも同じで、唯一違うのは通路を照らすのが松明ではなく天井から降りそそぐ眩いばかりの明かりである事。


見えぬ天井から注ぐ煌々たる灯りはロウが居る通路を遍く照らし、今までぼんやりとしか見えていなかった通路は今ハッキリとロウの目に映る。


幾度かの瞬きの後目を擦れば、さっきまでは無かった崖が突如姿を現した。


「これは……」


【 ソナタハ シメシタ 】


目の前の状況を確認する前に、頭の中にあの声が響き渡る。


【 ミズカラノススム アユムサキヲエラブ ─ツヨサヲ 】


右の壁が鏡のように煌めくと、ロウが立っている場所に黒髪の少女が写る。


「クレハ!? お前何でそんなところに!!」


ロウの声は届いていないらしく、どれだけ叫んでも声は返ってこない。

ロウに向かって手を振ると、橋も何もない崖を歩き始める。その様はまるで空中を歩いているかのようだった。


【 ダレニモタヨラヌ ヒトリデアルク ─カクゴヲ 】


今度は左の壁にも同じ変化が起きると、そこには金髪金眼の少年が手を振っていた。


「トキ…お前……」


そして、その少年も黒髪の少女と同じように何もない崖を歩いていく。


【 シメシタ ソナタニツゲル 】


急にロウが居る通路の床や壁が全て同時に光を放たれると、左右の壁や床が合わせ鏡のように無限に広がっていた。


「ビー…アニ。レン………ニアまで、居るのか」


声が震える。あり得ない光景を見て喉を震わせ、あふれ出る感情が一筋の涙となって頬を伝う。


【 オノレヲマゲズ アルキツヅケル ──ソノユウキヲ シメセ】


合わせ鏡の無限に広がる世界にいる見知った人間が、一人残らずロウを先へと進ませようとする。

差し出された手に従う様に、ロウもまた何も無い崖へと踏み出した。


落ちる事は無かった。


崖だと思われていた暗闇は映写機で投影された絵のようなもので、ロウが踏み出した足の裏には確かな感触を感じる。


「お前等も居たのかよ。心配させやがって───」


どれだけ歩いたのか。気が付けば明るい通路は終わりを迎え、目の前には見上げるほどの巨大な鋼鉄の門が広がっており、その前には見覚えのある剣が一振り──


「これ、あの骸骨の部屋で見た剣じゃないか。何でこんなところに」


無意識のうちに手が剣へと伸びていた。

意識は不思議に感じていても、理性はそれが間違った事だとは思っておらず、突き刺さった剣を引き抜くのに何のためらいも生まれない。


 ───────。


抜き放たれた刀剣は真白に輝き、陶器のような美しさとガラスのような透明な姿なのは変わらずだ。


抜き放たれると同時に目の前の巨大な門が轟々と音を鳴らしながらゆっくりと開かれる。


────────────。


「そうだよな。ここが地獄な訳ねぇよな。お前らが居るんだから──」


開かれた扉から漏れ出る光へと駆けこんだ。

邪魔するモノは何もない。全ては俺を呼んでくれたあいつらの為に───


飛び込んだ体は浮遊感に包まれる。光の中は上下の区別もなく、ただ暖かくロウを包み込んだ。その暖かな安らぎに、ロウは静かに目を閉じた。


「待ってろよ。必ず…お前等に──」


ロウの体が光に溶けて意識が無くなる。

──鐘の音が鳴り響いた。


◇◇◇


眠い目を擦って起き上がる。固い石の上で寝ていた為か全身が痛みを伝えてきた。


「いてて…。ここは何処──」


戦慄する。


おぼろげな意識は冷や水でも浴びせられたように目を覚まし、目の前に広がる光景に体が一切の行動を止める。


「何で…」


大きな石を雑に切り取っで削られた祭壇のような机。

巨大なレンガをいくつも重ねて作られた巨大な通路。

足元もまともに照らさない薄暗い松明の明かり。

背後には自身を映す巨大な鏡。


「何でここに戻ってきてるんだ?」


見紛うはずもない。ここはロウが最初に目を覚ました巨大な通路と同じ場所だ。


「あれが…最後じゃなかったのか?」


全身の力が抜けていく感覚に、しばらくそこから動くことが出来なかった。

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