第54話 魔性の美貌
カイネウスを氷の塊で押し潰した役小角達は、喜んだが、カイネウスの鮮血は役小角達の体に飛び散り、皆の武装を真っ赤に染めていた。
「うわ〜、ドロドロだね〜
これ直ぐに落ちるかな〜」
咲が、そう言って血を地面に払い落とすと、役小角は、
「一旦、ナノマシン発生装置を切れば良いだろ?」
と、武装を解除した。
すると、それを見たソニックが驚き
「何をしてる!
周りは敵だらけなのに!」
と、怒鳴ったが、役小角は
「大丈夫だろ
他の敵も他の奴らが相手してるって」
と、言って余裕の表情を見せた。
しかし、そんな役小角の楽観的な考えを否定する様にカイネウスの血液は、一人でに動き出し、鎌の様な形になって咲とソニックの首元にかかった。
それに、驚いたソニックが急いで氷の塊の方を見ると、氷の塊の上空に一羽の黄金に輝く鳥の姿があった。
鳥は、氷塊から飛び去り、ソニックの背後に降りると、美しい金髪碧眼の白いドレスを着た女性の姿に変わり
「男の私を倒すとは、大した物ね。
でも、まだ私は死んでいないわ!」
と言って、鎌を動かしソニックと咲の首を切り裂いた。
役小角は、それに驚きナノマシン発生装置を再度起動させようとすると、カイネウスの鮮血が地面から槍の様に伸び、役小角の腹に突き刺さった。
「さあ、これからが本番よ!
本当は、この姿でいたくは無いのだけれど、男の私を倒した事を評価して見せてあげるわ。海神をも狂わせた私の美貌をね!」
カイネウスは、そう言うと可愛く微笑み、碧眼を桃色に輝かせ、首を切り裂いたソニックを見た。
すると、ソニックは首から鮮血を流しながら、目を桃色に光らせカイネウスに膝まづいた。
すると、カイネウスは甲板の上に滴る自分の血液をローブの様に羽織り、一部を伸ばして先端を人の手の形にして水蒸気となり氷塊から抜け出てきたトライデントを掴むと、自分の元に手繰り寄せ手に取った。
カイネウスは、満足げにトライデントを右手で握ると、左手でソニックの頬に触れ
「さあ、これで貴方は私の虜よ
あの忌々しい能力者達を殺しなさい」
と、綺麗な声で言った。すると、ソニックは頷いて蒼い閃光となり、咲の腹に腕を突き刺して心臓を穿った。
「がはっ!」
咲がソニックの速さに対応出来ずに心臓を貫かれると、血を吐いて倒れた。
すると、カイネウスはトライデントで海の水を操り咲を水で出来た球体の檻の閉じ込め、咲を溺れさせると、そのまま海へと引きずり込んだ。
役小角は、それを止めようとしたが、ソニックに攻撃され、それを中鬼に避けさ出た為に対応が間に合わなかった。
ソニックは、役小角が攻撃を避けると
「カイネウス様、役小角は仲間の能力で攻撃を回避します。咲に奴の仲間を殺す許可を」
と、カイネウスに高速で近づき膝まづいて言うと、カイネウスは、
「ええ、許可するわ
でも、この姿の時はカイネウスでは無くカイ二スと呼んでね」
と、微笑むと、ソニックは、
「かしこまりました。カイニス様」
と、言うとハウニブへと走った。
役小角は、それを阻止しようと急いでナノマシン発生装置を起動したが、カイニスがトライデントで役小角の腹を突いてそれを阻止した為に、対応出来なかった。
役小角達の一連の動きをハウニブの中で見ていた中鬼達は
「ああ、もう!
ヤバイですよ!
ソニックさんが来ちゃいます!
誰か助けてー!」
と、叫ぶとそれを聴いたマルコ・ポーロが不快そうに
「うるさいな〜
ここに能力者が何人いると思ってるのさ
出てきてくれ、フビライハン、アロアディン」
と、言って能力を発動しソニックに備えた。
フビライハンとアロアディンが出てくるのと、ほぼ同時にソニックはハウニブに到着し、フビライハンの腹に腕を突き刺した。
フビライハンは、それに動じずにソニックの腕を掴んでへし折り、その間にアロアディンが刀を抜いてソニックの首を切り裂こうとした。
だが、ソニックは体を高速で振動させ、刃を弾くと、フビライハンに掴まれていない方の腕でマルコ・ポーロに向けて稲妻を放った。
だが、マルコ・ポーロは余裕の表情でそれを避けようともせずにいた。
すると、マルコ・ポーロの目の前に侍が現れ稲妻に打たれた。
ソニックは、それを見てフビライハンを払おうと腕を高速で引いたが、フビライハンの怪力で腕を掴まれ続け、フビライハンを自分に近づけただけだった。
フビライハンは、そのままソニックに頭突きし、その隙にアロアディンがソニックの足を切りつけた。
「うあああッ!」
ソニックは、アロアディンに右足の腱を切られ膝を付くと、アロアディンが力強くソニックを殴りつけた。
ソニックが、そのままフビライハンに殴られていると、
「それじゃあ、おやすみ〜」
と言って、魔法使いを出してソニックを眠らせた。
ソニックを倒すと、マルコ・ポーロは余裕の表情で、中鬼に微笑み
「ほらね!
楽勝だ!」
と、言った。すると、中鬼は苦笑いして
「あはははは……
この人が敵で良く皆相手出来たよね〜……」
と、言った。
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