第38話 永遠に咲き誇るテューダー・ローズ

皆が、ホバーバイクに乗ってそれぞれの戦艦に移動した後


役小角は、ホバーバイクを使わずに、能力で風を起こして、前鬼、中鬼、後鬼と共に空を飛び、敵の戦艦に向かっていたのだが...


「なあ、あの形どう見ても戦艦じゃ無いよな

どうなってんだ?

変形したのか?」


と、役小角がモニターで見た時は確かに他の戦艦と同じ見た目をしていたのに、近づくと見た目が空母へと変わった船に驚き、仲間達に話しかけると


「確かに、形が変わったわね

でも、こっちの方が弱そうよ?」


後鬼が、大砲等が極端に少なくなった船の外見にそう言うと、役小角は、


「いや、どっちかって言うとこっちの方が厄介だ

早く壊しちまおう」


と、言って役小角は、手のひらの上に小さな竜巻を起こし、それを空母に向けて手から落とす様に放った。すると、竜巻はどんどん巨大になり、空母を飲み込んだ。竜巻により海は荒れ、空母はガタガタと揺れ始めて、通常ならば転覆するところだったが、黄金の粒子が空母を包み込み空母は、竜巻の中にあっても何の不都合も無いような様子になった。

それだけでは無く、空母から四十機の燃え盛る戦闘機が飛んで来て役小角達の方へ突進して来た。


「え!?

ちょっと!

なにあれ!

ちゃんと一発で倒してよ!」


と、前鬼が言うと役小角は、


「悪い、悪いでも、

次こそは!」


と、言って役小角は、燃え盛る戦闘機に向かって雷を放った。だが、燃え盛る戦闘機は、雷をアクロバティックに躱しながら、炎を纏った機銃で役小角達を攻撃して来た。


「やっべえ!」


役小角は、そう言って慌てて避けようとすると


「もう、しっかりしてくださいよ!」


と、中鬼が能力で機銃を透過させ、攻撃を避けた。それに対し役小角は、微笑んで


「おお、助かった!

なんか、こういうの久しぶりだな!」


と、楽しそうに言うと、前鬼、中鬼、後鬼は揃って


「「「良いから、早く倒して!」」」


と、怒ると役小角は、


「わかった、わかった」


と、言って刀を抜き


「喰らえ

神怒伏死・草薙剣たたり・くさなぎのつるぎッ!」


役小角が、そう言って刀のギミックを発動させると役小角の前に巨大な竜巻で出来た龍が雷を纏って現れ、雷鳴と共に燃え盛る戦闘機に近寄り突進して破壊していった。

だが、燃え盛る戦闘機の何機かは、龍を避け役小角達に迫った。すると、役小角は微笑んで


「後鬼、頼むぞ」


と、言ったすると後鬼は


「ええ、任せて」


と、ドヤ顔で良いクリエイターから貰った武装である眼鏡を取り出しかけた。


冷たく嘆くは嫉妬の呪いウルリャフト・マティ・メドゥーサ!」


眼鏡をかけた後鬼が武装の名を得意げに呼ぶと後鬼が見た戦闘機に結界の様な魔法陣が現れ、戦闘機の動きを空中で止めた。


「ふふん、完璧ね」


と、後鬼が眼鏡をカチャっと上げながらそう言うと、役小角は、


「よっしゃ、サンキュー!

喰らえ、神怒伏死・草薙剣たたり・くさなぎのつるぎッ!」


竜巻の龍で結界に止められた戦闘機を粉砕した。

戦闘機を粉砕すると


「さてと、じゃあ

あのヘンテコな船に乗り込みましょうか」


と、中鬼が言い、役小角達は空母へと向かって言った。


空母に乗り込もうとすると炎の壁が行く手を遮り、行く手を阻んだが、役小角の能力で竜巻を起こし役小角達を包んでそれを回避し、船へと乗り込んだ。乗り込んだ先は、ゴシックアーマーで身を包んだ騎士達が待ち構えており、役小角達を襲った。ゴシックアーマーの騎士達は、クロスボウを使って役小角達を一斉に狙ったが、役小角が風を起こしてそれを防ぎ、雷を放って撃退した。


騎士達を倒すと、その先で待ち構えていた純白のドレスにテューダー・ローズイギリス王室伝統の薔薇の模様の紋様があしらわれた物にオコジョの毛皮で作られたマントを羽織った長い茶髪に黒い瞳の美少女と、黒い海賊のトンガリ帽子に黒いコートを着て胸には勲章を多くつけた海賊の様な高身長の男が、茶髪の美少女に命令されていた。


「さあ、お行きなさい

私の海賊さん」


と、高慢な口調で茶髪の美少女がそう言うと

海賊の様な口調の男は、懐から拳銃型のレーザー銃を取り出し


「あいよ

女王陛下様」


と、軽く馴れ馴れしい口調でそう言うと、役小角にレーザーを放った。


対する役小角は、それに動じず


「中鬼、頼む」


と、だけ言うと


「はいは〜い」


と、中鬼が、能力を発動し役小角達を透過させて攻撃を防いだ。

すると、海賊の様な男が、口笛を吹いて驚き、茶髪の美少女に


「さてと、ここからは危ないから隠れていてください」


と、言うと、茶髪の美少女は


「そうね

じゃあ、後は頼んだわよ」


と、強い口調で言うと続けて


「セシル、頼んだわよ」


と、言うと何処からか、真面目な印象を持たせる男の声がして


「かしこまりました

女王陛下」


と、声がした。

すると、茶髪の美少女は


「お願いね

私の精霊さん」


と、言うと姿を突如消した。


一人残った海賊の様な男は茶髪の美少女がいなくなると


「さて、じゃあそこの紳士淑女諸君

この俺、サー・ドレイクを倒せるかな?」


と、得意げに言うと船の周りを炎で覆った。

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