第37話 ウォーモンガー・ファイトクラブ

ハウニブから各々ホバーバイクに乗って戦艦へと向かった後


クンフーは、ホバーバイクに乗って戦艦の甲板に降り立ち、既に機械の兵士に攻撃されていた敵の兵士達を次々に攻撃していった。


クンフーを見つけた敵の兵士達は、クンフーに向けて短機関銃型のレーザー銃を連射するが、クンフーの武装の強度は仲間の中で最高硬度なので傷つけられる事は無く、落ち着き払って敵を一人一人確実に倒して言った。


すると、そこへ他の辺獄から来た兵士とは明らかに違う見た目の兵士達が現れたが、その兵士達四人はクンフーを見ると楽しそうに微笑んで全員でジャンケンをした。

すると、最初に一人勝ちした大日本帝国陸軍の軍服を来て、背中にアサルトライフル型のレーザー銃を背負い、腰に銃剣と刀を挿した男がクンフーの前に出て、クンフーに向かってこう言った。


「自分は元大日本帝国陸軍所属、舩坂弘軍曹であります

煉獄の能力者ですよね?

どうぞ、よろしくお願いします」


と、言って敬礼をした舩坂にクンフーは、戸惑い、


「あ、ああ、これはご丁寧に

俺はクンフーと呼ばれています

よろしく」


と、言うと舩坂は、微笑んで


「クンフーですか、カッコイイ名前ですね

強そうだ

では、早速始めましょう!」


と、言い背中のアサルトライフル型のレーザー銃を手に取り、銃剣を付けて構えた。

それにクンフーは、戸惑い


「え!?

もしかして、ただ自己紹介しただけ?」


と、尋ねると、舩坂は笑顔で


「ええ!

そうですよ!」


と、言い、クンフーに発砲した。

クンフーの武装はレーザー銃の弾が貫通する事は無いが、舩坂の余りにも正確な射撃で、膝を連射され、少し体勢を崩すと、舩坂は、凄まじい勢いでクンフーに迫り、クンフーの背中に銃剣を突き刺そうとした。


「ぐあッ!」


銃剣が、刺さる事は無かったが、あまりの威力にクンフーが、仰け反ると、舩坂はクンフーの股間をレーザー銃で撃った。クンフーは、それに怯むと舩坂が突進してきて思い切り横腹を蹴られた。


「うあッ!」


だが、クンフーもやられっぱなしでいる訳にも行かず、蹴ってきた舩坂の足を掴むと、それを引き寄せて脇で足を締めると、膝に思い切り肘打ちをして舩坂の足を折った。

そして、そのまま足払いをして舩坂を倒すと、舩坂が手に持ったアサルトライフル型のレーザー銃を手刀で切り裂いてから、馬乗りになり、舩坂の顔面を思い切り殴り続けた。

すると、舩坂は顔から血を流しながらも、微笑んで両手で地面を押して立ち上がろうとした。クンフーは、それを防ごうと舩坂の肩を殴り続けたが、舩坂は止まらずに立ち上がり、クンフーは、バランスを崩して転倒した。すると、舩坂は折れた筈の足でクンフーを踏みつけると、日本刀を抜いて煌々と赤い輝きを放たせるとクンフーの腕を斬り裂いた。


「うあッ!」


だが、クンフーの鎧に着いた鱗に刃を止められ、腕は切れずクンフーは、舩坂の足を掴んで持ち上げ、立ち上がると、舩坂を甲板の床に叩きつけた。だが、叩きつけられる間際、船坂は、凄まじい腹筋で上半身を起こし、クンフーの頭を刀で斬った。だが、クンフーの武装に刃は届かず、叩き付けられた舩坂はクンフーの武装に着いた鱗を手裏剣の様に射出され、全身ボロボロになった。

だが、舩坂はそれを物とのせずに立ち上がり、日本刀でクンフーの腹を着いた。クンフーが、それを手刀で裁くと、舩坂は高速で切り返し、クンフーの右肩から、左脇腹を一閃した。それに対しクンフーは、船坂との距離を詰めようと船坂に鉄山靠を食らわせるようとするが、船坂はそれを避けてクンフーの背中を日本刀で切りつけた。鉄山靠でかなりの隙を作ったクンフーは、船坂に背中を連続で切られ、その余りの衝撃に前のめりに倒れた。すると、船坂はクンフーの背中を踏みつけ、クンフーの項に刀を突き刺そうとした。

だが、クンフーの武装の強度で持ちこたえ、刀を弾くとクンフーは、両手で地面を押して立ち上がろうとした。だが、それに対し船坂は絶好の機会と見て、聖遺物を輝かせ刀に纏わせると、クンフーの首を切り落とした。

クンフーが、死んだと思った船坂はそのまま仲間の元へ去ろうとクンフーに背を向けた。すると、船坂と一緒にいた兵士達が笑って船坂の方を見た船坂は、不思議に思って振り返ると、


「首を落とされたって、死ぬとは限らないぜ」


と、言って首なしのクンフーが船坂の背中に発勁を繰り出し心臓を破裂させて船坂を殺した。クンフーは、船坂の聖遺物を回種すると


「次は、誰だ!」


と、叫んだ。すると、船坂の仲間達は嬉しそうに


「次は、俺だ」


と、言って眼帯をつけたイギリス軍服の男がクンフーの前に立った。


「俺の名は、エイドリアン・カートン・デ・ウィアート

俺は、船坂とは違って真面目じゃ無いぞ

さて、勝てるかな?」


と、言うと左目から突如レーザーを出してクンフーを攻撃した。


「あっぶねえ!」


と、クンフーがそれを避けると、今度は左手をクンフーに向け、手のひらから散弾を打ち出した。


「おあッ!」


クンフーが、その衝撃で仰け反り、前側についている鱗のほとんどが剥がれると、ウィアートは、クンフーに迫り、クンフーの顔面に連続でジャブを食らわせた。最後にアッパーかまして引こうとしたウィアートの足にクンフーは、足に着いた鱗を手裏剣の様に射出し、ウィアートのバランスを崩すと、そのままウィアートの腕を掴みその場で大きく跳ぶと、両足でウィアートの左腕を固定し、腕挫十字固うでひしぎじゅうじがためをして、ウィアートが立ったまま腕を折った。バキバキッ!と音を立てて折れた左腕をそのまま引きちぎると、引きちぎった左手の手のひらをウィアートの足に向け、散弾を打ち出した。すると、ウィアートはそれに喜んだ様な表情をすると、グチャグチャの足でクンフーの方を向き、クンフーの腹に思いっきり右ストレートを食らわせた。すると、クンフーは、先程までの攻撃とは桁違いの威力に困惑しながら後ろに吹き飛んだ。その時に手放したウィアートの左手をウィアートは、拾い上げると、そのまま散弾をクンフーに食らわせた。すると、クンフーの左手がもげてクンフーがのたうち回った。


「あははははっ!

どうだ!参ったか!」


と、ウィアートが上機嫌で叫ぶと、クンフーは、立ち上がり、


「舐めやがって!」


と、近くに転がっていた船坂のしたいから日本刀を奪って、ウィアートに向かって行った。


「なんだ?

武器を持てば、俺に勝てるとでも?」


そう言って、ウィアートが自慢げに両手を広げて、胸を張り


「じゃあ、切れるもんなら切ってみな!」


と叫ぶと、クンフーは、怒り全力でウィアートの体を真っ二つにする気で刀を振り上げた。すると、ウィアートの体からエネルギーシールドが張られ、ウィアートが


「これでも、斬れるかな〜?」


と、言ってきた。クンフーは、先程船坂から奪った聖遺物の事を思い出しながら、


「黙ってくたばれッ!」


と、全力で刀を振り下ろした。

すると、刀に黄金の粒子が宿り、ウィアートは真っ二つになった。それを見た辺獄の能力の一人が


「全く...

何をやっているんだ...」


と呆れた。クンフーは、日本刀を捨て、ウィアートの死体から聖遺物を剥ぎ取り、


「はあ、はあ、次は誰だ!」


と、叫んだ。

するとイギリス軍の制服を来ているが、トルコ弓と、クレイモアスコットランドで使われた剣、大振りだが素早く振れるを持った男が前に出て


「次は、この私

ジャック・チャーチルだ!」


と、名乗ると早速弓を引き、クンフーの右肩を撃った。レーザー銃の弾を弾くクンフーの武装に何故か矢が突き刺さり、クンフーが、驚くと、チャーチルは、続けて弓を連射した。クンフーは、それを手刀で捌きながら近づくと、チャーチルは、クレイモアに持ち替え、クンフーに上段から斬りかかった。すると、クンフーは、武装の硬度を生かして、その剣を右手で掴んで止めると、チャーチルの右膝の皿を割った。


「うああああッ!」


チャーチルが、それにバランスを崩すと、クンフーは、クレイモアを奪い取り、チャーチルの背中に突き刺した。


「ぐはッ!」


チャーチルが、血を吐いて倒れるとクンフーは、聖遺物を剥ぎ取り、


「はあ、はあ、はあ、

お前で最後だッ!」


と、古代ローマの剣闘士の格好をした男に叫ぶと、男はニヤッと笑って


「いや、このスパルタクスの他にもこの船には戦闘狂ウォーモンガーが、山程いるぞ!」


と、叫び、クンフーは、


「何ッ!?」


と、驚き自分のボロボロの武装を見て、心配になり、ナノマシン発生装置を再起動させ、傷を治すと奪った聖遺物を武装に収容して


「はあ、この船に来たのが俺で良かった」


と、ため息をつき


「もう、この際やけだ!

全員出てこいッ!」


と、クンフーが、叫ぶと


船内からぞろぞろと兵士達が現れて、名乗りを挙げた。


「我が名は、デンマーク王 ベーオウルフ」


「我が名は、源義経!」


「拙僧は、武蔵坊弁慶」


「儂は、呂布奉先」


「我が名は、源頼光」


「俺の名は、立花宗茂」


「俺は、本多忠勝!」


「俺は!柳生十兵衛こと

柳生三厳やぎゅうみつよしッ!」


「俺は、ビリー・ザ・キッドこと

ウィリアム・ヘンリー・アントリムッ!」


「俺は、コマンドー・ケリーこと

チャールズ・ケリー」


と、次々にクンフーに襲いかかって来た。

そして、クンフーは、全員何故か一体一を申し込んで来たので仕方なく、何度かナノマシン発生装置を再起動しながら戦い、呂布奉先から、柳生十兵衛の間で二十六回死にかけたが、倒した相手から奪った聖遺物の力で何とか倒していき、最後に


「良くぞッ!

良くぞ、ここまで生き抜いた!

さあ、最後にこのスパルタクスを倒して見せろ!」


と、言われたので何度もズタズタにされて、何故か黒い煙を上げているナノマシン発生装置を再起動させ、もはや連戦で使いこなした黄金の粒子を全力で体に纏うと、高速でスパルタクスに接近し、そしてスパルタクスの腹に発勁を食らわせた。


すると、スパルタクスの体が異様に膨らみ、弾けると、全身から黄金の粒子と血液を放出した。クンフーは、スパルタクスの残骸から聖遺物を回収すると、クリエイターに連絡した。


「はあ、はあ、はあ、疲れた

聖遺物の解析と少しの休憩を頼む」


と、クンフーが、言うとクリエイターは、


「どうした、かなり疲れてるな

ちょっと状況を見せて貰うぞ」


と、言ってクリエイターが、クンフーのナノマシン発生装置を通して辺りの状況を見ると、甲板の上に大量の様々な武器と、銃弾が散乱し、刀傷や、銃痕がそこら中にあり、尚且つ血塗れの状況を見て


「君、何人倒したらこうなるんだ?」


と、クリエイターが、尋ねるとクンフーは、疲れきって


「14人だ」


と、言いながら、回収した大量の聖遺物をバラバラと床に広げた。すると、クリエイターは、


「一度引いても良いんだぞ?」


と、優しく言うと隣にいた聖ですら


「うわ〜

何ですか?この地獄...」


と、言った。すると、クンフーは、


「良いから、早く解析してくれ」


と、疲れきって言うと、クリエイターは、


「その前に一回帰って来い

過労死するぞ」


と、言ってグラスホッパーを呼び出して、クンフーを無理矢理屋敷のクリエイターの部屋に運んだ。そして、クリエイターは大量の聖遺物を智慧ジュウホエに解析させ


「うわっ!

ビックリです」


と、言った智慧ジュウホエを急かして解析結果を出すと


「回収したのは全て聖エウスタキウスの聖遺物 ファラリスの雄牛の欠片です

これ、全部組み合わせたら雄牛の頭完成しちゃいました...

能力は、

刀の切れ味を格段に上げる能力

傷付けば傷つく程体が強化される能力

弓の貫通力が格段に増す能力

獣の様な凶暴性を身に付ける能力

相手を傷付ける程武装の性能が上がる能力

持っている武装の数が多い程武装が強化される能力

敵を倒す程力が増す能力

どんな相手にも武器が通用する能力

どんなに敵の数が多くても生き残る能力

槍の威力を格段に上げる能力

敵の動きの5秒先を読む能力

どんな相手にも銃が通用する能力

どんな武装も使いこなす能力

傷付けば傷つく程体が強化される能力(二個目)です」


それを聞くとクンフーは、全ての聖遺物を武装に収納した後、


「そう言えば、これ壊れそうだぞ」


と、ナノマシン発生装置をクリエイターに渡し、それを受け取ったクリエイターは、


「いや、これ壊れる様に作ってないんだけど...

どれだけ傷つけたらこうなるんだ...」


と、良いながらナノマシン発生装置を修復し、クンフーに渡すと


「じゃあ、俺は少し休憩するぞ」


と、言ってクンフーは、クリエイターの部屋のカーペットの上に寝転んだ。

クリエイターは、そんなクンフーを見て


「一人で勝手に強くなり過ぎだろ...」


と、呆れて聖に


「なんか、また落ち込んで来たから慰めて」


と、言って抱き着いた。


「これは...

確かに凹みますね...」


と、聖は、クリエイターの頭を優しく撫でた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る