応援コメント

ep3「遠かりし人の存在証明《サルクス》」」への応援コメント

  •  上手い!! なんという説得力か!!

     聖書的な終末世界の解像度が高い!!

     その巧みな描きかたにうならされました。

     聖書的に重要な土地である死海同様の高濃度塩湖がいたる所に出現しているのは別にイコンたちの作為ではなく、イコンによる直接的な被害は生物の塩化のみで、単にそれで世界が塩まみれになったことによる当然の帰結とは。

     作品のイメージを伝える印象的な風景を生みだすのに、それ専用のギミックを別途用意すると言いわけくさくなりますものね。最初に示された、ユウキからカレンを奪った「光を浴びて塩化」という聖書現象の一点突破でここまで繋げる、本当にお見事です。

     その塩害で作物も取れなくなる……そりゃそうですよね;

     農地の塩化は古代から現代にいたるまで人類を苦しめる身近で深刻な問題で、発端はイコンによる奇跡だろうと、それで起こっている災害は極めて現実的。だからこそこの世界がいかに死に向かっているか実感できます。

     他のセカイ系の作品で地球が変わり果てて大変という割に、人類は意外と平気そうに便利な暮らしを続けているのを見て違和感を覚えたことがあったので、この描写には特に痺れました。さすが鉄機さんです!!

    作者からの返信

    ご感想ありがとうございます!
    ここまで主人公の見える範囲でのミクロな悲劇だけを描いて来た分、このエピソードでは客観的に世界がどのような被害を受けているのか…つまりマクロ的な被害を描こうとしました。

    塩害についてはまさに仰る通りで、イコンたちの引き起こす現実離れした"奇蹟"が、現実世界でも起こっているような被害をもたらしてしまうという部分を描きたかったんですよね。それが塩害だったと

    イコンたちによって世界の八割が滅ぶようなレベルで生物の塩柱化が起こっているともなれば、発生する塩の量は必然的に莫大になる… しかも、塩はそのまま生分解されるような物質でもないので、ただでさえ労働力が激減した人類文明にとっては、かなり深刻かつ収拾が困難な被害をもたらしているんですよね。
    もしかしたら直接的にイコンによって死亡した人間よりも、間接的な農業被害によって死亡した人間の方がずっと多いのかも…(それでも人類が生き延びているのは、人間もまたイコンと同様に、キリスト教に記された奇蹟の数々を人工的に発生せしめているからなのですが)

    このエピソードでの描写は結構地味かなと思っていたのですが、その割に極めて重要な世界観の描写パートでもあったのでここに気付いてもらえて嬉しかったです!

  • 一年くらい前に書かれていたのに、「世界中でパンデミックになった突然変異ウィルス」ちょっとゾッとしました。

    作者からの返信

    ご感想ありがとうございます!

    これを書いた当時はまさか2020年がこんな事になろうとは想像もしていませんでしたが… 奇しくも感染症のパンデミックというイベントが重なってしまいましたね。あとは今年のクリスマスの東京で何かが起こらなければよいのですが…

  • お塩でいっぱいの大地……
    塩辛いのか

    作者からの返信

    感想ありがとうございます!
    冷静に考えて数十億人分+無数の生物が塩化したら、そりゃあこうなるよね…という感じで滅んでしまった世界の描写でした。莫大な量の塩は雨に溶かされて川へと流れだし、土壌に染み込み、副次的に世界の農業へ壊滅的な打撃を与えてしまったんですよね。
    塩辛いし世知辛い世界です