173_死にたがりの心の奥底

死にたい死にたいと思っても

生きたいと願う僕が必ずいる

だから心の奥底に入れてくれ

きっと僕は生きてみせる


途中で見かける不気味な看板

途中で聞こえる嘆きの音楽

途中で臭ってくる黒いゴミ袋

これ全部僕が作り出したもの

取り外し方も止め方も片付ける場所も

何も分からないまま進んでいく


ようやく見つけた最後の部屋

たくさんの僕が死にたがってる

たくさんの僕が苦しんでいる

かき分けてかき分けて

何もしてないまともな僕がいた


ここから一緒に逃げようと

手を引いて連れ出そうとしたら

たくさんの僕が見つめてる

また僕がやってきたと

また僕が生まれるんだと

わけが分からない


握った手の先には死にたがりの僕

そして僕も死にたがりの僕になる


遠くのほうでまともな僕が

また生まれた

その繰り返し






死にたい死にたいと思っても

生きたいと願う僕が必ずいる

だから心の奥底に入れてくれ

きっと僕は生きてみせる

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