第3話 娼館からの召喚者

真夜中の4:00になると異世界の扉が開き、異世界人がやってくる。


一番乗りは先日の性人エロフだ。


「おお虎よ、今日もOPPAIをくれ!」


と言って親指を人差し指と中指の間に入れて握りこんだ拳を高々と頭上にあげた。


「おお!ガイジンジイサン!OPPA-I」

虎も同じようにした拳をあげる。


「さぁ、おまえも失礼のないようにあいさつしなさい」


ちがうからね、それあいさつじゃないからね?


「O?OPPAI?」


部下の若いエルフも深々と頭をさげながらハンドサインを形作った。


なんか謝りながらケンカ売ってるみたいでシュールなんですけど。

っていうか彼けっこうイケメンじゃない?


「おお!ニーチャン新入りか!?わりーけど今ケツが取り込み中だからよ!もうちょっと待っててくれよな!」


出来損ないの歩行ロボットような足取りでトイレに小走りする虎


もらせばいいのにwww


トイレの中から不穏な声が聞こえてくる。


「だめだ、君が美しすぎるからもう我慢できないよ」

「はぁはぁ、ダメよこんなところで、ベッドに戻ってからにしましょう?」


「(おいおいおい、先客かよ!?ってかどこから入ったんだよ?)」


「ほら、もうこんなになってるからすんなり入っちゃたよ。」

「あぁん、すごいわ、あなたのって太くて硬いのね、最高よ。」


「(あれか?俺が留置所のトイレから抜け出した逆をやったんか!

クソっ鍵かけんの忘れてたぜ)」


「あんダメ、声でちゃうぅ、誰かに聞かれたら恥ずかしい、、」

「大丈夫だよここには僕らしかいないさ」


「(クソが!いるっつーの!便所でファックするのはかまわねぇが早くイケっつーの!!)」


ちょっと、かまうでしょフツー、コンビニのトイレでそんなことしちゃダメでしょ!


「あぁあぁあイク!!イっちゃうぅー!!」

「はぁはぁ、僕もだよ、白いのがいっぱい出ちゃうよ!」

「出してぇぇぇー!!」


ドンドンドンドン!!


「あ”あ”あ”あ”!!出る!!俺のケツからも。茶色くて太くて硬いのが出ちゃう!!

てめぇら早くコトすまさねぇとドアごとぶっ壊すぞ!!」


ドッゴーーン!!


いやすでにぶっ壊してるし・・・


虎は裸の男女2名を引きずり出し、トイレに駆け込む。


ちょうどトイレの前が成人雑誌コーナーだったので、老人と若いエルフが盛り上がっているところに鉢合わせになった。


「うーむ、弟子よ、このVRAVゴーグルというの、こんな感じでいいかのぉ?」


「ええ師匠、異世界の文献によればそのように装着するものかと、ただ、このスマホというアイテムを挿入すると記載がありますが、これはいったいどういう意味でしょうか?」


「ふむふむ、真っ暗で前がみえんからのぉ、やはりスマホというのがないとダメかの?」


老エルフがあれこれゴーグルをいじっているとスマホを入れる蓋の部分がパカっと開いた。


「おぉ!みえる!こっこれが没入感というやつか!

すばらしい!!裸の男女が!まさに実際に目の前にいるようにみえるぞ!」


「こっこれはたまらん!完ぺきな質感!まさか触れるのではあるまいな、いやまさか・・・」


むにゅ!もみもみ


「ふおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


チーーン!


「師匠おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


老エルフは無事に人族の女性に股間に膝蹴りをかまされ気を失った。


「ふいぃーー!あぶねぇあぶねぇ、元気な男の子無事出産だぜ!」


床に大の字で泡を吹いてる老エルフと泣きすがるイケメンエルフ、それを見て呆然と立ち尽くす全裸の男女、ホントなんなのここ?別の意味で異世界なんですけど!


「なにやってんだ?おまえら?」


「つーかとりあえず服着ろよ、変態に見えるぞ!」


あんたには言われたくないと思うわね


「あ、あの、服着ろといいましても、娼館で盛り上がって我慢できずにトイレで始めてしまったら、こんなんことに・・・

なので、着る服がありません、ここはいったいどこなのでしょう?」


あ、老エルフが生まれたての小鹿のように震えながら立ちあがった。


「はぁはぁ、しょ、召喚魔法の気配を感じますぞ、そもそもこの空間、天使に匹敵するほどの魔力が満ちておるのです、何かのきっかけで魔獣を呼び出してしまうこともあるでしょう、そう魔獣をね・・・はぁはぁ」


うん、私天使よりも上位の女神だからね、てへっww

ってなんで勝手に召喚魔法が発動してんのよ?


「わぁった、わぁった、服はこっちで用意してやっから、とりあえずパンツ買え!

カネは向こうの箱に入れといてくれよな。」


と言って虎はレジを指さし、商品棚から男女それぞれの下着を渡し、バックヤードに消えていった。



「す、すごいわこの絹のようななめらかな手触り、でもこんなに安いのに・・・絹なわけないわよね?」

「あぁ、僕も絹なんて高級品さわったことがないけれど、この布、縫製技術、ただ物でないことはわかるよ」


老エルフの目がカッと身開かれる。


「なんと!シルクをさわりたいと!ありますぞここに、ささ遠慮なさらずに!」


老エルフがローブの裾を盛大にはだけると、純白に輝くシルク製のパンツが

ふんどしのような形でその干からびた粗品を包んでいた。

男女の顔が引き攣る。


さわるわけあるかーい!!


「お?似合ってんじゃねーか、オネーチャン、ブラがスポブラしかねーのは勘弁な!」


「ってかガイジンジイサンなにパンツ見せびらかしてんだよ?

をぉ、なんだこのパンツ超光ってんじゃん、ツルツルじゃん!」


虎はしゃがみこんで老エルフのこかんをさわさわ、すりすりする。


「ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


だ、だめだこのエルフ・・・


「ほれ、2人ともとりあえずコレ着とけよ」


そういってコンビニの制服を渡す


「それからニーチャン!こいつも買ってけ!」


箱に0.01と大きく記載された、近藤夢を手渡す。


「漢のマナーだ!!わかるだろ!? ケジメだ!!」


ガッシリと握手を交わし、熱いまなざしでみつめあう


と、唐突に入口のガラス扉が開いて腰が90度に曲がったおばあちゃんが杖をつきながら入ってきた。


「あらあら、寝らんなくてコンビニさいってみっか思って来たら、店員さん3人にもなったべか?こんな時間に3人もって、繁盛してんだべな、えがったえがった。」


第3話 終




全裸男女の持ち帰ったコンドームは0.01と呼ばれるようになり、異世界から性病や、孤児を劇的に減らし、彼らは国の大貴族となる。

城のフォーマルな舞踏会に出席する際には、コンビニの制服姿で現れ、そのエキゾチックで見事な色づかいと、斬新なデザインで周囲から羨望のまなざしで見られている。



第3話 完

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