回収依頼2

 銀髪の男が所属をする連合ユニオンと呼ばれる組織の末端部にはネストと言う施設が存在をしている。依頼主の依頼内容を狩人と呼ばれる人物に伝えるための受付のような施設である。そこで狩人は連合ユニオンから提示をされた依頼を受諾するかの選択を行う。


 特定の狩人を指名する制度もあるが、多くの場合は連合ユニオン側がある程度依頼達成が可能であると判断をした狩人達に依頼は公開されることになる。その判断基準や、依頼受諾、不受託の伝達をどのような手段を持って行っているのかは不明だったが、多くの狩人にとって然程興味のある事柄では無い様だった。


 その巣の中で銀髪の男はもう一つの椅子には座らず階段の手前に立ったまま、椅子に座るフードの男に一度だけ小さく頷いた。


「依頼主は商会、目的は斥侯スカウトギルド所属の順列20位が所有していた遺失物アーティファクトの回収です。迷宮10層で接敵、こちらの戦力により目標率いるパーティーは壊滅しましたが別戦力が強襲しこちらの戦力は潰走。目標の奪取に失敗しました。そこであなたに現在目標を持っていると思われる戦力の撃破及びに目標の回収を依頼します」

「敵戦力は」

「敵戦力は剣士3名、斥侯1名、薬師1名の5人パーティでしたが内剣士1名と斥侯は戦闘により死亡したと報告を受けています」

「期間は」

「現在は中層で休息中と思われます。迷宮から脱出をする迄にはあと2、3日と言う計算でしょうか」

「ではこれから向かう」

「依頼の受諾を確認しました。目標物は『炎』の遺失物アーティファクトです。お気を付け下さい。なお、迷宮までの移動は連合ユニオンが負担します。達成報酬は何時も通りに連合ユニオンの口座にお振込みします」

「任せた」

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