第11話焦り

薬を飲みはじめて半年程度経つと、

大分症状も落ち着き、意欲も戻ってきた。

(食欲に関しては、いついかなる時も万全なのだが…)


すると、焦りが生まれてきた。


「早く社会復帰しなければ」


とあるエージェントに登録した時、転職において、ブランクはマイナス要素の一つだと言われた。

(今、実際に転職活動をしている中でも、必ずブランク期間の過ごし方について聞かれる)


貯金もいつまでもあるわけではない。

その為、できる限り早く仕事を探さなくてはと思った。


しかし、転職サイト等を見て、社会復帰しなくてはと考えた途端に不安が襲ってきた。


自分はきちんと仕事ができるのだろうか。


お金は稼がないといけない、フルタイムで働かないと。


でも、体力が持つか。


症状が元に戻ったらどうしよう。


そんな考えがグルグルと頭を巡ると同時に、また眠りが浅くなり、無気力になり、横にならないといけない日が続いた。


そして、薬が増えた。


前章でも書いたが、考えと身体が一致しないのである。


頭ではやる気になっていて、昔のようにバリバリと働いている自分がいる。


しかし、身体はまだ社会復帰は早いよと言っているようだった。


自分は何で生きているんだろう。


今後の人生真っ暗だ。


先のことを考えると不安で不安で泣いた。

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