第2話 神様からの伝言者

「さあ、早く。夜明けまでに、月に帰らないと行けないからね」

「じゃあ、あべかわ餅で・・・」

「OK」

「後、お雑煮」

「了解」


バニーガールの女の子は、てきぱきと料理を初めて、

あっと言う間に出来あがった。


「さあ、召し上がれ」

「いただきます」

恐る恐る口に含む・・・


ん・・・

美味・・・

美味しい。


「どう、美味しいでしょう?」

「うん、とっても」

「誰だっけ?不味いと思ってたの・・・」

上手くごまかそうとしたが・・・


「いいんだよ。それで、当然だからね」

バニーの女の子は言う。


「で、要件はなんだ?」

俺はバニーの子に尋ねた。

「何?」

「餅を食わせるだけが、目的ではないだろ」

バニーは、観念したようすで、答えた。


「やはり、わかるか・・・」

「ああ」

よくない答えが帰ってくるだろう。


「実は、神様から君への伝言」

「手短に頼む」

「それ、無理。昔話から入るから・・・」

「昔話?」

嫌な予感がする・・・

でも、まあいい。


「月のウサギの伝説は知ってる?」

「ああ、クマとキツネとウサギ、そして、老人に扮した神様が出てくる話だな」

「それなら、話が早いわ」

バニーの子は、月を見上げて答えた。


「何も出来ないウサギは、自ら火の中に飛び込み、その肉を老人に与えた。

知ってるね?」

「ああ」

「でも、その老人は神様で、ウサギを月へと連れて行った」

「それも、知ってる」

何かの漫画で読んだ。

漫画も時には、役に立つなと感心したが、感動まではしなかった。

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