第13話 小白

 誰かが怒鳴ってる。

「―――、やめるんだっ!」

 そしてお父さんが死んだ。

「やめて・・・・・・。―――、どうしてこんなことをするのっ!?」

 そしてお母さんが死んだ。

「やめろ・・・・・・。やめてくれ・・・・・・」

 そしてお兄ちゃんが死んだ。

 辺り一面血だらけだった。

 わたしの手も血で汚れていた。

 そして気を失って、倒れたわたしを誰かが優しく抱き上げてくれた・・・・・・・・・・・・。


 小白はハッとして目を覚ました。

「夢……………」

 カーテンの隙間を見ると窓の外は明るく、もう朝になっている。

 全身に汗をかいていた小白の髪はボリュームを失っていた。

 小白は目をぎゅっと瞑って呟いた。

「お父さん、お母さん、お兄ちゃん・・・・・・・・・・・・・・・」

 怖くて震えていた小白だが、社の顔を思い出すと少しずつ落ち着いていく。

「先輩………………」

 小白は心の中で大好きと付け加え、恥ずかしくなって体を起こした。

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