第99話 コスプレ集団

「フラフィー、今日だけは素面の状態で可愛いって言えるよ。ほんと可愛いわごめんな今までまじで」


「な、なんですか急に?」


 理性が崩壊してしまったのでフラフィーを撫でて心を落ち着かせることにした。イリスを着せ替えして満足したミカは今度はクロエを連れ去った。


 当然イリスの衣装は買い取らせてもらったしクロエの衣装は俺の状態を加味してきちんと可愛い魔法少女で頼むと念を押しておいた。


 ここで俺の性癖に刺さりすぎる衣装を着せられて登場されたら俺は本当に死ぬ。生きていられる自信はないし今の状態でももはや死にそう。ポンポン持ったツンデレロリのチアガールとか連れてきたら殺してやる。


「キミヒト、こっちも見る」


 服をくいくいと引っ張ってくるがイリスのほうを直視することは出来ない。スク水のロリが近くにいると言うのは平常心どころか様々なものを俺から奪って行くからだ。


「キミヒトさん、あの」


 めちゃくちゃに撫で繰り回してたらフラフィーは顔を真っ赤にして手で顔を隠してしまった。褒められ慣れてないから仕方ないとはいえそういった清純派の行動とるんじゃあないよ。服装と相まってたまらんわ。


 そんなフラフィーをみてイリスは俺に抱き着いてくるという暴挙をかましてくる。


「キミヒト、巨乳ばっかり。性癖変わった……?」


 ちょっと不安げな声で見上げてくるロリが非常に愛おしい。いや性欲をめちゃくちゃ刺激してくるしスク水とセーラーの肌触りもめちゃくちゃにたまらないのでまじでやめてほしい。いやもっとやってほしいけど理性がもたん。


「あぅ」


 仕方ないので直視しないためにイリスを力任せに抱きしめる。優しく抱くにはちょっと理性が吹っ飛びすぎてるから本当無理。膝に乗っけてたらもはやイってしまうだろう。


 イリスは驚いたようだが小さい体を一生懸命俺に寄せてくる。俺は色々と元気になりすぎてもうどうしよう。っていうかここ本当に仕立て屋なのかな。


「おおっとお取込み中だったかなロリコン戦士よ。だが私は自重などしない」


「キミヒト、これでいいの?」


「すげえよミカは」


 良かった、本当に良かった。至ってノーマルの魔法少女服だ。これだよこういうのを服屋に買いに来てたんだよ!


 クロエの服装はガチの魔法少女、ピンクと白を基調にしているため聖銀のステッキと相まって非常に可愛らしい。性欲があまり刺激されないタイプの完璧なやつだ。


 ノースリーブでありながらも体を覆うピンクの衣装、しかし首元から胸元までは白色を使用しうっすらと成長している胸を強調するハーモニーを奏でている。


 決してエロではない、しかしその清楚ないでたちはこれから行われる戦闘によって剥ぎ取られるのではと暗い欲望も感じさせる謎のマッチング感。


 ピンクの衣装の真ん中部分、胸の真下あたりには青いリボンのアクセントを置くことによって元気な魔法少女をイメージ。そこをほどけば下がどうなっているのかと想像力を掻き立ててくる。


 そして白の部分、首の下部分にはステッキの宝石と同じ赤色のペンダント。ピンクの服と赤い宝石、そして青色というバランスのとれた色合いは非常に魔法少女していると言える。


 首にはピンクのチョーカー、ステッキの先端部分と合わせたのかハート形のワンポイントも施されている完璧ぶりにミカは絶対にロリコンだと確信を持てる。


 両方の腕にも同様のものが装備されているがこちらは白色を基調にピンクのハートがくっついていて女の子らしさを爆発させている。たまらない。


「キミヒト……何か言ってほしいんだけど……」


「ポージング頼む」


「嫌だけど!?」


 上半身はピンクを基調にしているといったか裾の部分は白のふりふりがくっついているため決してくどくならない調整が施されている。


 そしてスカートはピンクよりも濃い赤に近いピンク色。当然のようにミニスカートでジャンプをしたら間違いなくパンチラしてしまうがだからこそ少女らしく仕上げられている。当然パンツは白か青と白のしましまだろう。


 こちらのスカートにもやはり白のふりふりがくっついているため決していやらしくならないと言う不思議仕様になってはいるが元気なエロさを感じさせるのは間違いない。


 さらにやはりミカの趣味だったと思わせられるのがニーソ。今度はミニスカートからちょっと下になっていて、フラフィーの絶対領域よりも広い範囲、イリスのふとももむちむちよりも狭い範囲を絶妙に表現している。


 不思議な力が働いているのかリボンでばっちり抑えているのかはわからないが、太もも部分にあるニーソは花のように外側に広がっている。


 リボンはしっかりとニーソにくっついているが決してきつく縛っているようには見えない。そのため非常に可愛らしいものとして出来上がっている。


 そして次に手袋だ。ニーソと同じように手首の部分は花のように広がり同じリボンがついている。なんだよこの店魔法少女に造形詳しすぎだろ最高か?


 ピンクのローファーみたいなのが鉄板だが、ここは贅沢にピンクの短めのブーツを合わせることによって機動力もありそうな雰囲気を醸し出している。


 まさに魔法少女。


 俺を退治するために現れた天使の御使い。


 それがクロエだ。


 ついに俺はその場に倒れ呼吸困難に陥ることになった。


「ちょっとキミヒト!?」


「起きて、キミヒト」


「キミヒトさん!? おかしくなりすぎですよ!」


 少女たちの声を遠く聞きながら、俺はみんなに微笑みこのどうしようもないほどの幸せ空間を堪能させてもらう。


「あちゃー、こじらせすぎてるなロリコン戦士。わからなくもないけど」


 ミカの声が聴こえてくるので俺はクロエの衣装代も払うために体を何とか起こす。


「買わせてくれ……」


「まいどー」


 こうして俺のパーティは対童貞兵器フラフィー、偏向性癖痴女イリス、清純派魔法少女クロエと恐ろしいものになってしまった。


 こんな女の子たちに囲まれてたら俺はまともに動くことも戦うことも出来ない。


 なんて素晴らしいコスプレ集団なんだ。今日の事は一生忘れない。


 俺はもう一度みんなの事を見まわし一人ずつ頭を撫でてしっかりと堪能させてもらう。そして気づいたら幸せのあまり意識を手放し宿屋に運ばれていた。

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