第6話 ロリだ。

「さて、やけに静かだが一体どうなっている?」


 お頭を倒したことでアジトの中で何か変化があったり、残りの子分が登場してきて乱闘騒ぎも覚悟していたけど何も起こる気配がない。


 それどころか子分達は最初に見たときとほとんど変わらない状態で動いていない。


「というか見張りがいないというのもおかしいんじゃないだろうか」


 普通人質をとったりしたら逃げられないように見張りの一人くらいは置いておくと思う。


 それに言い方は悪いがさらってきたのは女だし誰も近くにいないのは明らかにおかしい。


「実はお頭が雑魚扱いでこっちにいるのが本命だったりしてな。あんたら何か知ってるか?」


「「……」」


「だんまりか。というかもしかして話せないのか」


 洗脳の強度によっては話すことすら困難になることもあるという。しかしその場合は言うことを聞かせる云々じゃなく廃人のようになるらしいからこいつらは違うと思う。


 正直あんなおっさんとこれからしたであろう事を考えると早く手放したい気持ちしかない。ケバくて好みでもないしギルドにとっとといかなくては。


「さて、人質はどんな子でしょうか」


 俺の透視では顔の形をハッキリとは確認することが出来ない。人の体から出ている魔力がその辺りを妨害して見えなくしているらしい。


 鍛えれば見えるようになるし、盗賊の子分たちもそれなりに見えた。わかるのは性別と周りの状態だけだから服だけ無事で中に大怪我とかだとわからないこともある。


 とりとめのないことを考えながら扉を開けると檻の中に入った女の子達がいた。


 しかもめちゃくちゃ可愛い。


 ロリだ。


 現実か? 妄想か?


 いやこれは現実だ。


 二人とも銀髪で顔は良く似ている。捕虜として捕まったにしては顔色も良く、服装はロリータファッションでとても似合っている。


 赤と黒のドレスのようなもので、しかし機能美もあり動きやすそうに見えるという不思議装備だ。


 ああやばい、やっぱ夢だろこれ。こんな美少女がいていいわけないだろ現実舐めんなマジで。


 いやまて、ここは異世界だから現実ではない? つまり夢の中? ドリーム? 自制心とか理性とかいる? 夢の中で?


 要らないんじゃあないかな。


 そうだな、ここは現実じゃないんだ。好きにすると決めたじゃないか、ドストライクでツーアウトなら俺がホームランして逆転してもいいだろう?


 死んで良かった。


 いや死ぬのは良くないわ、転生して良かった。これが正しい。


 俺が軽くトリップしているとロリータが口を開いた。


「あんた誰よ」


 ああ声も可愛いとか反則だろ俺はどうしたら良いんだよ。


「決して怪しいものじゃない」


 俺の返答に何か思うことがあったのか顎に手を当てて少し考える素振りを見せるロリータ。


 幼女キャラでいつもテンション高いのにヤバイときになると知的なキャラに変身するの好き。


「そう……。盗賊の仲間には見えないし、後ろの二人は確かここの頭目にくっついていたわね。信じるわ、あんた名前は?」


 どうやらわからないが疑いが晴れたようだ。なんだ、俺の雰囲気はロリータを落ち着かせる効果でもあるのか。新発見だな。


「俺の名前はキミヒト。君たちを助けに……っ!?」


 名前を名乗った直後に突然体の自由が利かなくなった。なんだ、これ。


「ふふ、どうやら本当の名前らしいわね。名前を聞いたならあなたはもう私に逆らえないわ、御愁傷様。で、本当の目的は何なの?」


 どうやらこのロリータが何かしたらしい。俺の自由は奪われ勝手に言葉を話そうとするが俺は耐える。


「こいつ、私の力に抵抗してるわね」


「お姉ちゃん、私もやろうか?」


 どうやら姉妹らしい。似てるもんな、わかるよ。


 そして姉妹から何かしらの魔法を食らうとか何かのご褒美だろうか? いかん、興奮してきたヤバい。


「こ、こいつ! 解けちゃう! やって!」


「わかった」


 ドクン、と体の中で何かが脈打ち抵抗しようという気持ちがさらに薄れていく。


 違う。これは違うだろ。


 抵抗する気なんて最初からない。


 だってご褒美だから。


 ああ可愛いなこの二人は。


 俺はここに何をしに来たんだっけ。


「はぁはぁ……助かったわ。まさか私の能力を弾くなんて。でも二人がかりならやっぱり最強ね!」


「うん。お姉ちゃんは最強」


 二人の鈴を転がすような、それでいてとても甘ったるいクリームのような、脳が溶けてしまいそうな声をずっと聞いていたい。


「でもお姉ちゃん、何か様子が変じゃない?」


「確かに……洗脳にかかってるけど意識は残っているように見える?」


「色々聞いてみよ?」


「そうね、こいつはもう私たちの所有物なんだから」


 ああ、ロリータの所有物とかロリコンの夢の一つじゃないか。叶えたい夢の一つが、願いが叶ってしまったぞ。


 天使か何かの化身かよこの子達は。


 聞いてみるか。


「それで、君たちの名前は?」


「はっ!? なんで喋れるのよ! 魅了がかかってるのに!?」


 そんなこと言われても喋れるものは喋れるんだからしょうがない。


 ロリータとの初会話まじロリータ。


 焦ってるロリータってなんでこんなに可愛いんだろうか。


 

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