第2話 俺のスキルは
盗賊狩りに来たけどその前に召喚された経緯とか少し話そうかと思う。ただだらだら過ごしてただけなのにちゃんと戦えるのかとかその辺ね。
召喚されたのはよくある流れだったけど、俺の場合は電車の脱線事故かなんかだった。
電車に乗った所までは記憶があるんだけど寝て起きたら謎の空間にいたからね。
事故だと思ったのは周りの人たちがそんなこと言ってたからなのと、女神が出てきてあなた達は不幸にも死にましたとか言ってたから。
脱線したかテロのどちらかかと思うけど平和な日本でテロはあんまり無さそうだと思った。
死んだ時の記憶、ましてや事故で痛い思いした記憶とかなくてラッキー程度に思ってたけど周りの大人達はそらキレてたよ。
やれもとの世界に返せだとか、仕事がとかそんな感じで。
いやあんたら死んだところを助けてもらってそれかよと思ったけど、ラノベ読んだりしてない人達はそういうものかなとも思ったから気にしないことにした。
女神も結構困ったようにしてて、転生するには未練を切るか記憶を消すかしないと危ない事をする人が多いから説得に来たとのことらしい。
どうやら転生に関して色々問題が起こったらしくて、死んだ直後の人達に選択肢を聞きに来たらしい。
事故とか無念を残して死んだ魂をそのまま転生すると悪人や魔物になる可能性が非常に高いという結果が出たらしい。
だからわざわざ死んだ人達のところに来てるらしく、世界単位を回すのだから大変そうだった。
でもこんな展開望んでた人達もそれなりにいて、異世界転生にすぐ旅だった人達もいた。
納得してない人達は仕方無いと記憶を消されてどこか別の異世界に振り分けられる事になったみたいだった。
俺と同じように傍観してた人達は、まとめて同じ異世界に召喚される形になるらしい。
召喚と言っても死んでるから転生で間違いないけど。
そんなこんなで先に転生した人達とはまた別の所にまとめて召喚されることになったんだけど、お決まりのスキル配布もちゃんとあった。
俺のスキルは『不屈』と『トオシ』の二つだった。
カタカナなのはよくわからないけど、取りあえずはよくある鑑定とかそんな感じで物のステータスが見られる透視みたいなものだった。
本気出せば壁は透視出来るみたいだけど服は難しかった。着ている人の精神力が妨害しているとかだけど、露出趣味の人とかは透けて見ることも出来た。
基本的には鑑定として使うのが無難だろうか。
そして召喚されたところでは勇者召喚というか勇者ガチャというか、とにかく一気に召喚したらしく、俺達以外にも何人かいた。
全部合わせて二十人位はいたと思う。召喚直後に奴隷魔術みたいなのかけられたけど俺と一緒に来た人達には俺も含めかからなかった。
何人かかかった人達はどこかに連れ去られて行ったから、この国には普通に魔法やら奴隷制度があることがよくわかった。
あとたぶん奴隷魔術食らった人達は転生じゃなくて普通にその辺から召喚された人達みたいだった。
後で聞いた話によると、かなり低位の奴隷魔術らしく、魔法やスキルに適正があると弾ける程度のものらしい。
奴隷にされた人達可哀想という話が上がったけど、そのまま王家の使用人になるか、家に返されるらしい。
つまりはハズレの人達は普通に自由になったみたい。
めちゃくちゃいい国だなここはと思ったけど、それだけ勇者や強い人達が求められているとのことだった。
お金はあるけどそれだけで魔王が倒せるなら苦労しないと。召喚の場合は強い能力持ちが多いからそれに期待するしかもう手はないとのことだった。
そして俺達は勇者として鍛えられることになったんだけど、ステータスの延びが悪い人達は数ヶ月は遊んで暮らせるようなお金を渡されて申し訳なさそうに追い出された。
勇者を鍛えるには物語のように簡単ではないようで、騎士団との連携やダンジョン攻略も必須。それに戦い慣れしてるとは言い難い人達ばかりだったから数人しか守れないと言われた。
また死ぬよりはましかと思って追い出された人達と行動してたけど、数週間もすれば仲の良いグループが出来上がって旅に出ていった。
俺も誘われはしたけど、命を預けられるほど彼らを信用出来なかったから辞退した。
そして冒頭に繋がって何をしようかと考えて街中を散歩したりしてずっと宿屋にこもってた。
そんな感じだったから街中は結構把握してるし、顔見知りもそれなりに出来た。
孤児院助けようと思ったのも院長先生と知り合ってよくしてもらったからというのもある。
ここの院長先生はおじさんだけど心が暖かくなるようないい人だった。
そして盗賊被害の話が増えてきたと聞いたからやられる前にやりに来た。
盗賊が出るという森に行くと、早速襲われた。
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