メイド(姿の子)の、いる生活
勝利だギューちゃん
第1話
「みーつけた」
「あーっ、みつかっちゃった」
「今度は、君が鬼ね」
「よし、負けないぞ」
・・・って、かくれんぼじゃない。
なんなんです、いきなり・・・
「だって、たいくつなんだもん」
「退屈じゃないでしょ?やる事たくさんあるでしょ」
この子の名前は、花蓮。
うちでメイドをしている。
断っておくが、うちはセレブではない。
ごく普通の家庭だ。
でも、なぜメイドがいるか・・・?
単なる親父の趣味である。
知りあいの方が亡くなり、人のいい親父は、その子を引き取った。
身寄りがないためだが、生前にその約束をしていたようだ。
ただ、養女とかは拒まれたので、メイドになった。
家政婦にしようとしたが、
「やだ、メイドがいい。私、おばさんじゃないもん」
そうか、メイドと家政婦の違いは、年齢だったのか・・
初めて知った。
(全国の皆さん、真に受けないように・・・どっちも、大変です)
しかし、この花蓮ちゃん、家に来たのはいいが、
遊んでばかりで、全く働かない。
親父曰く、「メイドの格好で、いてくれてるだけでいい」とのこと・・・
ここは、メイド喫茶じゃないんだ。
でも、女の子らしい、優しさは持っている。
いつも明るく振る舞っていて、困った時は、手を差し伸べてくれる。
言葉でなく、態度でしめしてくれる。
それが、なかなか出来ない。
その優しさが、繋ぎ置けている理由だ。
家に帰る。
花蓮ちゃんは、いない。
親父は学校の面倒も見ている。
まあ、俺は一人っ子だし、母さんもいないので、いいのだが・・・
でも、しぶしぶながらも、家の手伝いをしてくれる。
あくまで手伝い。
殆ど、俺がしている。
それでも、結構楽しんでいる自分がいる。
そんな自分が、好きである。
メイド(姿の子)の、いる生活 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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