この作品はタイトルからは想像できないほど明るいお話です。なのでタイトルを見て敬遠している人はぜひ読んでほしい。またラジオドラマ用脚本ということもあってかなり読みやすいので、読書が苦手な方でも問題ないと思います。
以下感想および気になった点
全体的に話はスッキリとまとまっているため、非常に読みやすいし読後感もいい。会話も現代的であり、テンポ感を想像しやすいためスルスル読み進めることが出来た。「葬式」という重たい舞台からこういう形で物語を運べるのはひとえに作者のセンスかなと思います。
気になった点としては、全体的に物語が薄い気がします。ファンタジー要素に物語の進捗を委ねているためか、登場人物の感情にあまり焦点を当てきれていない印象を受けました。字数とジャンルの都合上仕方がない気もしますが、内容が内容なだけにもう少し色々と触れてみてもよかったのではと思います。アナウンサーの語りだけで済ませてしまうのも、もったいない気がしました。
偉そうに長々と書きましたが、本当に面白かったです。アイデアの秀逸性が光る、とても良い作品だったと思います。