第55話 救世軍






『ミ、ミスターサトウ……貴方の言っていることは到底信じられません。主が我らを見捨てたもうたなどとは…… 現に人類が起こした核戦争という大きな過ちにより崩壊した世界に、この方舟を与えてくださりました。この事こそ主が我らを見捨てていない証ではないでしょうか? 』


《 そ、そうだ! 神は我らを見捨ててなどいない! この方舟という安住の地を与えてくださった! 》


《 核の汚染と気候変動による小氷河期と、この方舟があったこそ人類は乗り越えられた 》


「ククククク……この方舟が創造神が与えた救い? お前らどんだけ頭がお花畑なんだ? ……なら教えてやる。俺がいたこの世界の並行世界も核戦争が起こる寸前だったそうだ。そこで突如世界中に現れたのがダンジョンだ。これはまあ方舟のフィールドみたいなものだ。このダンジョンがある日突然地上の都市に何百と現れ、そしてそこから魔物が溢れ出し世界中の国で暴れまわった」


『方舟のフィールドが地上に!? 』


《 それも都市にだと!? 》


《 魔物が地上に溢れ出たと言うのか!? 》


《 並行世界などと到底信じられん……が、同時にそんな世界から来たというのであればあの強さも納得がいく 》


《 そ、そんな……民間人がいる地上に魔物が現れれば国は滅ぶ…… 》



「そうだ。ダンジョンの氾濫により多くの国が滅んだ。俺たちはそんな魔物の溢れる世界から来た。だが、そんな魔物と隣り合わせの世界でもこの世界の四倍は人間が生き残っている。多くの国が滅びはしたが、創造神は俺たちの世界から地上の生物や作物を奪うことまではしなかったからだ。それがこの世界はどうだ? 方舟が現れてからは地上で草木は存在せず大地に作物は育たず、家畜も飼うことができない。核による汚染から救ってくれた? 俺は専門的なことはわからんが、昔核戦争が起こった際の地球に与える影響という記事を見たことがある。そこには最大に見積もっても人口が半減すると書いてあったぞ? それも20年で地球の気温は元に戻り始め人口の減少は収まるともな。それで? お前らの言うその救いとやらの方舟が現れてこの世界の人々は本当に救われたのか? 人口が8分の1になっても救われたと言えるのか? 」


氾濫で魔物に殺されるか餓死して死ぬか。戦って生き延びるチャンスがあるだけ魔物の方がマシかもしれないな。餓死はどうにもならない。一番残酷な死に方だよ。


『 ………… 』



「これはこの世界に来る前にアマテラス様から聞いて俺も初めて知ったことだが、ダンジョンも方舟も創造神による試練という名の罰だそうだ。いつまで経っても人類同士でいがみ合い殺し合いを続け、果ては核まで作りだし、創造神が創ったこの世界を破壊しようとする愚かな人類に神が与えた罰なんだよ」


『方舟は試練ではなく罰…… 』


《 そ、そんな……神が我らに罰など…… 》


《 否定したいが……神の救いというには人が死にすぎた 》


《 そ、そんなこと信じられるものか! 》


《 方舟の存在は愚かな我々人類に下した罰だというのか? 》


《 わかってはいた……地上の資源を全て召し上げられた時からそうではないかとは考えていたが 》


《 おお、神よ……愚かな人類をお赦しください 》


「それでも方舟の難易度は俺たちのいた世界にあるダンジョンに比べればたいしたことはない。人類が協力し合うことができれば、もっと早くに今より多くのフィールドを攻略可能だったはずだし、ここまで人口が減ることも無かっただろう。お前らは神が言っていたことを忘れたのか?力と勇気を示せと言っていたんだろ? 力は魔物を倒すことで証明できるが勇気とはなんだ? 俺は強大な魔物に向かう勇気と、敵だった者と向き合い和解する勇気、そしてお互いの違いを認め受け入れる勇気のことだと考えてる。それなのにお前らは力なき者を滅ぼし奴隷にし、人種差別をして敵を作り、他者から技術を奪おうと画策し、挙げ句の果てに力を付けた者を集団で封じ込めたうえにその者だけを戦わせ利益を得ようとしている。お前ら神の意図と見事に逆行してるよな? 正直笑えるよ」


お前らの選択はとっても人類らしい選択だよ。元の世界でも方舟が現れたら人類はお前らと同じ選択をしただろうとは思う。それでも創造神のメッセージを聞いたなら、この方舟の期限付きのシステムを知ったなら気が付いてもいいと思うんだがな。この方舟は人類への罰であると同時に、助け合い協力し共存共栄せよという創造神の導きでもあるということを。


『そんな……勇気とは方舟に挑む勇気だと……この方舟は人類への罰であると同時に試練でもあったということ? それも攻略をして主に選ばれた民族であるということを証明するための試練などではなく、人類が協力し攻略できるかどうかという試練だったと? 』


《 そんなはずは無い……方舟は我々が神に選ばれた民族であると証明するための試練のはずなのだ…… 》


《 そうだ! 勇気とは強大な敵に挑む勇気のこと。他者と協力する勇気など理解できない。利害が一致した時に協力すればいいだけだ 》


《 力ある民族が方舟を攻略し神に選ばれた存在となり、方舟で永遠に繁栄するのだ。神はそれをお求めのはずだ 》


《 その通りだ。神は優れた子をお求めのはずだ。そのための試練であり、その試練を乗り越えられない者は方舟で繁栄する資格などない! 》


《 しかし人類が協力し合うことができれば攻略が早いのは事実だ。攻略フィールドでの人類同士の殺し合いがどれだけ攻略を遅らせているか…… 》


「別にお前らが協力し合おうがいがみ合おうが俺はどっちでもいい。創造神は人類が協力できないことも見越していただろうしな。つまりはそんなに人類同士で殺し合いがしたいなら、期限付きというフィールドを用意してやるから永遠に殺し合いをしていろって事だ。フィールドの期限切れという戦争の火種が毎年起こるんだ。壮絶な殺し合いと奪い合いの後に、いずれは一国が全てを手に入れるだろう。そしていつかその国で内乱が起こり、国が分裂してまた人類は殺し合う。なんだ? 地上と変わらないな? 」


『そ、そのようなことは……』


「簡単に起こると予想できるよな? それが人類の歴史だからな。別に俺はお前らに協力し合えなんて言うつもりは微塵もない。俺がここに来た理由は、俺がアマテラス様から受けた依頼の邪魔をするなら日本以外の国は滅ぼすと警告をするためだ。日本は今回のこの会議で世界との協調を諦めた。今後日本の方舟攻略を邪魔する者は全て俺たちLight mareの敵だ。もう一度言おう。俺は日本の皇室と善良な国民を救えとアマテラス様に言われている。ゆえにお前らのような奴らは滅ぼしてもいいと思っている。だが、おとなしくしてるなら生かしてやる。せいぜいじっとしてろ」


俺は早く日本人が安心して暮らせる土地を手に入れ、伊勢神宮を移設して元の世界に帰りたいんだ。そして恋人たちとドライブしたりお洒落なレストランでデートしたり映画を観たり、えっちなホテルをハシゴしたりしたいんだ!こんな何もない世界なんか一年以上いるつもりはサラサラ無いんだよ!

その邪魔するなら滅ぼしてやる!


『そ、それでは私たちニホン以外の国はどうすれば! 』


《 ドラゴンを従えているからとなんと傲慢な魔王だ! 》


《 ニホン以外は必要ないと言うのか! ニホン以外にも幼い子供もいればか弱い女性もいるのだぞ! それらを見捨ててもいいと言うのか! 》


《 そ、そうだ! ニホンだけ方舟に移住するなどそんな事が許せるものか! 》


《 力で我々を抑え込もうなど横暴ではないか! 我々は話し合い理解し合えるはずだ! 》


《 ニホンは世界に協力すべきだ! 神が人類の団結を求めているならニホンが率先してやるべきだ! 》


《 9億にも及ぶ人類を見捨てて自分たちだけ方舟で繁栄しようと言うのか! やはりニホンも魔王の仲間だ! 》


「黙れゴミが!」


》》》


「横暴だ? これまで散々弱い者から搾取していた奴らがどの口でそれを言うんだ? 話し合えば理解し合える? この会議で日本を一方的に利用しようとしていたのを忘れたのか? 世界のために協力すべきだ? お前らが力を手に入れたら世界のために協力するのか? できもしねえことを他人に求めてんじゃねえ! お前らの言ってることは負け犬の遠吠えなんだよ! 戦わなければ方舟のフィールドが手に入らないこの世界で、人類が協力し合うことを放棄したお前らは強くなる以外の選択肢はねえんだ! 方舟を取られたくなかったら戦え! 力が正義だ! 弱いやつがいくら吠えようがこんな世界で手を差し伸べる者がいないことを知れ! グダグダ文句言う暇があるなら戦って力を付けフィールドを奪え! それがこの世界の人類が選択したことだろうが! 甘えてんじゃねえ! 」


》》》


コイツらこんなんで20年もこの世界で戦ってたのか? そりゃ人口も減るわけだ。こんな甘っちょろい考えの奴らを国の代表にしてんだからな。コイツらのせいで国民がどれだけ犠牲になったことか……

少し脅しておくか。


「そもそもお前らはこの方舟がいつまでもこの世界にあると思ってんのか? 」


『そ、それはどういうことでしょう? 』


《 なにを言っているのだ? 方舟はここにあるではないか 》


《 ゆっくり移動はしているが別に宇宙に行くようなことは無いぞ? 》


おいおい……考えたことも無いのかよ。危機感が無さすぎだろ。


「考えたことも無いようだな。方舟は船であり神はこの地上を捨てた。そして俺たちはこことは似て非なる並行世界から来た。方舟がこの世界から別の世界に行かないという保証がどこにあるんだ? 」


》》》


「何を驚いてんだ? お前らがさっき選ばれた民族のみが方舟で繁栄するって言ってたじゃねえか。その優秀な神に選ばれた民族が方舟に乗り新たな新天地に向かう可能性を考えなかったのか? この方舟が永遠にこの世界にあり続けると考える方が不自然じゃねえか? これは船なんだぞ? 」


『そんな……考えてもいませんでした……い、今の状況で方舟がこの世界から無くなれば地上に残された国民は…… 』


《 言われてみればそうだ。動いていたからそのための船だと思っていたが、異世界が存在するのであればこの船がそこへ行かない保証などない…… 》


《 なっ!? フィールドは開拓地ばかりで国民は一人も住んでいないのだぞ! ふ、船に移住しなければこの死の大地に残されれば人類は滅ぶ…… 》


《 地上に残されれば滅亡以外ないではないか! 急いで移住の準備を……いや国民に知られてはパニックになる。まずは我々の家族だけでも移住させなければ 》


《 ま、待て! 20年間なにも起こらなかったのだ! これはただの推測だ! たとえいつか異世界に移動するとしてもたった20年で移動するなど考え難い。まだ時間はあるはずだ! 》


「そうだな。この方舟の難易度から言って今すぐどうこうって訳じゃないだろう。中世界フィールドの期限は50年だ。もしもこの方舟が新世界に移動するのならば、最低でもそれくらいの時間はくれるだろう。なら残り30年か? お前らちんたら攻略してていいのか? 」


もしかしたら100年先かもしれないし、異世界に移動しないかもしれない。しかし創造神がそんなに甘いとは思えないんだよな。恐らく移動する前に資源フィールドの閉鎖を順次行って、人類のケツを叩いてくるとは思う。その時に慌てて攻略を加速させたとしても恐らく手遅れだろう。地上の人間はまた数を減らすはずだ。

さっきから人類の団結をそれとなく促しているインドの首相とアラブ神国の大統領以外、ここにいる奴らはどうなってもいいが、いやむしろ死んで欲しいくらいだが各国の国民に罪はない。俺の精神衛生のためにケツを叩くくらいはしておくさ。


『 30年……根拠としては適当もいいところですが、絶対無いとは言い切れませんね……』


《 む、無理だ! 20年でスモールワールドを半分しか攻略できていないのに残り30年で国民が移住できるほどのフィールドを攻略するなどできるはずがない! 》


《 なんの根拠もないただの憶測だ! 私は騙されんぞ! 20年間方舟はずっとあったのだ! これからもこの世界に在り続けるはずだ! 》


《 し、しかしもしも本当に我々を地上に残し異世界に移動してしまったら…… 》


《 万が一に備えて攻略を加速させ、民の移住を進める必要があるな 》


「自分が信じたいものを信じればいいさ。お前らが滅ぼうがどうでもいいしな。まあこうして煽った手前一度だけチャンスをやる。これはお前らゴミどもにではなく、お前らのようなゴミを国のトップに据えた国民を憐れに思ってのことだから勘違いするんじゃねえぞ? 」


散々ビビらせたし恋人たちもコイツらの狼狽ぶりを見て笑ってるし、この辺でもういいかな。

俺はプランBで落とし所として用意していた案を出すことにした。


『 ……チャンスとは? 』


《 クッ……言わせておけば…… 》


《 くそっ! 我々はあの魔王になぜ対抗する術がないのだ! 》


《 中露の精鋭部隊があの男の魔法一撃で全滅したのを私は見た。ドラゴンだけではないのだ、刺激をするなよ? 》


「3ヶ月だ。俺たちLight mareと日本軍は方舟の攻略を控える。その間にお前らだけで救世軍だったか? それを作って攻略しろ。日本にやらせようとしてたんだ、米国が責任持ってまとめろ。できないならできないでいい。3ヶ月後に日本がスモールワールドにある残り全てのフィールドを攻略するだけだ」


米国の婆さん、ブーメランを戻してやるよ。できないならできないでいい。自分たちではできないことを日本に強要しようとしたんだ。今後日本に文句は言えないだろう。


《 さ、3ヶ月だと!? 》


《 無茶だ! 》


《 いや待て! 各国がお互い邪魔をしなければ可能だ。ミドルワールドを攻略できない我々はニホンがいないこのチャンスを生かすしかない 》


《 しかしロシアと南朝鮮が協力するとは思えませんな。奴らは必ず裏切りますぞ 》


《 中華国がいないだけマシだが…… 》


『…………わかりました。我が合衆国が各国をまとめます 』


お? やるの? この婆さん政治家だなぁ。選挙が近いからやるつもりか?

それならどうなるか見てみたい気もするから援護射撃してやるか。


「そうか、おいっ! ロシアのそこのハゲ! テメーだよ! お前俺の警告に対して随分ふざけたことやろうとしてるらしいじゃねえか。聞いてたぞ? 攫ってきた東南アジアの人々を攻略済みフィールドから出して一か所にまとめてるらしいな? ミサイルでも撃ち込むのか? ニホンに数百人の亡命者がいるのを忘れてねえだろうな? 」


《 なっ!?ハ、 ハゲ!? クッ……わ、我が国は虐殺などしない……東南アジアの者たちには地上での仕事をやってもらうために集まってもらっているだけだ 》


「ふーん……で? 解放すんの? しないの? しないなら毎日攻略フィールドでロシア軍を殲滅して回るけど? 虐殺なんかしたら日本にいる東南アジア人をオーストラリア人のように鍛えて送り込むぞ? 中華国の国家主席の最期がどうなったか教えてやろうか? 」


ロシアの所有するフィールドの管理者がもういない事は分かってんだよ。お前らに逃げ場はない。


《 ……か、解放するためにフィリピンの代表と話し合い中だ…… 》


「嘘くせえな……だったら一週間以内にまとめろ。一週間後に俺が東南アジア人を迎えに行ってフィリピンに送ってやる。お前らは解放後は食糧支援をしろ。それでロシアを滅ぼすのを待ってやる」


《 なっ!? 一週間!? それにフィリピンに送るだと? そんなことどうやっ……」


『転移』


《 ガッ! 》


「俺は一度行ったことがある場所にはどんなに離れていようが一瞬で行けるんだ。ドラゴンを連れてもな。で? どうする? やるのかやらないのか? 」


俺はロシアの大統領が座る席の後ろに転移をし、そのハゲ頭を掴んだ。


《 ……わかった 》


「そうか、ならロシアも救世軍に参加しろ。抜け駆けなんて考えるなよ? んなことしたらてめえの国の攻略済みフィールドの期限が来た時に俺が全部奪ってやるからな? 」


《 ……わ、わかった 》


「米国の大統領。そういうことだ。わかるな? 」


『 そ、そんな……では合衆国にもいつでも……は、はいっ! 理解しました。ろ、ロシアの参加も歓迎します 』


「ならいい。それとそこにいる南朝鮮のデブだが、まさか救世軍に入れないよな? そいつは米国と日本を裏切って敵である中華国に付いた裏切り者だ。中華国が崩壊してからはロシアを宗主国にしたのか知らんが、こんなのを軍に入れたら寝首を掻かれるぞ? 」


『ええ、南朝鮮国はもとより加入させるつもりはありません』


《 なっ!? ロシアは加入させて我が国を加入させないつもりか! 》


「裏切り者の末路ってのはそういうもんだ。方舟が無くなる日まで単独で攻略するんだな。嫌なら今見せた転移魔法でお前を恨んでいるオーストラリア人のいる所へ連れてってやるが? 陳みたいに嬲り殺されるかもな」


《 ひっ! や、やめるニダ! 嫌ではないニダ…… 》


「攻略時はせいぜい気をつけるんだな。日本人はお前の国に恨み心頭だからな。サーチアンドデストロイってやつだ。ロシアが近くにいたら一緒に殲滅してしまうかもな」



これで南朝鮮は中華の後ろ盾もロシアの後ろ盾も無くなったな。かと言って攻略フィールドに出て来なければ、一応民主主義の国らしいから国民の突き上げを喰らい政権から引きずり降ろされるだろう。そしてフィールドに出てくれば日本軍により最優先で殲滅させられる。そうやってジワジワと滅んでいけばいい。最後はクーデターでコイツは死にそうだな。


「じゃあそういうことだ。米国をはじめ救世軍……いや勇者の皆さんせいぜい頑張ってくれ。世界のためにな。どれだけ攻略できるのか3ヶ月後が楽しみだな……総理、帰りましょうか」


「あ、ああ……佐藤さんあなたって人は……結局世界を一つにまとめてしまいましたね」


「別に意図してたわけじゃないですよ。救世軍とかいう面白い案を出してきたから、それをそのまま発案者と賛同者たちにやってもらおうと思っただけです。俺たちは世界の勇者たちの戦いを高みの見物といきましょう」


「はあ……魔王とまで呼ばれたのに……申し訳ありません」


「勇者と呼ばれるよりは心地いいですよ。蘭! シルフィに凛と夏海も。帰るぞ」


「うふふふ。はいっ! 」


「アイツらさんざんビビってて面白かったわ」


「ふふふ、そうね。私たちがいるなんて思ってもいなかったでしょうね。ドッキリみたいで面白かったわ」


「私は蘭ちゃんが隣でずっと殺気を放っていたから、いつ特別エリアから追い出されるか気が気じゃなかったわ」


「むぅ〜、蘭は主様の指示を待ってたのになにもしないままでした……」


「俺たちがここで暴れたら日本も共犯になるからな。それはさすがに世界との協調を望む陛下に申し訳ない」


協調はできそうもないから、せめて日本が恨まれないようにしないとな。

今回のことでヘイトは俺たちに集まっただろうしこれで大丈夫だろう。


さて、3ヶ月の休暇をゲットだぜ!

ダークエルフたちを連れて今度はグアムのビーチでも行くかな♪

彼女たちは蘭やセルシアとおしゃれ談義したり化粧を覚えたりと、だいぶ砕けてきたからダークエロフになるのも時間の問題だな。そろそろ沖田の店で買った水に溶ける水着の出番だな。


水着なのに水に溶けるって、これを考えた奴は天才だよな。


俺は総理や側近の人たちを引き連れ出口に向かいながら、この3ヶ月の休暇中に恋人たちやダークエルフたちとの海水浴を計画するのだった。







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